豪鬼メモ

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各機種のダイナミックレンジ

「すきなカメラをいつでも買っていい券」をそろそろ行使しようと思って比較検討している。AFに関しては像面位相差対応の機種から選ぶという要求を既に固めてはいるが、ダイナミックレンジはどうやねんと。このサイトでいくつかの機種を比較してみた。
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今持っているE-M10マーク1を基準として考えてみる。、E-M10マーク1の線を見ると、このサイトの測定方法においては、基準感度であるISO200でおよそ9EVのダイナミックレンジがあることになる。iPhone7の最大値7EVよりも2EVほど広く、RX100マーク3の8EVよりも1EVほど広い。E-M10マーク1とE-M1マーク1のダイナミックレンジはほぼ同じくらいだ。

E-M10マーク1とE-M1マーク2を比較すると、後者の方が1EV弱ほどダイナミックレンジが広い。α7Rはさらに1EVほど広くて、さすがフルサイズといったところか。マイクロフォーサーズセンサーながら、E-M1マーク2のセンサーはかなりイケてる模様で、ISO200ではAPS-Cサイズのセンサーであるα6300と互角なのはすごい(ISO100では負けているけど)。


ところで、ダイナミックレンジは各画素の素子が蓄積できる電荷の容量で決まり、その容量は各画素の面積に制約されるそうな。その関係を把握するために、まずはセンサーサイズの種類を調べてみる。

縦横の長さ 面積
35mmフルサイズ 24.0mm * 36.0mm 864.00mm2
APS-C 15.8mm * 23.6mm 372.88mm2
micro 4/3 13.0mm * 17.3mm 224.90mm2
1インチ 13.2mm * 8.8mm 116.16mm2
1/1.7インチ 5.7mm * 7.6mm 43.32mm2
1/3インチ 3.6mm*4.8mm 17.28mm2

iPhone7は1/3インチセンサーで1200万画素だから、100万画素あたり1.44mm2。RX100マーク3は1インチセンサーで2000万画素だから、100万画素あたり5.80mm2。E-M10はマーク1はmicro 4/3センサーで1600万画素だから、100万画素あたり14.05mm2。てことは、iPhone7の画素面積はE-M10マーク1の0.1024倍で、2の対数に直すと-3.32。両者の2EVという差もうなずける範囲かな。RX100マーク3はE-M10マーク1の0.4128倍で、2の対数に直すと-1.27。ここでも両者の差は妥当なところだろう。

α6300はAPS-Cで2400万画素だから、100万画素あたりで13mm2。これはE-M10マーク1の0.9722倍で、2の対数に直すと-0.04。画素面積が不利にもかかわらず1EVの向上があるので、画素面積から考えるとα6300のセンサーの方がE-M10マーク1のそれよりかなり効率がいいと言えそうだ。α7Rはフルサイズで3600万画素だから、100万画素あたり24mm2。これはE-M10マーク1の1.7倍で、2の対数に直すと0.76。これで2EV以上の差があるので、α7RのセンサーもE-M10マーク1のそれよりかなり効率がいいと言えそうだ。

新世代のセンサーの方が性能が良いのだろう。そこで、E-M1マーク2に目を移してみる。E-M1マーク2はmicro 4/3センサーで2000万画素なので、100万画素あたり11.24mm2だ。てことはE-M10マーク2の0.80倍なので、2の対数にして-0.32EVだけ悪化しそうな予想がつく。しかし実際には1EV近くダイナミックレンジを広げているわけで、こちらもなかなかの進歩と言って良さそうだ。センサーと畳は新しい方がいい。


ただ、2015年9月4日発売のE-M10マーク1を使い続けていても、ダイナミックレンジが足りないって思うことがってそんなに頻繁にあるわけではない。白トビしそうな時は露出を抑えめにして撮っておけばいいのだ。現像時に露出補正を上げてからハイライトを整えてやれば、暗く撮ったデータからでもほとんどの場合で満足いく絵を取り出すことができる。Lightroomならその辺がかなりやりやすい。
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とはいえ、そもそも適正露出より暗く撮らなきゃならんのはミラーレス機のWISIWIG的な利点を台無しにしているし、現像時に一枚ずつ補正する作業も煩わしい。E-M10マーク1よりあと1EVでも粘ってくれるなら、暗く撮る技を発動しなければならない頻度は激減するだろうから、そういうカメラが欲しいのだ。つまり、上述のサイトの測定法で10EVくらい出してくるカメラが欲しい。

おそらく2017年以降に出てくるカメラで、100万画素あたり10mm2以上のサイズのセンサーを積んでいるものであれば、私のダイナミックレンジに関する要件は満たしてくると思う。その基準だと、フルサイズなら86万画素、APS-Cなら37万画素、micro 4/3なら22万画素、1インチなら11万画素が画素数の上限になる計算になるが、発表されている製品はそれよりも余裕のある設計のものが多い。つまり新しいカメラならだいたいOK。逆に言えば古いカメラは安くてもNG。

OLYMPUS ミラーレス一眼 OM-D E-M1 MarkII ボディー

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