とりあえず扶桑社の書籍編集部と石黒謙吾氏は事前に本件を把握できなかったのだろうか。なにぶん不勉強なもので、本件のからみで調べるまで石黒謙吾という人物については知らなかったというのが正直なところ。今は後悔している(悔いーる)。で、先のエントリーを書いた後、石黒氏のTwitter アカウント(@ishiguro_kengo)に反応を見に行ったところ、12月10日時点で以下のツイートがRT されていた。
これ、ムーミンのミイのセリフってテイで広まりまくってるけど、ムーミンとはまったく関係のないアカウントの創作だよ。今は赤猫リブ・リビィって名前でやってるはず。
【リトルミイ】胸にグサッと、突き刺さる【名言集】 - NAVER まとめ http://t.co/gq8uoJcHNv
— 瀧波ユカリ (@takinamiyukari) December 10, 2013
おや? その関係性は編集者の立場として世に広めてかまわないものと考えているのだろうか、という疑問が浮かぶ。で、Twilog で過去のやり取りが見つからないかと探してみて、掘り当てたのが以下の3ツイート。
石黒氏から@little_my へのツイート |
このうち1番目と3番目については削除されたのか、ツイートの埋め込みができないため、以下に3つともテキストで張り付けておく。日付は2013年3月23日。メールアドレスのみ一部文字列を削除。
@little_my はじめまして。書籍をプロデュース&編集している、石黒謙吾と申します。あまりに素晴らしいツイート見ていまして、非公式botと知りつつ、書籍化へのご相談をさせていたけないかと思いまして。リトルミィの版権できついのはよくわかってはいますが、策はありまして(続)「リトルミィの版権できついのはよくわかってはいますが、策はありまして」……なーるーほーどー(棒 どうやら石黒謙吾氏からのアプローチがあって、偽リトルミイが赤猫リブ・リビィに化けたということらしい。
posted at 02:49:38
@little_my ぜひ一度ご相談できないかと思いまして。よろしければ、以下アドレスまでひとことで結構ですのでご連絡頂ければ幸いです。何卒よろしくお願いいたします。
posted at 02:51:27
@little_my アドレスです。(略)@blueorange.co.jp 今までやった仕事はこんな感じです。http://www.blueorange.co.jp/blog/books
posted at 02:56:47
書籍の紹介記事からあらためて引用するが、
この本をプロデュースした著述家で編集者の石黒謙吾氏は、やはりTwitterを通して「赤猫リブ・リビィ」の存在を知り、これは事実に即しているだろうか。また、同じ記事に、
この本は、ツイッターで10万人以上のフォロワーを集める「赤猫リブ・リビィ」のつぶやきを書籍化したものとあるとおり、Twitter でのフォロワー数がこの書籍におけるひとつの売りになっている。しかしそのフォロワーは、トーベ・ヤンソンの原作に存在しない言葉をリトルミイの名言と偽り、アイコンや背景画像までリトルミイの姿形を無断借用することで信じ込ませて獲得したものであることを考えると、相当にあざとい印象を受ける。違法行為があったかというとそこまでではないので、あくまでモラルの問題だろうけれど。
せっかくなので最後に、ひとつ「名言」を引用させてもらおう。
あのね。成功か失敗かは、上手くいったかいかなかったかじゃないのよ。自分の道を行けたか行けなかったなのよ。
— 赤猫 リブ❁リビィ (@with_live_libby) November 11, 2013
それがあなた達の道であるならば、こちらからこれ以上いうことはない。さようなら。
*12月13日0時26分追記:
「さようなら」とまで書いて追記するのはいかがなものかと思うがご寛恕を。書籍の版元である扶桑社の書籍紹介ページ(魚拓)に「ツイッターで大反響を呼び、3か月でフォロワー10万人超!」とあった。これは明白な虚偽であり、優良誤認表示に相当するのではないだろうか。