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Brighture English Academy 代表。趣味はウクレレとかハイキングとかDIYとか旅行などなど。在米20年。シリコンバレーに住みつつ、日本とアメリカとフィリピンで会社経営しています。最近は英語教育がライフワークになりつつある。
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2013年12月19日木曜日

日本人に必要な英語のレベル

昨日ツイッターを眺めていたら、シリコンバレーで会社経営をなさっている海部 美知さん(@MichiKaifu)が面白いことを言っておられた。


 海部氏が提起している問題は2つある。ひとつは、「多くの日本人は、英語以前に日本語ですら要点を絞った文章を書くのがヘタ」という問題。もうひとつは別に「リアルタイムの英会話なんて必要ない 」という話だ。

この2点、激しく同意せざるをえない。

論理的な文章を書く訓練が欠落している
 最初の「文章のうまい/ヘタ」の話で言えば、僕自身も大学に進学するまで、論点を絞った簡潔な文章というのが一切書けなかった。これは仕方のない話で、当時の日本では小中高を通して「文章を書く」と言えば読書感想文とか「夏休みの思い出」のような、散文のようなモノしか書かされなかったからだ。
 でも、大半の人にとって、社会に出て必要になるのは散文を書く能力ではない。この辺りの教育の在り方はもっと考え直してもよいだろう。ただ、そんな話をツィートしたらところ、こんなツィートを頂いたので、今は少しはよくなっているのかも知れない。


リアルタイム英会話は万人に必要なのか?
 次の「リアルタイムの英会話なんて必要ない 」という話。
 これもまったくその通りだと思う。日本人口の99パーセントぐらいの人にとって、リアルタイムに高度な英会話をできる能力なんてまったく必要ないのだ。もう少し詳しく考えてみよう。

 まず人々が必要とする英語能力を3つに分けて考えてみる。

1)英語なんて基本的に必要ない。たまに観光旅行に行った時に、レストランで食事が頼めれば充分。

2)基本的に読み書きが出来ればいい。海外と仕事しているけど、やり取りのほとんどはメール。だから時間もかけられるし、文章も推敲を重ねられる。会話は3年に1回の海外出張ぐらい。必死になれば、なんとかならなくもない。

3)海外に在住、あるいは外資系企業に勤務しており、仕事相手は基本的に常に外人。会議も資料も基本的にすべて英語。リアルタイムの英会話能力も、文章能力も、プレゼン能力も必要。

 多分この3グループを人口比で考えてみると、90パーセントで1)で、9パーセントぐらいが2)。そして3)は1パーセントに満たないだろう。

1)の人たちは、中3までの英語がキチンと分かればもう「出来過ぎ」なレベル。高校英語は必要ない。高校3年間は中3までの英語をひたすらやり直し、血肉にしたほうがずっと実用的だろう。

2)は、英検準1級とかTOEIC 700点ぐらいのレベル。「出る単」を丸暗記して、高校英語の文法が分かれば、まあ普通に辿り着ける。

3)のレベルは、英検1級でやっと入り口の世界。英語は英語で憶え、英語の思考回路を形成する必要がある。英語の論説や新聞記事などがスラスラと読め、よどみなく喋れないと仕事に差し障りがある。多少訛ってたっていい。それより大事なのは、書く時も話す時も分かりやすくロジカルに意思の伝達ができること。

大事なことはなに?
 幼児の頃から躍起になって英会話学校に行く必要なんて、多分ない。でも1)〜3)に共通して必要なこと、それは伝えたいことを簡潔にまとめられる能力だ。ロジカルシンキング、って言ってもいい。そしてそれは言語に依存しないスキルのはずなんだ。おそらくそこんとこが、日本の教育から決定的に欠けているところなんじゃないだろうか? そんなことを思っていたら、TninityNYCさんのこんなツィート。
 ロジカルに考える。そしてそれを簡潔に伝える。それを母国語できない人が、他国語でできるわけないのだ。

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 そうそう、最近TOEIC初挑戦の高校生に買ってあげた本。「TOEIC単語集としてベストセラー」というレビューを読んで買ってみましたが、実際に2)のレベルの人に必要な単語がギッシリです。特に例文がヨイ。おすすめです。






2013年7月14日日曜日

「和訳」〜それは最悪の英語学習法


 英語ってダイエットや美容と同じく、巷に情報が氾濫している割には何故かあまり成功例を目にしない、実に不思議な代物です。

 英語、美容、ダイエットは永遠にビジネスが成立しそうな感じです。

 自分自身はそれなりに英語習得で苦労しました。しかし、日本で英語教育を受けていない自分の子ども達がサクッと英語を憶えたのを見て、やっぱり日本の英語教育ってなにか根本的な部分で外しているな、とずっと思ってきました。

 ではその「外している部分」ってどこなんでしょう?

 それは「英語を英語のまま憶えない」ところなんです。

英語脳を作る
 私たちは日本語を聞いた時に、それをそのまま日本語で理解しています。日本語を喋る時にも、日本語で考えています。つまり、私たちの頭の中は日本語を瞬時に解析できる回路が出来上がっています。これを仮に「日本語脳」と呼ぶことにしましょう。

 英語を出来るようになりたかったら、同じような英語解析回路を脳内に形成すればいいんです。「英語脳」を作るんです。当たり前ですよね、考えてみれば。

 日本人は子どもの時から日本語で話しかけられ、日本語のテレビを見て育ちます。日本語を日本語のまま憶えていくんです。

 でも私たちが英語を学習するときには、何故かこの回路生成プロセスを踏んでいないんです。

和訳〜それは最悪の英語学習方法
 学校の英語教育で何をやるかというと、単語カードを作って表に英単語、裏に日本語を書いて憶えていきます。そしてテストでそれを確認。

 やることといえば要するに大量の和訳の訓練です。

 そして和訳が正しくできることを何度も何度もテストで確認していきます。

 英語学習のABCのところとから、すでに日本語を介在させてしまうんです。いったいこんなやり方で「英語脳」が育つんでしょうか?

 私たちは英語の勉強をしているんじゃなくて、和訳の方法を勉強しているんです。そしてこの弊害は考えても見ないほど大きなものなのです。

和訳癖の弊害
 海外赴任などでアメリカに駐在なさる方々は、みな日本で少なくとも10年間は英語の勉強をし、有名大学を卒業した方ばかりです。ところが彼らが駐在先に来てみると、現地社員とロクに雑談にさえできないのです。

 日常会話とは早いものです。野球の話から政治の話、社内のゴシップ……。そういう速い会話のテンポに付いて行こうと思ったら、頭の中で英語を日本語に置き換えている暇なんてないんです。

 会議でもダンマリ。付き合いでもダンマリ。日本でずっと成績優秀だった人々がこうなってしまうのは、彼らが普通の人よりもむしろ和訳に長けているからではないかと考えてます。和訳癖があまりにも強く身に付いてしまい、そこから抜け出せないんです。

そもそも英語と日本語では思考の順序が違う
 もっと切実な問題として、英語と日本語では考える順番がまるで逆、という点があります。英語は、英語で思考してこそ喋りやすいんです。英語の文章では普通結論を先に言い、理由は後から説明します。日本語はまるで逆。

 ですが日本ではずっと「That以下を主語の後ろに持ってきて……」などとやり続けるため、折り返し癖などがガッチリと定着します。でもNativeは考えた順番通りに喋っているんです。That以下を先に考えておいて、それを後回しにして喋っているわけではないんです。

 ですから和訳をやり続けていると、英語の思考順序がまったく育ちません。

 言ってみれば日本の学校でやっている英語教育は、英語学習というよりも

和訳道 なんです。

ではどうすればいいのか?
 ではどうやったらいいんでしょうか? 話は簡単。英語は英語のまま憶えればいいんです。

 英単語を憶える時は英英辞典で引いて、英語のまんま憶えればいいんです。遠回りに見えても脳内回路の形成にはこのほうが結局早道です。

 お決まりのフレーズは英語で丸ごと暗記。英語の映画は英語のままで観る。英語の字幕は出しても、日本語字幕は出さない。簡単な内容から、段々難しい内容のものに移行していきます。そうやって沢山聞いて、沢山読んで英語回路を作っていきます。

 私たちはみんなそうやって日本語を覚えてきたんです。

 喋るのはどうするかって?、喋ってみて、間違いを訂正してもらえばいいんです。そうそう、発音やイントネーションはNativeに訂正してもらうのが一番早いです。今はオンライン英会話スクールもある時代です。利用しない手はありません。

量をこなそう
 学校の成績なんて関係ありません。私、高2時の英語の成績、10段階で2でした。ただ英語の本を沢山読んで、暇さえあればFENとか聞いてました。それは相当効いたと思います。Youtube、PodCast、Kindle。なんでも利用しましょう。

 英語は英語のまま扱う。そして沢山量をこなす。それ以外にコツなんてありません。




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