日日平安part2

日常を思うままに語り、見たままに写真を撮ったりしています。

「学ぶ」ための大切な基本動作


将棋の史上最年少棋士・藤井聡太四段(14)は、デビュー11連勝で新記録とのこと。
5歳の時、(くもん出版から販売されている)「スタディ将棋」を祖母から贈られたのが、将棋を始めるきっかけになったという。

幼稚園の時に<将棋の名人になりたい>という言葉を残し、小学生になると将来の夢として<名人をこす>と言い放ったからすごい。

その後はネット将棋を指して研鑽を積んでいるそうだが、コンピュータとの関わる度合いがどれくらいなのか、とても興味深い。

昨年、コンピュータの「AlphaGo」が、世界のトップ棋士・韓国棋院のイセドル九段を破った。五番勝負でAlphaGoの4勝1敗。AlphaGoは名誉九段を授与したそうだ。

今や、人工知能が人間の“先生”となっている時代なのかもしれない。そして、その基本中の基本を、コンピュータが教えてくれている。

 

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人工知能は何も特別なことをしているわけではないのだ。そもそも人間の脳に備わる学習方法を忠実に実行しているだけなのだから。

AlphaGoの実行していることは、とても簡単なことで、人間の棋士によるお手本を、たくさん学習するのだ。それは<過去の数多いプロ同士の棋譜を読み込み、そこからパターンを学習する>という単純作業のようだ。

自分で多く対局してみて、過ちから学び修正していく。どのような手を打つと勝つ確率が上がるのか何回も試行錯誤し、次第に技を研ぎ澄ませる。

お手本からパターンを学び、「試行錯誤でよりよい方法を見つける」という基本の動作を何度も何度も繰り返しながら、人工知能は強くなっていった

「自動運転」も同じで、ゼロから人工知能が運転することよりも、熟練したドライバーの運転パターンを覚えることで学習していくのである。

 

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ある天才ハッカーが、短期間で自動運転車を開発したらしい。その際の手順は、自分で公道を「お手本」として運転してみせてから、そのパターンを「ディープ・ラーニング(深層学習)」で覚えこませた。

人間が“他人から学ぶ”という行為もまったく同様であるが、その課題の本質は簡単なようでいてむずかしいものがある。

走るコンピュータ化された今の自動車は、ハンドルの動かし方や、アクセルの踏み方などと、さまざまなデータをとることができる。人工知能が自動車運転を達人から学ぶ場合は、詳細なデータをとることができるし、パターン学習にて短時間に達人の技を盗むことが可能なのである。

人間どうしの場合、人の技を習得することはかなりの集中度と観察眼がいるし、観察自体もむずかしい。本来、人間のやるべきことを、人工知能は地道にやってのける。

人間が大いに反省する原点はそこにあるのかもしれない。

<学びにおいての基本動作とは地道にやること>。皮肉なもので、現在の人間はコンピュータ利用にかまけて、その原点に気づかず、どんどんお置き去りにされているモノが、増え続けているような気がしてならない。

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