10代レズビアンは同年代異性愛女性より妊娠のリスクが高いんだそうですよ


調査に関わったひとりブリティッシュコロンビア大学看護学部のエリザベス・セーウィック准教授は「以前に比べれば10代の妊娠は減少傾向にあるが、性的指向により大きな差があり、憂慮しなければならない」と警鐘を鳴らしている。2003年の調査では、10代のレズビアンは、同じ10代の異性愛女性に比べて2.5倍も「1回以上妊娠したことのある割合」が高かった。調査によると、ゲイ・バイセクシュアル男性は同年代の異性愛男性に比べて、妊娠をさせた割合が約4倍高い。

レズビアンであるあたしはこの調査結果を見てもさして驚きません(憂慮はするけど)が、「同性愛が蔓延すると少子化が進み、人類が滅びる!」みたいな妄想を抱えて必死にシャドウボクシングしている異性愛者の方々は、こういった報告をどう受け止めるんですかねえ。

「男とヤれるならレズじゃないじゃだろう」? それは間違い。同性愛者が異性とセックスしない/できないというわけではありません。それは、異性愛者が同性とセックスしない/できないわけでもないのと同じ。

「同性愛者は性的に奔放だから、安易に妊娠したりさせたりするのだ」? おいおい、「同性愛者が増えたら少子化が進む」説は都合よく却下ですかい。要するに叩けりゃなんでもいいんでしょ。

ちなみにゲイジャパンニュースの上記記事では、10代同性愛者の妊娠率の高さについて、次のような説が紹介されています。


10代の同性愛者では、自己の性的指向を否定したり病気だと思い込み、友だちの輪から外れ、嫌われることを避けて異性とのセックスに至る場合があり、リスクの高い性行動をしている可能性がある。

トロント社会復帰・精神保健センターの児童精神保健部長で臨床心理士のデビッド・ウォルフさんは、10代の同性・両性愛者の妊娠率の高さについて、周囲から烙印を押されたという感情と結び付いているのではと話し、その背景には学校での「異性愛中心主義」的考え方があるのではと加える。

要するに、自分の性的指向を否定するため、あるいは隠すために、過剰なまでに異性愛的な性行動をとってみせないとならない、ってことがあるんじゃないか、ってことでしょうか。これはかなりうなずけると思うんですよ。

この研究をしたブリティッシュコロンビア大学のサイトには、こんな記述もあります。


According to the results, lesbian and bisexual teens involved in pregnancy were twice as likely to have experienced discrimination because of their sexual orientation. They also reported more kinds of harassment at school than lesbian or bisexual teens who hadn’t been pregnant or caused a pregnancy.

(拙訳:調査結果によると、妊娠したりさせたりしたことのある10代のレズビアンやバイセクシュアルは、そうでない者に比べ、性的指向による差別に遭った経験が2倍であった。また、彼らは妊娠した・させた経験のないレズビアンまたはバイセクシュアルと比べると、より多くの種類のハラスメントを学校で受けたと報告している。)

結局、性的指向にもとづく差別やハラスメントが、彼ら彼女らをして異性愛者以上に高い妊娠率に追い込んでいるらしいってことですね。やれやれ、何が「同性愛者が増えると少子化が進む」だ。セクマイはもう十分妊娠に追い込まれてるよ、アンタたちの嫌がらせによってね! 
やっぱ本当に少子化云々を憂えるなら、妄想だけででっちあげた「一生子供を作れない性的少数者像」叩きに夢中になるよりも、LGBTが安心して(←ここ重要)子供を作ったり(何度も言うけど異性とセックスできる同性愛者は少なくないし、たとえセックスしなくても人工授精だってできます)育てたりできる社会的システムを作ることに力を注いだ方が建設的よねー。おっと、こんなこと言うとまた妄想だけで「そんな親に育てられたら子供に悪影響がー!」とシャドウボクシングをおっ始める偏見野郎が絶対出てくると思いますが、いつまでも妄想にしがみついてないで、ちょっとググればあっさり見つかるこういう論文ぐらい読めばいいんですよそういう人は。