戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見
先週末5/23は会期末だったこの展示へ庭園美術館へ
1年ぶり3回目くらいの印象
天気はここのところ毎週末だがあいにくの雨
ぐるっとパスを利用して企画展を観覧できるとのこと
pytho.hatenablog.com
先日のリビングモダニティとも類似しているような印象の部分も
ドイツとしてバウハウスはさすがに筋違いなもののドクメンタ的な息遣いも感じる

ここは香水室の隣で扉の柄と展示のポスターとの対照も面白い
ピクトグラムは最近では東京五輪2020が思い出されるが、原点といえば1964の方である
その後のベルリン五輪の折に再利用され、欧州の高いデザインセンスで洗練されて磨かれている
1964は専ら伝達手段としての実用性が重視されいたものと思われるが、こちらは芸術としての意識付けが重い
単純な色彩は哲学を踏襲した部分とも言えるか

代わって反対側の壁にはベルリン五輪のデザイン
ピクトグラムのほか、こちらは色彩豊かである
曰くナチス配下で厳粛な色使いが多様されたため、一転してパステルカラーを用いることで変化をアピールしたそうな
今日で見てもセンスを感じさせる色使いであり、またドイツらしく感じられないところが裏切られる
一方で構図やバランス感の観点ではドイツ的な実直さがあるような印象も受ける
このほか、入口にはルフトハンザ航空のロゴやポスター

食堂にはキールウィークのポスターなど
こちらは全般的に抽象的だが色味から海を形からヨットを感じさせる要素から程よくぼやかされた具体が表現されている印象
歴史も面白く、当初は学生コンペだったものの、次第にデザインコンペとしての格式が高まり、プロ向けとなっていたらしい
喫煙室にはそれこそドクメンタのポスター
Dと数字を合わせた機能性の高いドイツらしい実直さのあるデザイン
タイポグラフィ的
2階にはBlue NoteやJazzイベントのポスターも多数
全体的に抽象的なデザイン多数
個人的にはベルリン自由芸術劇場がよかった
一見、絵のように見えるが、よく見ると直線の具合が微妙に歪んでいる
なるほど、一度紙に塗った柄を立体的に展開した上で写真撮影しているのだと
よく見ると手が込んでいて非常に味わい深い

本館が上記で周り終わって11時半くらいで、朝食も特段とっていなかったので、昼食を館内でとることにした
個人的にこの美術館のカフェはTierが高い
なにより景色がいいし、それでありながら立地が都心
ただサンドイッチセットで1700円くらいした記憶、ちょい高い
新館はより近代で商業に近いものの割合が高い
全体的な印象として、既存の形というフレームの中に新たな要素を融合させながら埋め込む手法が巧い
それでいて具体的すぎず抽象的なので、クドさがない
現代の日本のWeb広告や該当ポスターにこうしたデザイン性の高いものを見る機会はないのが残念だ
もちろん商業広告なのでわかりやすさは重視されるべきであるが、デザイナーというプロの想像力や受け手へ訴えかける広告主の感情のようなものがどんどんと希薄化しているように思えてならない


