カテゴリ「第23期竜王戦七番勝負第3局」の記事
真田七段の見た第3局
投了図以下は▲同銀に△4八金▲6九玉△5八金▲7八玉△6八金
▲8九玉△7八金▲9八玉△8九銀までの即詰み。終局は19時27分。
消費時間は▲渡辺7時間59分、△羽生7時間57分。
「とにかくハッとする手の多い将棋でした。渡辺竜王は封じ手の▲8八歩、
63手目の▲9五角~▲7三角成の強襲、そして71手目の▲5三桂成。
羽生名人は76手目△2七銀、94手目の△7五金の辛抱、100手目、
角を成ってみろの△7四飛、どれもすごい手でした。
将棋としては、83手目▲5五馬の局面ははっきり先手勝ちだったと思うの
ですが、ちょっと慎重に指し過ぎたかもしれないです。
具体的には93手目▲7八銀のところで▲7九桂か▲4五角が良かったと
思います。111手目▲2四歩(図)が敗着だと思います。▲6八桂でしたね。
全体的に、素晴らしい熱戦だったと思います。劣勢を跳ね返して一勝を挙
げた羽生名人の執念に感じ入りました。
第4局は先手の羽生名人の矢倉か角換わりを渡辺竜王が受けて立つ展
開になると思いますが、熱戦は必至でしょう。 特にこの第3局を羽生名人
が逆転勝ちしたことで、シリーズの行方も俄然分からなくなりましたね。第
7局までいきそうな気がします」(真田七段)
(感想戦終了は20時30分)
(吟)
感想戦
終局直後
「▲5三桂成とされて手がないので、難しい将棋になってしまったかなと。
勝ちになったと思ったのは、△6一香から馬を追う展開になったあたりで
す。それまでは足りないと思っていました。作戦的にはどこがおかしかっ
たのか、まだわかりません。調べてみないと。ひとつ勝ってホッとしました」
(終局直後の羽生名人)
「終盤で危険な順を選んでしまいましたね。△5九馬以下で▲2八飛で
受かると思ったのですが。作戦的には、先手番でここまで守勢に回らさ
れることになったので、面白くないかもしれません。終盤は良い局面もあ
ったと思うのですが……。竜王戦の連勝は止まりましたが、また頑張りま
す」(終局直後の渡辺竜王)
報道陣・カメラマンが両対局者を取り囲む
(吟)
東京・将棋会館の大盤解説会 2
羽生名人、一番返す。
第23期竜王戦第3局は、138手まで羽生善治名人の勝ちとなりました。