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オンリーカナダ 「ヘラジカに車を舐めさせないでください」の標識が出現。その理由とは?

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ヘラジカに車を舐めさせないでください image credit:facebook

 最近ネットではカナダのある町の標識が話題になっている。当局が掲げているその標識は「ヘラジカに車を舐めさせないでください」というもの。

 ええ~?それってどういう意味?と、とまどう人もいそうだが、なんとその地域に暮らすヘラジカたちは自動車を見かけると舐めにやってくるのだという。

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 ヘラジカの好物が車だとは知らなかったが、それにはこんな理由があるようだ。

事故防止のため。車を舐めるヘラジカを禁止する標識

 「ヘラジカに車を舐めさせないでください」ーカナダ当局が地元のドライバーに向けて掲げているその標識は非常に重要な指示だ。

 この標識は高山に位置するアルバータ州ジャスパーの町に掲示されている。

 では一体なぜヘラジカは車を舐めにくるのか?車が好物というわけではなく、車についた道路凍結防止用の塩が目当てなのだ。

 ミネラル分が不足しがちな冬、ヘラジカたちは車についた塩でそれを補うことを学んでしまったようだ。

 だがヘラジカは3メートル前後ほどの巨大動物だ。そんなヘラジカたちに寄ってたかって近づいてこられたらたまったものではない。これは危険な事故を未然にふせぐための呼びかけなのだ。

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ヘラジカ iStock

塩に夢中のヘラジカ。放置が事故のリスクに

 「ヘラジカたちは塩に夢中です。塩は彼らにとって欠かせないミネラルの一つですから」

 そう語るのはアルバータ州にあるジャスパー国立公園の広報担当スティーブ・ヤングさんだ。

 「通常ヘラジカは公園にある塩湖から塩を摂取しますが、彼らは近ごろ道路から車に飛び散った塩を摂取できることに気づきました」

 野生のヘラジカスポットとして有名なジャスパー国立公園では、道路わきに駐車する車が特に多く、この辺を訪れて車を舐めるヘラジカに遭遇した人もけっこういるようだ。

 カナダのアルバータ州で人が乗る車を舐めるヘラジカ

Moose licks car – Close encounter – Alberta Canada

 だがこれは、ひとたび動けば危険な自動車に野生動物が接近する機会を与える行為であり、深刻な事態につながるという。

 ヘラジカに好きなだけ車を舐めさせてしまうと、彼らはすっかり安心して車のまわりにいることに慣れてしまう。それが事故のリスクにつながるのだ。

ヘラジカと人間双方にとって悲惨な結果に

 ヤングさんは、わざわざ塩湖に行かずとも車を舐めさえすればいいと知ったヘラジカが招く致命的な事故を危惧しており、車とヘラジカは安全な距離を保つべきと主張する。

 塩欲しさのあまり、車に平気で近寄るヘラジカが事故を引き起こせば、彼らとドライバー双方にとって悲惨な結果になり得るからだ。

 「ヘラジカと車の組み合わせはまずいです。もし車がヘラジカをひいたら、足をすくわれたヘラジカがフロントガラスを突き破ってきますから」

ヘラジカは脅威を感じると突進する

 またヤングさんによると近年この地域のヘラジカは増加傾向にあるという。

 「最近ヘラジカの個体数が増えてますが、オオカミの数は減少しています。つまり捕食者が減った結果ヘラジカが増えてるんです。またこの状況は、人々がヘラジカに敬意を払って彼らにスペースを与える必要があることを示唆しています」

 さらにヤングさんらはもう1つ、重要な警告を発し続けている。それは車の中にとどまってヘラジカを含む野生動物とのかかわりを避けることだ。

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 たいていの動物は人間が近づいただけで逃げる。なのになぜ外に出てはいけないのか?と思う人もいるかもしれないが、なんとヘラジカは脅威を感じると突進してくるという。

 また他の動物も必ず逃げるとは限らないため、もっとそばで見たいから、などと考えなしにどんどん近づくのはやめたほうがいいようだ。

リスと一緒でも油断は禁物。車で去るのが一番

 こうした事情から、カナダの国立公園は野生生物に餌をやったり、気を引いたり、邪魔する行為を禁じており、違反者は最高25,000ドル(約261万円)の罰金を科せられる。

 なおヘラジカの体重は360~544kgもあるため、自動車もめちゃくちゃにされることがあるそうだ。なのでもしヘラジカの接近を避けたい場合は、車から降りずにその場を離れるのが一番だという。

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 ヘラジカの恐ろしさをよく知っているカナダ当局も、たとえヘラジカとリスが一緒に現れようとも、ヘラジカが寄ってきそうな場合は車で去るようアドバイスしている。

References:upi / edition / boingboingなど /written by D/ edited by parumo

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この記事へのコメント 44件

コメントを書く

    1. >>2
      警戒心のなくなったヘラジカが轢かれるほうが可哀想だろ…
      車の一部分にヘラジカの嫌う匂いとか付けられないもんなのかな。
      わざわざ公園付近に駐車してるやつには徹底させたほうがいい。

      1. >>13
        いや、車の方が吹っ飛ぶ
        日本の鹿ですらバンパーが大破するのだから
        ヘラジカともなると、、、

        1. >>28
          車、吹っ飛ぶと言うか潰されると思うよ。
          ヘラジカは脚長いから脚に当たって胴体は運転席に直撃or天井から潰される

    2. ※2
      どれだけ丁寧に理由を説明していてもそもそも読まない、理解しない。
      野生動物を保護する人らにとって一番頭が痛い存在ですね

  1. こういう場合、ゆっくり前進すればいいの?後退すればいいの?
    カナダで運転する予定はないけど知りたい

    1. ※4
      ニホンジカはものすごくうまく体温まるので、
      昔は布団売ってもシカ肉食えと呼ばれてる
      今回のネタであるヘラジカも同様に食用にされてるぜ
      ただ鹿の場合後ろ足くらいしか食用にされてないので
      もったいねえといえばもったいないし、日本の場合
      いろいろうるせえので、食用でも犬の餌にする率多い

    2. ※4
      ヘラジカの肉は食べられます。ジャスパーの街のレストランはたいていステーキ、ミートローフ、ハンバーガーなんかでメニューに乗ってて、観光客はたいてい一度は注文するらしい。自分も食べたけど、鹿肉と同じ感じでクセもなくて食べやすいお肉です

    3. ※4
      水曜どうでしょうで大泉洋がムース汁作ってたの思い出した。
      確か割と好評だったのは、お肉にクセがないからだったんだね。

  2. 動物園で初めて見た時あまりのデカさに驚いた
    あれはシカっていうレベルじゃない

    1. >>5
      実物見られたのうらやま
      もう日本には気温以外にも色々あって
      入れられないそうだし

  3. ジャスパーって街中のゴミ箱がクマ対策に蓋の握りの部分にカバーがついてて、クマが開けられないようになってるところだからw
    そのうち、路端の融雪剤貯蔵庫(大きな道路なんかだと、道のすぐ脇に一定間隔で融雪剤をストックしておく簡易な建物が建ってる)襲いそう

  4. なめるために近づかれたときにはもう手遅れのような気もする…いち早く発見して全速力かのう

  5. 車道に向かう獣道にミネラル置けば良いんだよ
    奈良の鹿向けにミネラルレンガ作ってる企業が慥か有ったよね

  6. 以前浅瀬の河を走ってまるで水面を爆走している様に見えるヘラジカの映像があったけど
    鹿だと油断して圧倒的巨体で突進されたら車でもただじゃ済まないから怖いね

    1. ※16
      昔、伊豆山中に車をレッカーしに来てくれたレッカー屋さんが、「鹿にぶつかられると、車のほうがダメージでかいからねー」って言ってた。(伊豆って、意外と鹿さんが多いのよ)

  7. 人間との間に事故が起きるようになれば増えたヘラジカへの淘汰圧となってちょうどいいのでは?
    自然界は意外とバランス良くできている。

  8. 要するに車との関連付けがまずいわけだから、安全な塩場を作ってやればいいんじゃないの?

  9. あんなデカい舌で夢中で舐められたら車がだんだん小さくなりそうだな

  10. 凍結防止の塩なんだ、納得。
    塩を舐めるんだろうと思ったけど、車にそんなに塩分あるかなて考えてた(バッテリーとか)。

    地元に「鹿が教えた温泉」てのがあって、要は塩分が含まれてるから彼らが通っていたんだけど、今は「神河豚」とかネーミングして河豚の養殖してるわ。

  11. 友人は日本のシカ轢いて車が大破、廃車になったよ。
    ヘラジカは大きさもぜんぜん違うだろうし危険だよね。

  12. 昔アンカレッジの住宅街で夜中にあのサイズのヘラジカに出くわした事あるわ。
    とにかくでかくてびびった。

    それにしても別に車を舐めなくても道路を舐めればいいのにね。

  13. わりと切実だわ
    一見「野良猫に餌を与えないでください」に似てるけれど
    この英文は「ヘラジカのほうから舐めに来るけど許容してはいけません」だから、我関せずというわけにはいかない

  14. どうやって塩の存在を感知してるんだろう?
    それにしてもシカの舐めてる目玉が座ってて本気だったw わりと怖い!

  15. 日本では鹿が塩分補給のために線路を舐めに来るケースを防ぐべく塩のブロックで鹿を誘引するシステムが実証されている。牛やヤギを飼育している方は鉱塩という塩のブロックを与えているがブロックの形が変わるほどベロベロ舐めている。それを応用して列車事故避けにしたようで、鹿よけ効果は大きいらしい。

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