Sou × 雫(ポルカドットスティングレイ)スペシャル対談──互いに語り合う、ヴォーカリストとしての強さ
2013年から動画投稿を開始し、2015年にメジャー・デヴュー、昨年に活動10周年を迎えてもなお、その才能を遺憾なく発揮しているヴォーカリスト・Sou。そして本日、前作『Solution』より約2年ぶりの最新アルバム『センス・オブ・ワンダー』がリリースされた。今回は、収録楽曲“WHAT”の制作を担当したポルカドットスティングレイから、ヴォーカル&ギターの雫との対談を実施。互いに昔から存在を認識していたという両者に、“WHAT”制作中の思いや、双方の歌唱に対する印象、そして猫との関わり方など、自由に語ってもらった。
豪華なクリエイターを迎えた、Souの最新アルバム
INTERVIEW :Sou, 雫(ポルカドットスティングレイ)
Souのニュー・アルバム『センス・オブ・ワンダー』に収録されている楽曲“WHAT”を聴いたとき、かなり尖った楽曲だなと思った。とにかく展開が激しく、さらにこれ歌っているSouのヴォーカリストとしてのテクニックはとんでもないレベルに達していると感じた。今回の対談では、楽曲“WHAT”にフォーカスを当てつつも、互いのヴォーカルのことについてじっくりと訊いた。最後の猫談義まで楽しんでくれたら幸いだ。
インタビュー&文 : 西田健
Sou君自身を主人公にするつもりで
──Souさんのニュー・アルバム『センス・オブ・ワンダー』には、雫さんが作詞・作曲、ポルカドットスティングレイが編曲を担当した“WHAT”が収録されています。今回どういう流れで、楽曲提供をすることになったんでしょうか?
Sou：もともと自分がポルカドットスティングレイがすごく好きで、学生の頃から聴いていたんです。それで今回オファーしてみたら、すぐにOKをもらいました。本当に嬉しかったですね。
雫：2秒でOKしました。メンバーと「SouってあのSou君!? 」ってなって、嬉しくて即答しちゃいましたね。
Sou：え!? 知ってくれていたんですか?
雫：もちろん! みんなノリノリで「やるやるー!どんな曲にするー?」みたいな感じで喜んでました。
──会った時の印象はいかがでしたか?
Sou：高校生くらいの頃、ポルカドットスティングレイを聴いていたので、打ち合わせの時とか「うわ!本物だ! 」って言っちゃって。
雫：偽物が出てきたら、それはそれで困るやろ(笑)。私のSou君の第一印象は、雰囲気が柔らかくてすごく良い子でしたね。でもそれでいて芯がありそうな感じ。だからそういう曲を作りたいなって思いました。
Sou：嬉しいです!
──お互いの楽曲で好きな曲はありますか?
Sou：色々好きなので迷うんですけど、“シンクロニシカ”が好きですね。
雫：初期から聴いてくれてたんだね。
Sou：そうですね。あとは、“パンドラボックス”も好きです。
雫：打ち合わせのときに、“パンドラボックス”と“シンクロニシカ”が好きって言ってくれて、うちらの曲のなかでも尖った曲が好きなんやなって思いました。今回楽曲提供することが決まって、やるからにはSou君の過去の曲もじっくり全部聴いたんですよ。その中で好きだったのは、和ぬかさんが作ってた“トマドイリズム”ですね。ちょっと語りかける感じも良いなって。あとは“スパークバグ”はすごかった。この高いキーを「本当にこれ地声で歌っている!?」ってびっくりしました。さすがに高すぎてかなり修正してるのかなって思ったんですけど、何度聴いても「これちゃんと歌ってるわ…」ってビビりました。
Sou：実際あれ歌ってるとき「本当に?」と思いながら歌ってましたよ。
雫：自分でも思うんだ(笑)。でもこのキーが出るなら、じゃあなんでも歌えるかもと思って、今回の“WHAT”は私のキーにさせてもらいました。
Sou：そうなんですね。デモの時点で高くてかなり驚きました。
雫：“スパークバグ”を聴かされたからね。あれは本当にすごいよ。
──“WHAT”はどういうイメージで作ったんですか?
雫：私はもともとSou君に対して、綺麗なハイトーンとか透明感のある歌声とか、王子様みたいな感じのイメージを持っていたんですよ。でも打ち合わせしたりするなかで、Sou君の芯の強い部分や深淵にあるドスの効いた部分を曲のなかで見せたいなと思ったんです。もちろんハイトーンとかも見せたいけど、実はこういう表現もできるし、Sou君なら何でもできるやろうと思って。だからドスの効いたセクシーなパートも入れてみました。
──この曲、展開もすごいですよね。
雫：やりすぎたかもと思ったんですよ。デモを作った段階で、そこまで尖ってないパターンと、音源になっているパターンを試してみて、「やりすぎかもしれんけど、最終的にどっちがいい?」ってバンドメンバーと話したんです。でも結局「いやもう攻めるか」ということでまとまって、勢いで今の目まぐるしい感じの展開にしました。提供曲でやる尖りではないかもしれないですね(笑)。
Sou：最初聴いた時、攻めた曲だなと思ったんですけど、でもむしろやりすぎを求めたところもあったんですよ。さすがだなって思ってました。
雫：よかった! 解釈一致!
Sou：歌詞も自分の本心で語りかけるみたいな曲なんですよね。自分の奥にある言いたいことみたいな部分は、活動する上で無意識に隠したりする部分はやっぱりあると思うんです。それを歌でバーンと言えちゃうみたいな曲になっているのが、すごい良いなって思いました。最高ですね。
雫：歌詞はSou君自身を主人公にするつもりで書いたんです。でも私はSou君じゃないから、こういうこと考えてたら熱いなみたいな感じで、尖らせ気味にしました。これ大丈夫かなって思いながら書いたけど、でもワンコーラス書いた時点でSouくんのファンの方々から「ありがとうございます」ってお礼が聞こえた気がしたんで、そのままいきました。
