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有機フッ素化合物の地下水汚染問題 東京都から回答。

発がん性が疑われる有機フッ素化合物の一種・PFOS(ピーフォス)を含む泡消火剤の薬剤が、全国に約339万リットル(大型タンクローリー約240台分に相当)も残されている、
という驚くべき事実が、2021年1月31日の朝日新聞一面で報じられました。
その多くは消防署、石油コンビナート、商業ビルやマンションの地下駐車場、空港や基地などの消火設備に残存しているそうです。
PFOSは10年ほど前に法律で製造・使用が原則禁止されました。ただし、消火剤としての使用は例外的に認められているため、交換費用の負担などから廃棄が進んでいないのが実情だそうです。

この有機フッ素化合物が、東京都多摩地域の一部の水道水源井戸から高濃度で検出されたため、東京都は汚染水源井戸からの汲み上げを中止しています。

しかし、汚染井戸からの取水を停止したままでは、地下水汚染は地下の水みちをたどって拡散するばかりです。
私達、東京の水連絡会は水道水源である地下水への汚染を看過できない問題と考え、昨年12月8日、東京都への質問状を東京都知事小池百合子氏に宛て送付しました。

その回答を、東京都の関連する3部署から今年1月18日にいただきました。

なお、有機フッ素化合物の地下水汚染問題については、本会ブログの下記ページも参照願います。
「PFOA・PFOSって どんなもの? (Q&A NO1)
http://tokyo924mizu.blog.fc2.com/blog-entry-95.html
有機フッ素化合物について 東京都への質問
tokyo924mizu.blog.fc2.com/blog-entry-94.html

都庁ビル 83kb 

東京都からの回答 
 質問項目の下に回答を記載しました。
 
1. 東京都水道局のホームページでは、「水道水における有機フッ素化合物(PFOS、PFOA)については、東京都水道局では万全の対応をとっております。水道水の水質については、暫定目標値を下回っており、問題ありませんので、ご安心ください。」と書かれています。そして、都内給水栓(蛇口)及び浄水場(所)の水質検査結果(令和2年度実施)が掲載されています。
https://www.waterworks.metro.tokyo.jp/files/items/29464/File/reiwaninenn_kennsakekka.pdf。
この水質検査結果のデータでは暫定目標値の50ng/Lを超える値はありませんが、定量下限値である5ng/L未満ではない給水栓(蛇口)はあります。例えば10ng/L以上は、立川市、府中市、小平市、日野市、国分寺市、国立市、福生市、西東京市の給水栓(蛇口)です。定量下限値5ng/L未満ではない給水栓(蛇口)が多摩地区に集中している原因としては、何が考えられますか。
【回答】 水道局
多摩地区の水道水は表流水、伏流水、井戸水(地下水)を主な水源としており、配水量に応じて表流水を水源とする東村山浄水場や小作浄水場などからの補給水を混合して配水しています。定量下限値5ng/L未満ではない給水栓水(蛇口)が多い理由としては、原水に井戸水(地下水)を 使用しているためと考えられます。

2. 水質検査結果に掲載された浄水所については、停止中の表示が多くあります。「暫定目標値を超過した浄水所については、井戸水源の一部又は全部を停止する対策を実施しました。」と水道局のホームページに記載があります。暫定目標値を超過したときの値を教えてください。
【回答】水道局
有機フッ素化合物の濃度が暫定目標値を超過したため、水源井戸の一部または全部を停止する対策を実施した浄水所については、水道局のホームページで対策前後の測定値を公表しております。
東恋ヶ窪浄水所及び府中武蔵台浄水所については、「トピックス」の「東恋ヶ窪浄水所・府中武蔵台浄水所出口の有機フッ素化合物検出状況」に、小川浄水所については「よくある質問」の「有機フッ素化合物について」に、それぞれ対策前後の測定値を掲載していますので、ご覧ください。(青字表示をCtrlと共にクリックすると、当該箇所へのリンクが開きます。編集者)

3. 浄水所のうち、府中武蔵台浄水所は原水320・浄水39(単位ng/L、以下同)、小平浄水所は原水100・浄水19、国分寺北町第二浄水所は原水150・浄水22、国立中浄水所は原水83・浄水26、と表示されています。原水は50を超えていますが、浄水を暫定目標値の50以下にするためにどのような処理を行ったのでしょうか。
あわせて、PFOS・PFOA汚染で止めている井戸があれば浄水所名と井戸名、汚染物質濃度を教えてください。
【回答】水道局
東村山浄水場や小作浄水場などからの補給水と混合することにより、給水栓水(蛇口)でPFOS等の濃度が50ng/Lを十分下回るよう管理しています。
停止している水源井戸については公表をしておりません。給水栓水(蛇口)で暫定目標値を超過した浄水所については、水道局のホームページで対策前後の測定値を公表しております。

4. 昭島市、羽村市、武蔵野市、檜原村、島嶼部などの東京都水道局が所管していない未統合水道にもPFOS・PFOA汚染が見られるのでしょうか? 状況を把握できていれば、教えてください。
【回答】福祉保健局
当該水道事業体に関して、これまで都が実施した検査では、水質管理目標設定項目であるPFOS及びPFOAの暫定目標値を超過した地点はありません。

5. 環境省は、令和2年6月11日に「令和元年度 PFOS及びPFOA全国存在状況把握調査の結果」 を発表しました。この調査では、各都道府県のPFOS又はPFOAの排出源となり得る施設周辺等の計171地点において調査を実施した結果の一覧が掲載されています。東京都の地下水10地点では67.7~556.0で、全国各地の地下水地点と比較すると最高値では大阪府に次いで高いです。東京都の地下水の有機フッ素化合物の濃度が他県に比べて高い理由をどのように推測されていますか。
因みに青森県は0.3、宮城県は3.5、秋田県は0.3、山形県は35.7、福島県は11.9、茨城県は<0.3、群馬県は2.0、新潟県は3.5、富山県は1.2、石川県は1.2、山梨県は0.7、岐阜県は1.2、静岡県は8.1、愛知県は9.3、滋賀県は<0.3と0.4、京都府は85.3、大阪府は1855.6、兵庫県は73.1、奈良県は23.3、和歌山県は31.3、岡山県は16.1、広島県は<0.3と0.3、山口県は3.0、徳島県は0.3、香川県は1.3、愛媛県は0.8、高知県は7.2、福岡県は5.4と4.1、佐賀県は< 0.3 、大分県は48.8、宮崎県0.4、鹿児島県<0.3
 【回答】環境局
 PFOS及びPFOAは、半導体製造や撥水加工の原料等、様々な用途で幅広く使用されてきました。東京都は、国に先駆け、平成22年度から25年度にかけて、島しょを除く都内237地点で地下水中のPFOS及びPFOAの調査を実施しています。その結果、全ての区市において地下水から検出されている状況であり、発生源の特定は困難です。
なお、環境省が実施した東京都の地下水調査地点については、過去の調査でPFOS及びPFOAの合算値が70ng/Lを超えていた地点のうちの10地点を選定しています。

6. 上記の全国存在状況把握調査の結果では、地下水については地点名が都道府県のすべてで記載されていません。この調査の備考※1では、「地下水及び一部の湧水は私有地において測定している場合があるため、市区町村名までの記載とする。」としています。東京都の地下水調査地点については、私有地であっても町丁目までを明らかにしてください。できない場合はその理由を教えてください。
 今後、私有地以外の地下水地点を調査対象とする計画はありますか。
【回答】環境局
東京都の地下水調査については、井戸所有者に所在地等の井戸情報を公表しないことを前提に協力を得て実施しており、調査地点の区市町村名以外の情報を公表していません。
なお、私有地以外の地下水地点についても、必要に応じて調査対象とする予定です。

7. 沖縄県では湧水地点でPFOS及びPFOAを調査しています。東京都では湧水地点の調査を行う計画はあるのでしょうか。
【回答】環境局
湧水地の調査を行う計画は今のところありません。

8. 東京都における水道水源と浄水、地下水、河川水等の有機フッ素化合物調査計画はどのようなものでしょうか。東京都各部局(水道局等外局を含める)において今年度と来年度の予算を計上したものがあれば、それらの調査内容をお示しください。 
【回答】水道局
水道局における有機フッ素化合物の測定については、他の水質管理目標設定項目と同様に、原水・浄水・給水栓水(蛇口)を年4回測定することとしています。
【回答】福祉保健局
福祉保健局では、飲用井戸等への指導・助言のため、水質検査を実施しており、水質管理目標設定項目に位置付けられたPFOS及びPFOAについても検査実施項目に含むこととしています。
【回答】環境局
公共用水域及び地下水におけるPFOS及びPFOAは、令和2年5月に、現時点では直ちに環境基準健康項目とせず、引き続き知見の集積に努めるべきと判断される要監視項目に追加されました。これを踏まえ、環境局では、他の要監視項目で実施している調査に、PFOS及びPFOAの調査を追加するなどして、都内全域を対象とした、公共用水域である河川や、地下水の水質測定を計画的に実施する予定です。
なお、令和3年度の予算にはPFOS及びPFOAの調査に必要な経費を計上しています。
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回答者
東京都水道局多摩水道改革推進本部      1,2,3,8
調整部技術指導課  
東京都福祉保健局健康安全部 4,8
環境保健衛生課水道担当 
東京都環境局総務部総務課広報広聴担当 5,6,7,8
[email protected]  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

東京の水連会では、これらの回答を基に検討を重ねています。
ご意見・ご質問等は
連絡先:山本 em:[email protected]
までお願いします。


2021・2・12記 東京の水連絡会・事務局

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東京都は水道水のほぼ60%を利根川水系・荒川水系に依存しています。
つまり、自給率はほぼ40%。こんな自給率で異常気象や大地震が引き起こす
災害に備えることが出来るのでしょか。
私たちは大変に危うい水行政の元で暮らしています。
これまで東京の河川・地下水の保全と有効利用をめざしてきた市民グループ、
首都圏のダム問題に取り組んできた市民グループらが結束して、
「東京の水連絡会」を設立しました。
私たちは身近な水源を大切にし、都民のための水行政を東京都に求めると同時に、
私たちの力でより良い改革を実践していきます。
東京の水環境を良くしようと考えている皆さま、私たちと共に歩み始めましょう。
2016年9月24日。        
                   
      

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