「エブエブ」「フェイブルマンズ」
「エブエブ」日を追う毎に自分のなかでいい映画だったという感動がじわじわと高まっている。あんな人生もあったはず、あそこであの選択をしていたら、というオルタナティブリアリティをいくつも体験した後で、それでも今を生きるしかないんだって腹をくくると、目の前にちょっとだけ光が差してくるのがとてもよかった。
「フェイブルマンズ」。「ワンハリ」のジュリア・バターズがすっかり大きくなってー。
作業ログ:3月4日(金)〜3月17日(金)BO訳出 終了 BO2周目 P73
「ユー・ピープル 僕らはこんなに違うけど」
監督ケニヤ・バリスだからと期待していたけど、そんなに面白くなかった。主人公の白人男子と黒人女子のあいだにそもそもケミストリーが全然感じられないから、いろんな壁を乗り越えてでも一緒になりたい感が出なかったんだと思う。ジュリア・ルイス=ドレイファスの演技のうまさに救われた作品なのでは。あと、このあいだジョナ・ヒルのメンタルヘルスのドキュメンタリー「スタッツ:人生を好転させるツール」を見たばかりだから、彼本人の苦しみに思いがいっちゃって笑えなかった。ジョナ・ヒル好きだからほんと病んでるの見てるのつらかったんだよな。役者が生身の自分を見せるとこういう弊害もあるよね。そういえば、「ユー・ピープル」でジョナが一緒にポッドキャストやってた人、サム・ジェイっていう「サタデー・ナイト・ライブ」の脚本家らしい。彼女、「マスター・オブ・ゼロ」のリナ・ウェイス的な感じで今後ちょっと注目したい。
作業ログ:2月6日(月)〜2月11日(土)BO訳出 p.161
「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」
みんなが言っているように、「その名を暴け」という副題に違和感があったけど、映画はとても見応えあった。ワインスタインの名を暴けってことなのは明白だけど、そして原作の邦訳版にもそう副題がついてるんだけど、話は被害者の女性たちがオンレコで告発するかどうかの葛藤とか、記者たちが信憑性を高めるため彼女たちと粘り強く交渉するところが中心で、この副題だとちょっとピントがずれてる気がするんだよな。
「大統領の陰謀」とは違い、記者の女性二人が仕事だけでなく育児や家事にも追われる姿を描いているところは誠実だと思った。男の記者が主人公なら、こんな描写はないもんね。
あとパトリシア・クラークソンが毎度着けてるボリュームあるネックレスがすてきだった。デキる上司。「プラダを着た悪魔」のメリルと双璧では。
作業ログ:1月22日(日)〜28日(土)BO訳出 p.112