ウェブ1丁目図書館

ここはウェブ1丁目にある小さな図書館です。本の魅力をブログ形式でお伝えしています。なお、当ブログはアフィリエイト広告を利用しています。

多くの富を得た者ほど社会から多くの助けを受けている

2024年に日本銀行券のデザインが一新されました。その1万円札に描かれているのは、日本資本主義の父と称される渋沢栄一です。

渋沢栄一は、明治以降に数々の会社を設立し、今もなおその多くが存続し、誰もが知っている大企業となっています。まさに1万円札に描かれるにふさわしい人物と言えます。

渋沢栄一が講演で語った内容は、『論語と算盤』という書籍になっており、現代のビジネスパーソンが読んでも古臭さを感じない内容になっています。むしろ、経済が国際化した現代にこそ、読んでおきたいですね。

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邪悪な動機から不正が起こると考えているうちは組織不正はなくならない

テレビをつけると、神妙な面持ちで頭を下げている人の姿を見ることがあります。身なりから、それなりに社会的地位が高そうな人であることが容易に想像できます。

また、やらかしたか。

そう思いながらテレビを見続けていると、案の定、企業が不祥事を起こしたことを謝罪する会見です。「何をやってるんだ、この会社の社長は。どうせ、利益ばかり追求して粗悪品を作り続けていたんだろう」なんてことを考えてしまいますが、果たして、それが理由で組織不正は起こるものなのでしょうか。

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証券化と詐欺的手法が組み合わさって起こったのがリーマンショック

2008年に起こったリーマンショックは、世界経済に大きな打撃を与えました。

大手投資銀行のリーマン・ブラザーズがいきなり倒産し、金融市場は大混乱に陥ります。リーマンショックの原因となったのは、低所得者が住宅を購入するための借入であるサブプライム・ローンの焦げ付きにあります。本来、収入が少なく住宅ローンを組むことができない層にまで貸し出していたものですから、彼らが返済不能となった時、債権回収が不可能となり大損害を被ったのです。

日本人の感覚だと、サブプライム・ローンで損害を被るのは、低所得者にお金を貸し出していた一部の銀行だけのはずだと考えるでしょう。それが、どうして世界中を大パニックに陥らせたのか。

その背景には、証券化がありました。

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人間社会を発展させたのは信仰心

人間が他の動物と異なる点は何だろうかと考えた時、脳の発達、すなわち、思考力の高さだと多くの人は答えそうです。しかし、思考は、おそらく他の動物もしているので、それを人間の特徴と言うのはちょっと違うような気がします。そして、脳を持つ動物もたくさんいますから、脳が発達したことも人間の特徴と言うには物足りないように感じます。

人間と他の動物を区別するのにしっくりくるのは、「信仰」でしょう。神の存在を信じている動物は、たぶん人間くらいのものでしょう。だから、人間の世界には宗教や神話が存在するのだと思うわけです。

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社会が抱える問題は「あたりまえ」の中にある

自分が生きている社会には、深く意識しない事柄もあれば、違和感を感じる事柄もあります。

違和感は、社会や自分の価値観に収まらない事象が発生した時に感じますが、違和感を感じる事柄はそうそう起こりません。起こっていないというよりも、経験を重ねるごとに違和感を感じなくなっていると言った方が適切かもしれません。

また、社会の統計情報を目にすることで、自分が経験していなくても、それがあたりまえなのだという知識が身についてきます。特に現代のような情報化社会では、自分の経験から得た情報以上に伝聞による情報の方が多くなり、初見の事柄であっても違和感を感じなくなっているように思います。

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