この青空に約束を ~ようこそつぐみ寮へ~ 第06話 「藤村静(後編)」
前回から引き続き、藤村静のエピソードが描かれています。
静はつぐみ寮での生活も1年以上になり、すっかりと皆と打ち解けていました。
最初に出会った頃に比べると、だいぶ人と接する事にも慣れてきていますね。
ただそんな幸せなある日、静の父親が娘を引き取りたいと申し出てきた事から
大きな波紋が巻き起こってきました。
「親の代わりは出来ても、俺達は本当の親にはなれない。静の幸せを考えれば・・・」
しかし、あの静の両親が娘を育てられるのか疑問を持たざるを得ないので、
そう簡単に両親の元に返したくないという気持ちになるのは当然です。
だからといって航としても、つぐみ寮がいずれは廃寮になってしまう事を考えると、
いつまでも静と一緒にはいられない事はよく分かっているために悩んでいました。
とにもかくにも、静の将来にとってどのような選択をしてあげれば一番良いのかが
今回のポイントになります。
あと、静にはもう1つ大きな問題が差し迫ってきていました。
それは彼女の成績があまりにも悪いために追試を受けなくてはいけないのです。
それなのに静は何回も追試から逃げていたから困った女の子だよ(苦笑)
いったいどうやってこの高見塚学園の受験に受かったんでしょう?(^ω^;)
でも、このままでは学園を退学になってしまうから追試を受けないといけません!
そこで航が勉強を教えてあげようとしていましたけど、ここは他の女の子達に
任せた方がいいかもしれない。航は自分の勉強の方を頑張らなくっちゃ(笑)
静は猛勉強の甲斐があって見事に追試に合格していました!
あの勉強嫌いの静がヤル気になって勉強したのだから凄い事だと思います。
皆が試験直後に駆けつけていたのを見ると真剣に心配してあげていたのでしょう。
特に沙衣里先生は自分の責任問題にもなりかけていたから、かなりホッとしたはずw
こういうシーンを見ていてもつぐみ寮生達の絆の強さが感じられました。
まさしく家族のような関係になっていると言えるでしょうね。
「航・・・ずっと一緒だよね?宮も海己も沙衣里も奈緒子も凛奈も。
この空、ずっと一緒に眺められるよね?」
「・・・あぁ、ずっと一緒だ。」
無事に静が追試に合格した事を祝って、皆で花火で打ち上げ会をしていました。
きっと静は皆と一緒にいたいから追試の勉強を頑張れたのでしょう。
ただ、彼女の願いを叶えられるのは難しいために、航は返答に困っていたかな。
これは悲しい別れがある事を予感させるようなシーンでした。
静の両親が毎日のように沙衣里先生のところに陳情しにやって来ていました。
今の両親の雰囲気を見る限りでは、心を入れ替えているようにも見受けられます。
「星野。静が一番頼りにしているのはアンタなんだ。あの子にとって何が一番大切か、
その答えはアンタが見つけてよ。」
それでも沙衣里先生と航は静を家に戻す事を渋っていたわけですけどね。
沙衣里先生の方が身元引受人だから、かなり精神的に参っていた感じでした。
ここは最初に静を連れてきた航がどうすればいいのか考えてあげた方がいいかな。
「お前、やっぱり藤村の家に帰れ。」
「え!?」
「色々考えた。静にとって何が一番幸せか。悩んで悩んで結局辿り着いたのは・・・」
航は静の今後の事を考えて、ついに両親の元に返そうとしていました。
しかし、静はいつまでもつぐみ寮の皆と一緒に過ごしたいという気持ちなので、
涙を流しながらその場を走り去ってしまいましたわ(汗)
静にとっては両親は冷たい人間としか見ていないのですから仕方ないでしょうね。
もう彼女の中では航達が本当の家族のように思っているのもあるでしょうし。
「航は静の事が嫌いなんだ。だから藤村の家に帰れだなんて言うんだ。」
「違う。俺は静が好きだ。好きだからこそ・・・」
その後の静は自室に引きこもってしまって航達の説得に耳を貸そうとしませんでした。
必死に説得しようとする航を見ると、もう両親の元に返す気持ちが固まってますね。
高校にいる間はともかく、卒業後までの静の世話をするわけにもいきませんから、
ここは断腸の思いで静との別れを心に決めたんだと思われます。
航が毎日授業も休んで静の部屋の前でずっと出てくるのを待ち続けていました。
さすがに静は航の真剣な気持ちに負けて部屋を出てきていました。
もちろん、引き籠ったままでは航と遊ぶ事も出来ないという思いもあるでしょう。
あるいは、あのままでは航の体力がなくなって危なそうだから出てきたのかな?
実際に航は疲労困憊で倒れてしましたもんね・・・(汗)
とにかく静がようやく部屋から出てきてくれたので良かったと思います。
この作品は2000年代のアニメにしては作画の質という部分では低い方なのですが、
静が涙を流しながらおむすびを食べるシーンは印象に残る描写になってました。
「ごめんなさい。」
「謝るのは俺の方だ。ごめんな。静。」
航は緊急入院したものの何とか無事に体調が回復しつつありました。
静が今までの事をちゃんと謝っていたのも偉いですね。
「静。帰るよ。お父さんとお母さんの所へ。だって2人共、静がいないとダメなんだもん。」
「静。寂しくなったらいつでも戻ってこい。つぐみ寮はお前の第2の故郷なんだからさ。」
「ありがとう。航。大好き。」
そして、静は何度か両親に会った事で家に戻ろうと決めていました。
静の穏やかな表情を見ている限りでは、もう両親とは上手くいきそうなのでしょう。
やっぱり両親と一緒に過ごせるならその方が一番だと思うので、彼女の選択は
正しいと思います。航も一安心したでしょうね。
静はつぐみ寮で皆と一緒に過ごした事で、自分の意見を言えるまで成長していました。
きっと両親が再び道を外すような事があったとしても、今度の静はもう逃げる事なく、
両親に対してちゃんと意見を言ってあげられると思うので大丈夫のように思います。
とにかく、静には幸せになってもらいたいな(*´ω`*)
エピローグでは静がつぐみ寮を訪問してくるところが描かれていました。
航と離れて暮らすようになっても、これからも一緒に遊んだりするのでしょうね。
静にとってはつぐみ寮の皆は家族みたいなものですから・・・♪(*´ω`*)
第05話と第06話の静の話は家族との絆について描いた素敵な物語でした。
この作品は美少女ゲーム原作でありますが、過度な萌えシーンなどはなく、
ありきたりの恋愛話もなく、良い話を取り揃えているなぁって思います。
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