ミニ特集:出版と本、図書館
『図書館のアクセシビリティ 「合理的配慮」の提供へ向けて』
『公立図書館における電子図書館サービスの現状』
『出版の崩壊とアマゾン 出版再販制度〈四〇年〉の攻防』
『不可能を可能に 点字の世界を駆けぬける』
『世界の図書館 美しい知の遺産』
『図書館を使い倒す!』
『図書館のアクセシビリティ 「合理的配慮」の提供へ向けて』
野口武悟, 植村八潮 編 樹村房
●誰にでも図書館を利用しやすくする、それも(諸般事情が許す範囲内での)最善な合理的配慮で。
この世の人々誰もが自分を高める権利を持つ、人権の考え方は、図書館のあり方の根っこを支えている。
こちらで紹介
『図書館のアクセシビリティ 「合理的配慮」の提供へ向けて』
『公立図書館における電子図書館サービスの現状』
吉井潤 樹村房
●「樹村房」という、図書館関係に特化した出版社さんから出されたレポート。
2022年頃までの日本全国各地の自治体が開設している「電子図書館」について、得られたアンケート結果を元に、集計データや現状把握、今後に向けた提言などをまとめてある。
コロナ禍で電子図書館の利用者数が大幅に増加したとのこと。それでも、各地の図書館で電子図書館を併設してくれているところは、2022年初頭の時点でまだ1割にも満たないとのこと。
集計データ上、各図書館名はだいぶ伏せられてはいるけれど、地域住民の人口規模とか地方とかでだいたい見当がついたりします。
道立図書館はまだ電子図書館開館前の時点の集計なので考察には入ってません。
目次抜粋:
公共貸与権と公衆送信
紙の本と電子書籍の違い
電子図書館サービス導入効果
貸出回数が多いコンテンツ
選書できる商用コンテンツ数と価格
電子図書館サービス提供による利用者の反応
今後の電子図書館サービスの普及に向けて
著者と版元が検討すること
各地の図書館担当者さん、アンケートで、商用コンテンツの価格を7割以上が「高い」と回答しているのが涙をさそいます。
電子ブックは紙の本と違ってデータ登録なわけで、出版社との契約が有期である場合、例えば貸出開始から2年を過ぎるとあらためて契約料を支払って契約延長しない限り、利用実態関係なく図書館登録が抹消されて読めなくなってしまう問題があったりします。(読もうと思っていた電子図書が突然登録から消えてびっくりした覚えが)
人気コンテンツ抜粋:
絵本 どうぞのいす
札幌から行く日帰り温泉
マンガでわかるアスペルガー症候群の人とのコミュニケーションガイド
小説秒速5センチメートル
本好きの下剋上
そんな深い内容ではなく、事務的なレポートみたいな冊子です。
たぶん、お近くの図書館にもこの『公立図書館における電子図書館サービスの現状』は紙の本として収蔵されていると思いますので、「うちの自治体の図書館はどうなんだろう」と考えながらチラ見してみるといいかも。
『出版の崩壊とアマゾン 出版再販制度〈四〇年〉の攻防』
高須次郎 論創社
●傍から見てても太刀打ちどころではない愚策にしかならなかったのは必然か否なのか。
内情を時系列で描く類書がないことも相まってやたらビビッドな直近の近代史。
こちらで紹介
『出版の崩壊とアマゾン 出版再販制度〈四〇年〉の攻防』
『不可能を可能に 点字の世界を駆けぬける』
田中徹二 岩波新書
●デジタル技術の導入で、激動と大変革をくぐりぬけ、めざましく利便性が向上した日本点字図書館。
その館長さんが語る、時代の変化の体験記は、まさに圧縮された走馬灯、歴史ジェットコースターのように冒険的にダイナミック。
こちらで紹介
『不可能を可能に 点字の世界を駆けぬける』
『世界の図書館 美しい知の遺産』
ジェームズ・W.P.キャンベル ウィル・プライス
河出書房新社
●絢爛豪華な知の御殿!!
その方面の人々をどよめかせたスゴ本がこちら。
こちらで紹介
『世界の図書館 美しい知の遺産』
『ミニ特集:本読みの世界 その4』
『ミニ特集:本読みの世界 その3』
『ミニ特集:本読みの世界 その2』
『ミニ特集:本読みの世界 その1』
『ミニ特集:読書の効果:脳の中に「読み」の回路を作ろう』
『ミニ特集:価格がスゴかった本』
『ミニ特集:社会を調べる本』
『ミニ特集:ものごとの調べ方、取材の本』
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