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日本がアブナイ!

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小泉首相の年頭会見での靖国発言について(1)  ~何故、あえて物議をかもす発言をするのか?~

<タイトル変更しました。>

 小泉首相が4日に行なった年頭の記者会見で、靖国神社参拝の「理解できない」発言
が物議をかもした。あまりにも呆れてしまったので、この件はやり過ごそうかと思って
いたのだが(逆に書き始めると止まらなくなりそうだし~?!)、ストレスが貯まって
しまいそうなので、思いっ切り書くことにした。<長文覚悟?!(・・)>

 問題となった発言部分はこちらである。<官邸HPより>
「私はこの靖国の参拝の問題は外交問題にはしない方がいいと思っています。
 一国の首相が一政治家として一国民として戦没者に対して感謝と敬意を捧げる。哀悼の
念を持って靖国神社に参拝する。二度と戦争を起こしてはいけないということが、日本人
から、おかしいとか、いけないとかいう批判が、私はいまだに理解できません。
 まして外国の政府が一政治家の心の問題に対して、靖国参拝はけしからぬということも
理解できないんです。精神の自由、心の問題。この問題について、政治が関与することを
嫌う言論人、知識人が、私の靖国参拝を批判することも理解できません。まして外国政府が
そのような心の問題にまで介入して外交問題にしようとする、その姿勢も理解できません。
精神の自由、心の問題、これは誰も侵すことのできない憲法に保障されたものであります。」
<全文はhttp://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2006/01/04press.html>

 この会見を受けて朝日新聞が5日「首相年頭会見、わたしたちこそ理解できぬ」という
社説を載せた。<http://www.asahi.com/paper/editorial20060105.html>
 いわく「これほど理解力が足りない人が、内閣総理大臣を続けていたのだろうか。そう
思いたくもなるような光景だった。」・・・私に言わせれば、「今頃そんなこと、わかっ
たの?」という感じである。<前稿のMore以下参照>

 私は首相の靖国参拝に関しては、国内の問題(憲法&国民のあり方)としてとらえた
上で、反対の立場である。<詳細はコチラに> それゆえ基本的には他国が干渉すべき
問題ではないと考えているのだが、一国の首相として外交を考えた時に、相手の国民
感情や経済、社会面での影響には、当然にして配慮すべき部分があるとは思う。
<問題の根源は、日本が先の戦争に関して国内&近隣諸国との清算、総括をきちんと行な
わず、政府と靖国神社との関係も中途半端に残してしまったことだとは思うが。>

 以前にも書いたが、私はもう小泉首相の靖国参拝についてはあきらめてしまっている。
 彼は、おそらくよほどのことがない限り、今年も靖国に参拝するだろう。他人が何と
言おうと、彼には関係ない。ましてや中韓から批判されたので参拝を自粛するなどという
形は、絶対にとりたくないだろう。
 しかも、彼はできれば今年こそ8月15日に行くことを考えていると思う。それが彼の
公約であり、総裁選の際に支援してくれた団体への約束でもある。それなりの批判は出る
だろうがあと1ヶ月で退任にする身だ。近隣諸国にとっても日本国内でもおそらくは
想定の範囲内のことなのではないだろうか?<ただし、9月の総裁選には多少の影響が
生じるかも知れない。あまり騒ぎになると、首相として靖国参拝をすると公言した人は
敬遠される可能性もあるかも知れない。>
 こうなったら、私としては8月15日に内閣総理大臣として正装&神式で<この際、
公費も使って?>、正々堂々と行ってくれればいいとさえ思う面がある。何故なら、
その方が注目度も上がり国民に考える機会を与えられるし、訴訟もしやすいからだ。

 ただ、今回、一つ疑問を覚えたことがあった。
 靖国参拝について語ったのは、記者からの質問があったからのようだが、何故、正月
早々から、あえて上述のように物議をかもすような発言(表現)をしてしまったのかと
いうことである。大半は今までの一つ覚え的なフレーズの繰り返しではあるが、今回は
国内の識者、言論人の話や憲法論っぽい話まで付け加え、一歩進めた発言をしている。
何もここまで「理解できない」を連発する必要性もなかっただろう。<まあ、彼のこと
だから、単純に自分の思っていることを言っただけかも知れないが。^^;>
 
 私は、もしかしたら彼が少し四面楚歌のような心境になっているのではないか、と思う部分
がある。彼は昨秋、9月に総選挙に大勝し、早速10月に靖国参拝を行なったわけだが、
そのあと、国内外の批判や懸念が以前よりかなり高まっている状況があるからだ。

 <つづきは↓More クリック>





私は、小泉氏が首相になる以前に、どれだけ靖国参拝に行っていたのかは知らない。

 前稿でも取り上げた、栗本慎一郎氏の記事にはこんな記述もあった。
「靖国神社参拝問題で、小泉は中国、韓国の怒りを買っていますが、靖国神社に対して
彼は何も考えていないですよ。私はかつて国会議員として『靖国神社に参拝する会』に
入っていた。そこで、小泉に『一緒に行こうぜ』と誘ったのですが、彼は来ない。もち
ろん、靖国参拝に反対というわけでもない。ではなぜ行かないのかといえば『面倒くさ
いから』だったのです。」<つづきは*1>

 小泉氏が首相になってから、毎年、靖国参拝を行なっている理由として、1・特攻隊で
亡くなった者への特別な思いがあること、2・総裁選で8月15日に参拝することを公約
にしたこと<総裁選で日本遺族会等の関係者の支援を受けるために約束したとの話がある>
が挙げられることが多い。
 私はTVで、小泉氏が01年2月に鹿児島にある特攻隊の記念館を訪ねた際に、遺品や
遺書などの展示品を前にして涙する姿を見たことがある。彼は従兄を特攻隊で亡くし、
靖国に祀られているという。また、もともと父・純也氏が鹿児島出身で、特攻隊の基地と
なった飛行場建設と強い関わりがあったようだ。その意味では、個人的な思いもそれ相当
にあるのだろう。<http://www.1101.com/torigoe/archive/2001-08-10.html 参照>
そして、遺族会に関して言えば、遺族会&靖国側は、中曽根元・首相が85年に公式
参拝を行なったのを最後に(間で一度、96年に橋本元・首相が私的な形での参拝を行な
ったが)首相の公式参拝が行なわれていないことを望ましく思っておらず、小泉氏が8月
15日に首相として参拝することに期待をしたようである。<*2>
<*1 栗本氏は「個人的に・・・」と書いているが、「公式に参拝したらウケる」と
言われたのが正解なのかも知れないと思う。>
 
 小泉氏が、実際はどこまで靖国に対する関心や思いを抱いているかは知りようがないが、
ともかく彼は首相になったら、公約&約束の実現のためにも、8月15日に靖国参拝を
行なうことを決めていたのは事実だろう。だが、4月の総裁選で参拝を公約にしたことで
早くから中国、韓国側や日本の諸団体から反対や批判の声が相次いで届くことになった。
そしてギリギリのところで、YKKの盟友、山崎氏と加藤氏が直談判によって説得をし、
結局8月13日に参拝することになってしまう。彼は公的私的参拝を区別するのはおか
しい、自分はこだわらないと言っており、この時も「公式かどうか。私はこだわりません。
総理大臣である小泉純一郎が心をこめて参拝した」と説明した。
 それ以後も、彼は毎年4月、1月、1月、10月に参拝を続けているが、年々国内外
からの批判が強まり、昨年あたりからは多岐の方面から受けるようになって来た。

 中国、韓国はさらに非難を強め、首相はもちろん大臣や議員(盟友で親中派の山崎氏
も含む)などとの会談を行なおうとしなくなっている。中国大使館や領事館、日本企業
への有形無形の圧力も強まっているという。<今度、駐中国大使が交代するようだが、
現大使やスタッフは日中関係の悪化を憂い、何度か日本と往復して政府に首相や閣僚の
言動の問題に関して訴えたときく。>年末に表に出た、領事館外交官の自殺の件も、
若干の懸念材料である。
 しかも、昨秋頃よりアメリカの政府、議会関係者も日中関係の悪化に関して懸念の声
を出すようになり、11月に来日したブッシュ大統領の会談でも、靖国神社参拝や中国
との関係についての話が出たという。<この話をしたことは日本側の要請で、記者会見
などでは公表が控えられたそうだ。>小泉氏も、大好きなアメリカから直に懸念を示さ
れて、様々な意味であまりいい気持ちはしなかったであろう。
 自民党内でも山崎氏、加藤氏はじめ一部の議員が、直接またはマスコミを通じて、
どんどんと表に懸念や問題性を指摘するようになっている。野党はもちろんだが、連立
与党を組む公明党も然りである。
 外務省も対応に困っているのか、現・外務省顧問<元・駐米大使>の栗原氏が靖国
参拝反対を提言する論文を発表した。さらに小泉改革のサポーターであった経団連の
奥田会長も、昨秋にはかなり強い忠告をしたという。<昨年10月の参拝が以前よりも
軽い形になったのは、このためだという話もある。>そして、ついには今年の年頭の
記者会見でついに経済への影響への懸念を公に表明するに至った。
 また昨年10月に、傍論ながら違憲の司法判断が出されたことも、国内の反応に少な
からずの影響があるようにも思う。<本人は理解できないor気にしていないかも知れない
が、常識のある国民や議員、官僚等は司法判断には若干の配慮を示すものだ。>このあと
特に雑誌や新聞などでは、法律、政治、経済、歴史など様々な側面から靖国参拝の問題
性を指摘する記事が増えている。

 もちろん身近な大臣、側近等は自分を支持し、賛同や激励をしてくれているだろうが、
その少し外に目を向ければ、四面楚歌に近い状態になっているのである。そんな状況に
彼はある種のイラ立ちや焦りを覚えつつあるのかも知れない。

      <つづく> THANKS

*1
ところが、総理になったら突然参拝した。きっと誰かが、『靖国に行って、個人の
資格で行ったと言い張ればウケるぞ』と吹き込んだのでしょう。で、ウケた。少なく
とも彼はそう思った。
 それに対して、中国、韓国が激しく抗議するものだから、彼は単純に意地になった。
批判されるとますます意地になる人がいますが、彼はまさにそのタイプです。だから、
中国や韓国がこの問題を放っておけば、小泉も靖国参拝をやめますよ。もし私が中国、
韓国の首脳なら、靖国のことなんか忘れたふりをして、「いい背広ですね」とか、関係
ない話をする。そうしたら、次の年には行かなくなりますよ。小泉は、その程度の男
なのです。こうして彼は自意識の劇場を演じているのです。
 こんな男がこの国の総理です。注意すべきではないでしょうか。」

*2
この背景には、A級戦犯合祀の問題がある。靖国神社は78年にひそかにA級戦犯を
合祀しており、その発覚後、国内外から批判の声が相次いだのだ。特に85年に中国側
から強い抗議があり、自民党も分祀を求めたものの、神社側はこれに応じなかった。
そこで、後藤田官房長官のアドバイスもあり、中曽根首相は86年に中国に公式参拝を
行なわない旨の書簡を送り、それ以来、首相の参拝は橋本首相の1回を除き、見送られ
ていたのであった。
Commented by 華氏451度 at 2006-01-08 19:50 x
TBありがとうございました。まったく、彼の発言を聞いているとストレスがたまりますね。うんうん、こうなったら8月15日に、紋付き袴で公費使って参拝していただいた方がいいかも知れません。ついでにチルドレンも連れて行っていただくとありがたい……。
Commented by 春霞 at 2006-01-08 23:19 x
初めまして、TBありがとうございます。ご指摘の通り、「彼のことだから、単純に自分の思っていることを言っただけ」な気がします。それと、「8月15日に靖国参拝をする公約」は…、1度も実行していないですし、小泉首相のことだから忘れているのかもしれません(笑)。
Commented by WontBeLong at 2006-01-09 02:53 x
私は靖国参拝賛成派なのですが,それは別にして,首相がわざわざ物議をかもすような発言をするのは,どうもマンション設計偽装問題,特に17日の証人喚問から世間の目をできるだけ反らそうとしているような気がするのです。
政府が中国の領事館員自殺の件や,北朝鮮拉致実行犯の件など,前から分かっていたことをこのタイミングで出してくるのも,同じ理由のような気がします。
全然確信はなく,考え過ぎかも知れませんが。
Commented by mew-run7 at 2006-01-09 03:59
華氏451度さん、コメント有難うございます。

ついでにチルドレンを引き連れて、というのも面白いかも知れませんね。
<伊勢神宮に参拝した際には、何人か連れて行ったとか?>
ただ、やはりチルドレンに好ましからぬ慣習が身については困るような気もします。
Commented by mew-run7 at 2006-01-09 04:03
春霞 さん、コメント有難うございます。

彼が忘れても(もしくは、忘れたくても)、周りがうるさいので、忘れるのが難しいかも知れません。
一方では、今年こそ8月15日にと言われ、他方(三方ぐらいから?)それだけはやめてくれと言われ、ハムレットの心境になるかも知れません。
Commented by mew-run7 at 2006-01-09 04:08
wontBeLongさん、コメント有難うございます。

証人喚問から目を反らそうとしているかはわかりませんが、今頃になって領事館や拉致実行犯の話を出して来るのには、何かの意図があるのかな~という気もしています。

<領事館の件は、意に反してリークされてしまったという説もありますが。あの件は、外務省としては中身まで突っ込まれたくないらしいのです。>

いずれにせよ、対近隣諸国との外交は、グチャグチャになって来そうな感じですね。
Commented by 虎哲 at 2006-01-09 11:32 x
こんにちは。
>アメリカから直に懸念
私は中国や韓国との諸問題の中で、靖国にこだわるメリットは象徴的な
意味以外ではほとんどない、と思っています。領土や資源は一般国民には理解しにくいですが、靖国はすごくアピールがしやすい。ただ、歴史問題ではアメリカも味方してくれることはないわけですから、ここは引いて
他の問題に労力をかけるべきでしょう。
Commented by mew-run7 at 2006-01-10 01:14
虎哲さん、コメント有難うございます。

今、日本と中国がやり合って、メリットを受けることって、そんなに
ないと思うのですよね。
強いて言えば、仮想敵国として中国を意識させて、防衛力を強化する
ことかも知れませんが・・・。
経済界は中国抜きにはやっていけませんし、下手に敵視するのは得策
ではないように思うです。
簡単な話、国民がNO!と言えば、話は終わりのような気もするのですけど。
Commented by ばかだなあ at 2006-03-28 00:20 x
なによりも、朝日新聞の社説なんて、
読む価値ないってことに気付かないとね。
「ジャーナリスト宣言」している新聞社なんて、
ほんと、恥さらしなそんざいだよね。

もう、ばかばっかりで、馬鹿な会話つづけてなさい。
Commented by mew-run7 at 2006-03-28 05:50
ばかだなあさん、コメント有難うございます。

>もう、ばかばっかりで、馬鹿な会話つづけてなさい

それって現内閣のことですか?(・・)
by mew-run7 | 2006-01-08 18:06 | 靖国参拝に関して | Comments(10)

by mew-run7