なぜその商品・店舗が選ばれるのか? EC事業改善に役立つ市場調査とユーザーレビューの確認ポイントとは
ECを成長させるためのテクノロジーとソリューションが大きな進化を遂げているのに対し、「EC事業を成長させるための知識」の不足が原因で、「自社独自のECマーケティングノウハウ」の確立に至るまで「運営サイクル」を回し続けられない事業者も少なくありません。前回コラムでは「EC人材力」の大項目である「データ分析」「データ活用」の残りの項目「市場調査」「その他の情報収集」を紹介します。
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- なぜその商品・店舗が選ばれるのか? EC事業改善に役立つ市場調査とユーザーレビューの確認ポイントとは
全5回の記事では、筆者のECマーケティング人財育成(ECMJ)が手がけるコンサルティング、相談、講演・セミナーでの質問などから、EC事業の「運営サイクル」を強化するために必要な項目を洗い出した「EC事業の運営サイクル強化のためのチェックシート」をベースに、EC事業を伸ばす「組織力」「人材力」「運用力」を解説していきます(チェックシートの詳細はこちら)。このチェックシートは、「EC組織力」「EC人材力」「EC運用力」の大項目、14の中項目、そして41の小項目から成ります(2023年2月時点)。
自社ECサイトの競合の認識、比較・検討ポイントの確認、ユーザーの声を生かす
EC人材力は「データ分析」「データ活用」「市場調査・競合調査」「その他の情報収集」の4つの中項目から成ります。
筆者たちECMJは、EC人材力を「EC事業を推進するためのデジタルを活用したマーケティング力」と定義しました。日々、EC運営業務を推進し、成長させるために土台として構築しておかなければならない力、いわゆる「リテラシー」です。
- 市場調査・競合調査
- 自社のECサイトにおける競合店舗を明確に言うことができるか
- 自社のECサイトにおける売れ筋商品と比較・検討されている商品を明確に言うことができるか
- 競合店舗と比較・検討されている商品ページを定期的に確認し、「選択動機」の対策を検討・実施しているか
- その他の情報収集
- メールや電話でお客さまの声を吸い上げ、EC事業の改善施策に生かすことができているか
- 自社のECサイトのレビューと競合店舗のレビューを確認し、その違いから顧客ニーズの探索ができているか
市場調査・競合調査 ①:自社のECサイトにおける競合店舗を明確に言うことができるか
ECは比較のビジネスです。ブランド名で「選ばれる」ショップではない限り、「私たちの商品は他とは違う品質の商品だ」と思っていたとしても、消費者は必ずどこかのショップと比較をしています。
大切なのは、自社のECサイトにおける競合店舗を明確に言えること、「なぜその店舗が競合なのか」その理由を言えること。ECチームとして明確化しておくのも良いでしょう。
市場調査・競合調査 ②:自社のECサイトにおける売れ筋商品と比較・検討されている商品を明確に言うことができるか
自社のECサイトにおける競合店舗とともに、自社の販売商品と競合している商品も明確にしておきましょう。
必ずしも競合店舗が競合商品を取り扱っているとは限りません。競合店舗よりもワンランク小さい規模の店舗が競合商品を販売している可能性もあります。
特に、EC事業において「売れ筋商品」の位置付けは重要です。ECにおいては「売れ筋商品」こそ「売り上げの中心」であり、「集客の中心」になりえます。比較検討されている商品を押さえておかないと、売り上げとともに集客導線も取られてしまう可能性があるのです。
市場調査・競合調査 ③:競合店舗と比較・検討されている商品ページを定期的に確認し、「選択動機」の対策を検討・実施しているか
自社のECサイトにおける競合店舗、そして比較・検討されている競合商品、まずはこれらを明確に設定しておくこと。次に大切なのは、それらのサイト・ページを定期的に確認して「選択動機」の対策を行うことです。
この「選択動機」という言葉は、お客さまが店舗や商品を見た時に「どのポイントを見て購入を決めているか」を意味します。価格なのか、機能なのか、デザインなのか、それともレビューなのか。自社のECサイトと比較して、「選択動機」になる部分を客観的に探していきましょう。
その他の情報収集 ①:メールや電話でお客さまの声を吸い上げ、EC事業の改善施策に生かすことができているか
日々のEC運営から生まれるデータはECサイトの状態や改善施策の成果を数値化したものです。EC事業において、いわゆる数値的なデータ活用は大きな肝ですが、もう1つのデータ活用が「数値化されない」定性データです。
メールや電話など、お客さまが直接ネットショップに問い合わせる内容がECサイトの改善につながるケースが多々あります。お客さまの声は「ニーズの原石」と考え、常に蓄積する仕組みを整えていきましょう。小さな情報から大きな可能性を探すこと。これもEC人材力の重要なリテラシーです。
その他の情報収集 ②:自社のECサイトのレビューと競合店舗のレビューを確認し、その違いから顧客ニーズの探索ができているか
活用できる定性データとしてもう1つ重要なのがレビューです。お客さまの声はあくまで「自社内」のものであるのに対して、レビューは競合他店のものも確認することができます。たとえ自社よりも人気のある商品だとしても、競合他店のレビューをみれば「お客さまがどこに満足していて、どこに満足していないか」がわかるはずです。
また、「お客さまがどこを選択動機として商品を購入したか」を予測することができます。仮にEC事業をスタートしたばかりでも、EC戦略の参考になるレビューはインターネット上に溢れているはずです。
今回は「EC事業の運営サイクル強化のためのチェックシート」における「EC人材力」について5つのチェックポイントをご紹介しました。次回は「EC運用力」の3つの中項目、「販売スケジュールづくり」「商品企画」「集客・認知拡大・広告活用」をご紹介します。
ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。
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