仕事だけでなく音楽制作にもiPadPro( M2)を使っているので日常的にiPadProに向かっている時間は結構長い。MacbookPro 16inch( M3)も持っているが、仕事上の納品物の制作プロセスで使うのがメインなので、ビジネスネゴシエーションやアイデア、プロトタイプの段階はずっとiPadProになる。
これまでは、YOHANNの木製スタンドや斜め置きができるParcSlopeのスタンドを用途に応じて使い分けていた。外部ディスプレイに接続しての手元でタッチ操作、Apple Pencilでのドローイング作業には問題ないのだが、単体で別のテーブルで作業するときやオンライン会議で使用するときに設置位置の高さが足りない問題があった。
それに加齢も関係しているのか、長時間、前傾姿勢で視線を落として画面を見てしていると肩や腰に痛みを感じるようなる。 なのでiPadProを高い位置に置いて、背筋が伸びた状態で使用できるスタンドを探すことに。
以下が要件
・高さが固定でなく調整ができること
・画面を縦位置でも横位置でも回転して使えること
・iPadProを長時間、確実にホールドできること
・10inchのiPadやiPhoneでも使えること
これを満たすいくつかの候補から決めたのが、このHoverBar Duoスタンド。
プロモーションビデオと現実はちょっと違っていたけど
実際に購入して1日使ってみると、このプロモーションビデオと違ってちょっと気になる点もあった。
まず、全体の作りはしっかりしていて、単体のベースも重量がありバランスが良さそう。デスクの端に固定するときのクランプの作りもいい。フレーム稼働部は付属のレンチで締めるようになっているが、緩いと簡単に下がってしまうし、完全に締めるとフレームを動かすの に力がいる。ビデオのようなスムーズな動きではない。力がある男性ならともかく、女性が片手で簡単にポジションを変えられるようなものではない。慣れると動くようになるんだろうか。ただ、一度高さを決めたら、作業中に頻繁に変えることはないだろうから、大きな弱点ではないだろう。
デバイスをホールドするクリップ部分のバネは丁度良い強度なので、片手でクリップを広げながらデバイスを一方にはめ込んで固定する。回転部は手でねじ止め。角度は自由に決められる。
iPadPro、iPad、iPad miniだけでなく、iPhonも横向きで固定することはできるのでiPhoneでのFace Timeなどのビデオ会議にも便利に使えそう。
外付けキーボードとマウスやトラックパッドがあることが前提
高さは充分に確保できるので当初の目的は達成。MacbookPro 16inchのサブディスプレイとしても良いし、iPadProを外部ディスプレイに接続しているときに、もう一台のiPadに資料を表示したり、ビデオ会議用としても使えそうだ。
ただ、このスタンドをiPadPro単体で使うには、外付けキーボードとマウスやトラックパッドがあることが必須。スタンド自身は安定した作りだが、フレーム部分が長いのでどうしてもデスクの振動の影響を受けやすく画面が微秒に動いてしまう。簡単なタッチ操作やApple Pencilでの描画はできるがタッチ操作やペンシルでの細かい作業には向かない。
盲点だったのは、iPadProをクリップするとApplePencilの充電ができなくなること。ベーススタンドには凹みがあってそこがApplePencilの一時置き場になるけど充電ができるわけではない。結局、使わないときはスタンドから外してApplePencilをくっ付けて充電することになる。もっとも、27inchの外部ディスプレイに接続するときは、YOHANNのスタンドに置いているので、致命的な問題でもないけれど。
視線を水平にして姿勢良く作業ができる効果は思ったよりも大きい
デザインも良く、構造もしっかりしているので全体としての満足度は高い。実際にこのスタンドにiPadProを取り付けて、1日中、テキスト入力やスプレッドシートでの作業をしてみたが、疲労度はまったく違う。首や肩が痛くなることもなかった。視線を水平にして姿勢良く作業ができる効果は思ったよりも大きいらしい。
こういうスタンドには、それぞれ固有のクセのようなものがあるので、慣れればプロモーションビデオのようにスムーズに位置を変えて使えるようになるかもしれない。