ウェブ1丁目図書館

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プライドが高いと運が逃げてしまう

何かうまくいったことがあれば、それは、だいたい運が良かったからです。努力をしたから良い結果につながったと思うのは傲慢というものです。

人生の大部分は、運が支配していると言っても過言ではありません。同じことをしても、大きな結果を残す人もいれば、まったく結果が出ない人もいます。両者の違いは、運が向いたかどうかだけです。しかし、人生の大部分を運が支配しているとはいっても、棚から牡丹餅のような運はそうそうあるものではありません。

行動しないと運は良くならない

日本電産株式会社(現ニデック株式会社)の創業者である永守重信さんの著書『運をつかむ』は、永守さんのこれまでの仕事への向き合い方を実際に起こったことを交えながら紹介しています。タイトル通り、運をつかむためにはどうすべきかが述べられており、自分はなかなか運に恵まれないなと思っている方に読んで欲しい1冊です。

永守さんは、人の運命は、どこでどう転がって行くかだれにもわからないとした上で、「はっきりしているのは、最善を尽くさない限り、運は味方をしてくれない」ことを強調しています。何もせず、ただ待っているだけでは運は良くなりません。運をつかむためには、行動することが絶対に必要となるのです。

運を呼び寄せるためには、どれだけ努力を積み重ねたかが問われるとのこと。これ以上ないというところまで努力して初めて運はこちらに顔を向けてくれるのです。永守さんは、取引先との交渉で、他社より納期を半分に短縮すると言って実際にその通りの結果を出したことで契約につながったことがあります。最善を尽くしたからこその結果でしょう。

しかし、努力をしても全然結果が出ない状況が続くと投げ出したくなるものです。その場合には、自分の志は何なのかを問い直すことが必要になります。志は高いほど困難な目標を前にしてもひるむことがないと永守さんは述べています。永守さんは、「企業の務めとは、社会で困っている問題を解決するために活動することだ」と考えており、これが高い志につながっているのでしょう。

知能指数より感情指数

運をつかむためには、努力をすることも必要ですが、人との縁も大切です。

そして、人と縁を結ぶためには、知能指数(IQ)より感情指数(EQ)の方が重要となってきます。EQは、「情熱をもって困難な目標に挑む力、相手の状況を読み取り、人心を束ねる力……知性や感性を総合した、いわゆる『人間力』」を意味します。IQは良くても普通の人のせいぜい5倍ほどの差にしかならないけども、EQは仕事で100倍以上の差を生み出すとのこと。

苦難に直面すれば、EQのもととなる感性が磨かれます。悩んだり苦労したりといった経験は、他人の気持ちへの深い理解や共感を生み出します。それは、やがて人との縁につながっていきます。ただ頭が良いというだけでは縁は生まれません。他人から、信頼されたり、何とかしてあげたいと思わせるものがないと良縁は結ばれません。良縁を呼び寄せるのは、EQなのです。IQはAIに取って代われることはあっても、EQはAIで代替できないでしょう。良い縁は、良い運を運んできてくれるのです。

プライドが運を悪くする

何かを成し遂げるためには、何度も失敗を経験しなければなりません。

永守さんは、プライドが高い人は、失敗を恐れるため自分で仕事の範囲を狭めたり、自分の至らなかったところを素直に反省できなかったりすると指摘しています。運は行動しないことにはやって来てくれません。プライドが高いと失敗を恐れて行動を制限してしまい、そのせいで運を逃がしてしまいます。成功するためには失敗が必要だと言われますが、それは、何度も行動することで運をつかむ確率が高まるということなのです。

ただし、失敗は繰り返せば良いというものではなく、真摯に反省することが大切です。そして、やり方を変えて再チャレンジするから成功への可能性が高まり、仕事に対する感性もまた磨かれるのだそうです。


運は人生を左右します。

良い運を多く手にするためには、行動することと人の縁を大切にすることです。しかし、プライドが高いと、どちらも敬遠しがちになり運を逃してしまいます。

運が悪いと感じている人は、自分のプライドが高すぎるのかもしれません。