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ラノベに対する「もはや一般文芸だ」は褒め言葉なのか?


こちらの記事に対して、

ここまで典型的な「褒めてるつもりの雑語り」を久々に読んだ。

とコメントしたところ、某王女様らしき人に、
https://marshmallow-qa.com/system/images/f1eb09cc-1bdc-4325-92b8-75f3ba4cad70.png
と言われたのでぐだぐだと書きます。先に言い訳しておくとそんな明快に解答しているわけではありませんのでご了承ください。


まず「雑語り」というのはちょっと捉えどころのない言葉ですよね。「嘘」でも「偽」でも「誤」でもなく「雑」という形容ですから。まあ「当てはまる部分もあるが多くの補足が必要でそのまま採用するには問題がある言説」といったところでしょうか。

そのうえで当該記事について簡単にまとめてみましょう。

  • 私はあまりラノベを読まない
  • 昨今のラノベは萌えを前面に出したものだと思う
    • 主人公が異様にモテる
    • 魔法を使う強力な敵が出てくる
    • 装丁やタイトルのライトノベル感
    • などの特徴を備えている
  • この作品は上記の特徴に当てはまらない
  • よってライトノベルらしくない
  • もはや一般文芸だ
  • と言えるくらい面白かった

この「ラノベらしくない」「もはや一般文芸だ」みたいな微妙な褒め方、ラノベ以外でもけっこう見かけますよね。「エロゲーとは思えないくらい面白い」とか「大人の鑑賞に堪えるアニメだ」とか。

そのジャンルに通暁している人が他作品との差異を細かく分析していくのならいいですが、往々にしてリンク先の記事のように「そのジャンルを知らないから細かい認識ができていないだけ」だったりするわけです。

「ラノベとはこういうものだがこの作品は違う」。

本当に「ラノベとはそういうもの」なんですか?

本当に「その作品」だけが違うんですか?

もちろん「主人公が異様にモテる」とか「強力な敵が出てきて魔法を使う」といったイメージは全くの誤りではないですよ。とはいえ、そのイメージに当てはまらないからラノベではない、というのは明らかに言い過ぎですよね。

主人公がモテないラノベだって、魔法や異能が出てこないラノベだって、異世界転生しないラノベだって、タイトルが長くないラノベだって、いまでもたくさん出ていますし、それらが「ラノベと見なされない」なんてこともありません。

つまり「当てはまる部分もあるが多くの補足が必要でそのまま採用するには問題がある言説」だと思うわけです。

なんでしょうね。「ラノベじゃなかった!」ではなく「こんなラノベもあるんだ!」でいいと思うんですけど。

いっそ「そもそもハヤカワ文庫はラノベでしょ」みたいなところから始めたほうが面白くなったりして。

とりあえず去年書いたSFラノベのオススメ記事を貼っとくね!