前回に引き続き、技術書典 15 でサークル名 lxc-jp として出展しました。
今回は、"Linux Container Book" の (1)、(2) に続き、「(3) セキュリティ編」を新刊として出しました。
Linux Container Book (3) セキュリティ編
第1巻、第2巻に続き、gihyo.jp での連載、「LXCで学ぶコンテナ入門 -軽量仮想化環境を実現する技術」をベースに書いていることには違いはありません。
ただ、今回の第3巻については、私自身は少し違う感覚で制作しました。
第1,2巻については、Namespace、cgroup v1について、基本的な機能についてはなるべく網羅的に取り上げるようにしました。
しかし、セキュリティに関しては、
- すべて取り上げるとキリがない
- 私自身に本として書く知識が十分でない機能が多い
- コンテナで使うセキュリティ機能をすべて連載で取り上げていないのでベースとなる記事がない
という理由で、網羅的に仕上げるために新たに書き起こすことはせずに、あくまで連載をベースに、私が興味を持ったセキュリティ機能を中心に紹介するという考えで本を制作しました。
そういう理由で、単独の章としては
- ケーパビリティ
- Seccomp
しかありません。しかも、Seccomp は Seccomp Notify 機能を紹介するのが主眼の記事がベースですので、Seccomp 全体を詳細に説明しているわけではありません。
商業出版ではなく、同人誌として出していますので、私の興味を持った機能を中心に紹介する本であっても問題ないであろうという考えです。それに加えて、最近は「コンテナセキュリティ」というタイトルの本が複数商業出版として出版されており、網羅的な内容はそちらに任せられるという状況もありました。
もちろん、それだけではあまりにも偏りすぎると思ったので、第3章で、コンテナでよく使われるセキュリティ機能をひととおり紹介しています。ただ、概略であって、それぞれの機能を詳細に深掘りしているわけではありません。
ひとつ心配なのは、オフラインの際に「第1巻、第2巻が良かったので」ということで第3巻をお買い上げいただいた方が結構いたのですが、第1巻、第2巻と同様の網羅的な内容を期待してご購入いただいた方がいれば、期待はずれになってしまわないかな?というところです。
正誤表
見つかり次第追加します。電子版は、後日更新版を技術書典のオンラインショップに上げます。
- 脱字を修正しました(2024-08-07)
電子版は技術書典の「自分の本棚」から最新版をダウンロードできますので、お買い上げ頂いた方は最新版の取得をお願いします。
場所 | 誤 | 正 | 備考 | 修正 |
---|---|---|---|---|
P.65 | ユーザー空間で動くプログラムがOSの機能を場合 | ユーザー空間で動くプログラムがOSの機能を呼び出す場合 | 電子版v1.0.2で修正 |
オフライン出展
11/12(日)のオフライン会場にも出展しました。
今回は、masami256 さんとの共著である「cgroupの歩き方」を出すためのサークルと隣同士でした。
かなりの方にブースを訪れていただきました。ありがとうございました。
じっくり見本誌を取っていただく方が結構いらっしゃいました。もちろん、全員がその場で購入いただけるわけではないのですが、じっくり見本誌をご覧いただくだけでも非常にうれしいことでした。ありがとうございました。
そして、「第1巻、第2巻が良かったので今回も買います」と言っていただく方が結構いらっしゃり、非常にうれしかったです。中には見本誌を全く見ずに「前のやつが良かったので」ということでご購入いただく方もいて、書いててよかったと思える瞬間でした。第3巻でがっかりしてませんように…
さらに、第1〜3巻すべてをセットでご購入いただく方もいて、これはまたうれしい誤算でした。1、2 巻については、今回はそれほど売れるとは思っていなかったので。
コンテナの基本を学びたいということで、第1巻をお買い上げいただいた方も結構いらっしゃいました。やっぱり技術者として使っている技術を理解したいという方がそれなりの割合でいるのだなと感じた瞬間でした。おかげさまで、今回も第1巻は結構な冊数が売れました。昨年(2022年)、技術書典13で初めて売って以来、今回で累計 400 冊以上お買い上げいただいています。
そして、さらにうれしかったのが、すでにお買い上げいただいた方が、「良い本なので会社の同僚・後輩に買っていく」「会社の先輩へのおみやげとして買っていく」などと以前すでに買っていただいている同じ本の2冊目をお買い上げいただいたことが何度かあったことです。本当にありがとうございました。こうやって草の根で広まっていくのは、商業誌に比べると広がるスピードや範囲は小さい・狭いのでしょうが、こういう動き自体がうれしいものです。
これを励みに続編も書いていきたいと思います。次回も網羅的ではなく、特定の機能にフォーカスを当てた内容になると思いますが、引き続きよろしくお願いいたします。
お買い上げいただいた方のエンジニアライフがより充実すること、コンテナの要素技術に興味を持っていただく方が増えて、一緒に技術について語ったり、新しい技術を教えていただける方が出てくることを期待しています。
今回お買い上げいただいた方、立ち寄って手にとっていただいた方、色々とお話や質問をしていただいた方、ありがとうございました。
そして、技術書典運営の方々、ありがとうございました&おつかれさまでした。