この青空に約束を ~ようこそつぐみ寮へ~ 第08話 「羽山海己(後編)」
今回も引き続き、羽山海己のエピソードが描かれています。
航は祖父に寮の生活での事を知られてしまったので土下座して謝っていました。
そこで、これからも寮で過ごしたいと申し出ますが、強く却下されてしまいます。
ただ祖父としては羽山家の娘でもある海己と一緒に仲良くしているという事よりも、
海己と彼女の父親がさらに世間から疎まれる事を心配してあげている感じです。
自分の息子でもある航のお父さんもまた駆け落ちした張本人ですから、こちらから
一方的に羽山家を恨みに思うのは筋が違うと思っているのでしょうね。
しかし、年頃の男女が同じ寮で過ごすというのは、たとえ何も起こらなかったとしても
世間からは色々と詮索されますから、ここは祖父や祖母の言う事も一理あります。
航としては難しい状況に立たされてしまったと思っていいでしょう。
海己も航が祖父母に打ち明けた事を聞いて父親に話そうと心に決めていました。
航が反対されても寮に留まると言ってくれたので少し安心したかもしれませんね。
ただお父さんに会って打ち明けようとする時に、話をはぐらかしてしまってましたわ。
正直に話してしまうと航と一緒にいられなくなるとでも思ったのかな?
それともお母さんに逃げられたお父さんを気遣ってあげたのでしょうか?
いずれにせよ、いつかはバレる可能性が高いので、話せる時に話してあげた方が
良いような気もするのですけどね。あの優しそうなお父さんなら怒らないと思うし。
海己はお父さんに何も言えなかったので自己嫌悪に陥ってしまっていました。
この時の彼女の様子を見ていると精神状態の方が少々心配になってきます(汗)
おそらく航は早く何とか打開策を見つけないといけないと思ったはず。
そこでちょっしたと刺激策を思いついて行動に出ようとしていました。
航は次期生徒会長選挙へ立候補をして海己を副会長に推薦しようとしてました。
昔から海己は周囲の目を気にしながら航の後を追いかけていましたから、
生徒会長と副会長の関係であれば堂々と一緒に行動できますよね。
また海己が副会長になれば嫌でも全校生徒の前に出ていく機会がありますので、
そうすることで海己の孤独感を和らげる方法を取ったようにも思えました。
ただ奈緒子先輩の言うとおりに、海己は書記か会計の方が合っている感じだから、
副会長になれたとしてもその後の実務がこなせるのかが心配でもあります。
「お前なら出来る!俺が保証する!」
航は海己に生徒会副会長に推薦する事を伝えていました。
海己が変わるためには必要な事だと思っているのでしょう。
海己は些細な問題や困難からも逃げようとする行動が染みついていますので、
ここは責任の伴う副会長職に就いてもらう事で克服させようとしています。
海己は堪え切れずに自分の部屋に逃げ込んでしまっていました。
この作品って女の子が部屋に引き籠るパターンが多いなぁって思います(笑)
でもまぁ皆が海己を必要している事を真剣に伝えようとしてくれたお蔭で、
海己も少しは勇気が持てるように変わってきたのかもしれませんね。
航だけじゃなく、他の女の子達も説得に加わってくれた事で、つぐみ寮の
絆の強さが感じられるシーンだったように思います。
海己のお父さんと航の祖父母が新生徒会長の就任式に招かれていました。
お互いに会釈を交わしていたので、この3人の中では恨みの感情はなさそうです。
ただ周囲の人々などの世間の注目もあったので歩み寄りにくかったのでしょう。
これなら両家の関係が修復するのもそんなに難しくなさそうでした。
「こんにちわ。この度、生徒会副会長に就任する事になりました羽山海己です。」
海己が勇気を振り絞って全校生徒の前で就任挨拶をしていました。
最初は緊張していましたけど、深呼吸してちゃんと挨拶が出来ていたから偉いです。
演説の内容も素晴らしくて、ちょっと感動を覚えてしまうくらい良かったです♪
もう学校の事だけじゃなく、島の将来の事についても任せたくなる気分になりますわ。
これだけ皆に慕われている2人を見ていると、保護者としても2人が寮で過ごす事を
認めてあげなくっちゃいけないでしょうね。
海己が頑張ったお蔭で羽山家と星野家の関係が上手くいくことになりそうですし、
彼女自身も大きく成長する事が出来たのではないかなぁって思います。
もう彼女は周囲の目を気にしたり、逃げたりする事もなくなるでしょう。
ただ1つだけ今の彼女に逃げている部分があるとすれば、航へ自分の気持ちを
伝える事だけかな。今は部屋の柱に相合傘を書く事しか出来ないみたいです。
これもいつかは勇気を持って伝えられるようになれたら良いですね♪
海己のエピソードも家族との関係を中心に描いたお話になっていました。
彼女はメインヒロインだと思っていたので、他の女の子達よりも恋愛寄りな
物語になると思っていたのですけど、ちょっと予想外な感じもしました。
でも、この作品自体が人々との繋がりを大切に描いているとなると、むしろ
こういうストーリーの方が似合っているのかもしれませんね。
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