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12/18 月
寒くてやる気が出ない。風呂上がりにスキンケアをしているときにここ数ヶ月ずっと悩まされていた肌荒れが治っていることに気づいてびっくりしつつも、うれしい。皮膚科の薬がようやく効いたんだろうか。

12/19 火
昼休みに本屋とドラッグストアに行った。リモートワークでずっと家にこもりすぎていると、こんな些細なことまでちいさな冒険になってしまう。夜は『ユーフォリア』の続きを見る。4年くらい前に買っていまだに使いきれていないけれどずっとお気に入りの香水、ラボラトリオ・オルファティーボのヴァネラを久しぶりに肌にのせてみると少し頭が痛くなった。単純に劣化によって香りが変わったのか、自分の好みが変わったのか気になる。


12/20 æ°´
昼休みに散歩をする。よく晴れている日は家にいるよりもやっぱり外を歩いたほうがいい。明日も明後日もその先も、天気のいい日は昼休みに歩くことにしたい。近所の周りをうろうろしていたら、ずっと住んでいる場所なのに池があることを初めて知る。
夕方、韓国旅行のブログを書いて投稿した。振り返っていたらもう行きたくなってたまらなくなっている。3月の頭にも友達と行くことが決定していて、ゴールデンウィーク前後に母親とも行くかもしれない。K-POPのファンで何度も韓国に行っていると言うと「韓国好きの人」とカテゴライズされるが、わたしは韓国の音楽やファッションなんかのカルチャーが好きなのであって、国家そのものはべつに好きでも嫌いでもないと思っている。というか韓国に限らず、そういうふうにひとつの国家のことを好きとか嫌いとか、簡単にそういう判断を下していいのかよくわからない。だから「韓国好き」とか「フランス好き」とか、あくまで国や都市のカルチャーが好きなのにあたかも国家そのものが好きなような言い方を安易にしている人やメディアにたいしてけっこうな不信感がある。


12/21 木
はじめて見た時はぜんぜんだったのに見返してよかった映画のひとつにロメールの『冬物語』がある。去年なんとなく見返してみたら自分の好きな映画ベスト10に入るくらいに好きな作品になった。クリスマスに恋人と家で冬にまつわる映画を見ることになったので絶対に一緒に見たかったけれど、ザ・シネマのサブスクからなくなっていた。もう渋谷ツタヤのレンタルもないし、好きな映画は手元に残しておかないといけないのかもしれないとAmazonでDVDを注文した。ついでにトリデンのセラムも（ソウルに行ったときに買えばよかったと後悔している）。夜にケリー・ライカート『オールド・ジョイ』を見る。


12/22 金
Sofia KourtesisがキュレーションしたプレイリストをBGMにして、半分踊りながら仕事をする。これはBGMではなく自分のせいではあるがなんだかずっと集中できないまま、髪型変えたいな、新しい財布が欲しいな、卓上用のカレンダーを買わなきゃな、とかそんなことばかりが浮かんでは消えていった。夜はDJ BORINGを聴きながらひたすら作業。今日は冬至らしい。これから日が長くなるのはうれしい気持ちもありつつ、秋と冬が好きだからさみしい。


12/23 土
買い物とカウリスマキ『枯れ葉』を見るために渋谷へ行くも、人の多さにすぐに疲弊する。街が混雑しているとどうしてもいらいらしてしまうので、Sonic Youthを聴き続ける。いつもは"Goo"ばかり再生しがちだが久しぶりに"Rather Ripped"を聴いたら、このころの方が好きかもと思った。IKEAとSPBSに行くも何が欲しいのかわからなくなって何も買えなかった。何か欲しいけど何が欲しいのかわからずタイミングや機会を逃すの、わたしの人生そのものみたいだなとすこし悲しくなった。しかしSPBSからユーロスペースに奥渋谷エリアを通って向かう途中、ふと空を見上げたら青紫色の上にある月が雪原のように白く輝いていて、それにびっくりしてどうでもよくなった。月ってあんなに白くぎらぎら光るんだ。

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『枯れ葉』とてもよかった。ありきたりなストーリーといえばそうなのだけど、常に他者と繋がっている現代からするとふたりの古典的なすれ違いが胸焼けするくらいにロマンチックなものに思える（そしてスマホとSNSがある今ああいったすれ違いはもう存在しないのでは）。微笑ましくラブリーな中年の恋愛をベースに労働者の生活が克明に描かれ、ラジオからウクライナ侵攻のニュースが聞こえるたびに、これはただの浮ついた恋愛物語だけではいことにハッとさせられる。そしてカウリスマキのもはや反骨精神すら感じるスローで寡黙な作風に触れていると、自分が新しくインスタントなものをひたすら追い続け、情報の波に飲まれ、資本主義に絡めとられて疲弊していることに無自覚でいられなくなる。


12/24 æ—¥
恋人とクリスマスパーティーをする。待ち合わせてから成城石井に寄ったが、そういえば成城石井で買い物をするのは初めてだった。知らない高いものばかりでなんというか階級の差をうっすらと知ったような気分になる。家でふたりでロメールの『冬物語』を見て、わたしが作ったクリスマスのプレイリストを流しながら、恋人が料理をふるまってくれた。とても美味しかったし、自分のために何かを作ってくれる行為そのことが心からうれしかった。プレゼントには大きく"jazz"とプリントされてある、現代ソウルで買ったSOUNDS GOODのスウェットを渡したら、恋人からはVIVA Strange Boutiqueのスウェットをもらった。大きくVIVAとプリントされている。jazzとVIVA。来年もこうして過ごしたいなと強く思う。


今週の一曲／P1Harmony "Fall In Love Again"