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日本の浮世絵の高解像度データが無料でダウンロードできるとかいうサービスが開始される。その数なんど2,500点

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(著) (編集)

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 美術、美術史、特に江戸時代の美術に興味がある人には朗報だ。

 アメリカ議会図書館ウェブサイトで、日本の木版画や絵画の高解像度データが閲覧できるのだ。ダウンロードもできて、しかも無料なのである。

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 その数、なんと2,500点以上。

議会図書館のコレクション

 公開されている木版画は、17世紀から20世紀初期にかけての作品である。安藤(歌川)広重や葛飾北斎、喜多川歌麿をはじめ、歌川国貞、歌川豊国、小林清親などおいった名前が並んでいる。

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 これらの作品は、大勢の収集家から寄贈されたものだ。寄贈者の中には、第27代大統領ウィリアム・ハワード・タフト氏や、連邦最高裁判所判事のオリバー・ウェンデル・ホームズ・ジュニア氏なども名を連ねており、また日文研の協力も得ている。

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 議会図書館の膨大なコレクションに代表されるような、多様なジャンルや伝統が美術界にはある。しかし、作品が最も豊富なのは、「浮世絵」「横浜絵」といった、日本の伝統的な芸術様式なのだ。

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 また、図書館による浮世絵と横浜絵の説明は、だいたい以下のようなものである。

浮世絵とは?

 浮世絵は、1600年~1868年の相対的に平和な時代に、江戸で発達した。

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 多くの作品の主題には、歌舞伎の1シーンや大道芸といった「演芸」や、洒落た食事どころといった「行楽」という要素が含まれ、特に「歌舞伎」と「吉原」というテーマの人気が高かった。

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 時代が下りると、行楽としての旅が一般的になった。それと共に、自然の光景や珍しい風物が浮世絵のテーマとして人気が出た。また、神話や伝説、文学、あるいは日常生活といったテーマもよく用いられた。

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横浜絵絵とは?

 横浜絵は浮世絵の技法の上に作成・販売されており、1850年代半ばの、ペリー提督の日本遠征の時期に作成されたものだ。

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 西洋諸国との新しい通商条約によって、多くの人が日本を訪れた。江戸の印刷所は画家を横浜に送り込み、頬髯を生やした男性や膨らんだスカート姿の女性が町を歩き、馬を走らせ、船に乗り降りする姿を描かせたのである。

 横浜絵には、西洋の新聞の絵を2次ソースとして拝借したものも多い。また、彩度を上げるために合成染料もよく使われた。

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サイトについて

 閲覧・ダウンロード用のサイトはこちら。作者別のほか、時代別、地域別、テーマ別にも分類されている。また、タイトル順、時代順の並べ替えもできる。

 個人的にちょっと使いにくいと思うのは、タイトルがすべてローマ字で書かれていることだ。正しい漢字に変換するのにちょっと苦労する。でもまあ、日本のサイトじゃないし仕方がない。贅沢言っちゃいけないよね。

via: Colossal, UFUNK.net, Library of Congress など / written by K.Y.K. / edited by parumo

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この記事へのコメント 32件

コメントを書く

  1. 横浜絵とかがあるのはわかるけど、まさか菱川師宣の絵まであるとかびっくりだよ>元サイト
    高橋克彦センセーが喜びそう、浮世絵鑑賞辞典とか浮世絵三部作面白かったなぁ

  2. 国立国会図書館デジタルコレクションなみに良いサイト
    すばらしいお気に入りがまた増えたわありがとう

  3. 本で見る絵画や写真の大きさよりも高解像度データで見る方が細かい部分が分かる場合が多いし、大判インクジェットプリンタで大きいサイズで出力できる。
    このようなサービスは今後、なおいっそうさまざまな目的で広がっていく可能性が高いのかな。

  4. 少し前だと買うか博物館に行かなきゃ見れなかったのに
    今ではネットでポン。しかも収集家が公開するとは
    コレクターの心使いと博物館のすごさに感謝

  5. 司書の私が参考までに付け加えておくと、
    国立国会図書館も類似のサービスを提供してますので。
    こちらは当然ながら日本のサイトだから検索も容易。

      1. ※8
        ※5じゃないが
        国立国会図書館デジタルコレクション ttp://dl.ndl.go.jp/
        古典籍→錦絵 で辿れる

  6. 数百年前の日本から世界に出た作品が、色んな経路で巡り巡って現代の電子の海中に公開されると考えるとロマンを感じるなあ。

  7. おいおい、なんだいこのお宝。
    願わくば4k解像度に対応して欲しいけど、さすがにそこまでやったら金取んなきゃ嘘かぁ。

  8. 国会図書館の方でこう言うの見てたな
    けど全世界的に英語のサイトがあると利用し易いだろうね

  9. iPadだからなのだろうか。
    リンク先の英文が縦書きでマトリックスみたいになってる。

  10. 作品は全て電子とレプリカで公開して本物の展示は
    減らしていった方がいい。心無い人間に
    再現不可能な作品が壊されたり汚されたり
    盗まれる事件が後を絶たず先人に申し訳ない。
    名画の多くは実物は意外と小さい事が多いので
    拡大して見れた方が嬉しい作品も多い。

    1. ※11
      日本画みたいにただそこに置くだけで
      どんどん劣化するようなデリケートなものなら仕方ないけど。
      「本物が誰にでも見れる」ということこそが、文化の継承なんだよ
      RGBでしか見せてもらえないディストピアなんて御免だね
      それを保つのも守るのも万人に見せるのも未来への責任なんだよ
      守るために蔵に仕舞うなんて絵画の存在意義を殺している

      1. ※13
        それで失われるまでが絵って言うなら分かるけど。
        本物を本物として永久的に無劣化で保存できない以上、
        未来のために我々が我慢するという手があっても悪くはないとは思うけど。

        「xxxx年代の人が、無劣化の保存方法を知らなかった上に、
        飾って見せびらかしていたので失われました。」
        って時代に描かれて誇らしいのかい?

  11. 資料として絵を見たい人にはありがたい。アメリカの図書館は、デジタルアーカイブの公開に関してほんとに進んでる。UCLAなんかすごいです。
    日本の公立図書館、大学図書館もけっこうがんばってるんですが、数と予算が違う。そして、不正な二次使用を避けるために、どうしても画質を落としてしまうのです。

  12. 国芳とその弟子たちが大好きなんだけど無かった。
    しかしこれは良いサイト。浮世絵好きにはたまりません。
    スマホからじゃなんだから帰宅したらPCでじっくり見ることにする。

    そしてコメントにあった国立国会図書館を調べてみたらこれまた面白そう。
    お気に入りが増えました。ありがとう。

  13. 日本で重文指定されているものより保存状態がいいものが普通にある

  14. すっげぇこれ嬉しい
    これの浮世絵から日本に興味を持ってくれる人が増えたらいいな

  15. 妖怪好きな人はSubject欄のMore Subjectsから「Demons」と「Supernatural Beings」で絞り込むとOK

  16. 凱風快晴が大好き
    一回で良いから肉眼で赤富士見てみたい

  17. なんでアメリカに…と思って検索してみたら明治維新辺りで西欧に習え、日本の古臭い文化を全て棄てろって運動が有ったのね。
    廃仏棄釈とか含めて大量の文化財が廃棄されてて、岡倉天心とかアメリカの文化学者とかでその頃の文化財を向こうに移転・保護して今に至る、と。
    ゾッとするわ。文化や芸術に正しいも間違いも、高尚も低俗も無いだろうに時代の流れだけで完全否定とか…

    1. ※25
      それは、歴史教科書で習っているはず。
      脱亜入欧って事で、外国に倣い国旗、国歌、憲法をつくった。

      「朕、ここにわが建国の体に基づき、広く海外各国を成法を斟酌して、もって国憲を定めんとす。」明治天皇

  18. コピーライトに関して・・・米国議会図書館はコピーライトホルダーではないからその件については第三者から使用許可を得ましょうとあるけど、その第三者とは誰ぞや

  19. PENTAXが中判デジタルカメラ(月産目標500台←少なっ)を発売した時、こういう貴重な資料や作品のデジタルアーカイブでの需要が結構あったとかいう話だった。
    花や物撮りで活躍するマクロレンズ(接写が出来て歪みが少ない)も元々は文献撮影用に開発されたものだし。
    技術の進化はすばらしいね。

  20. 高解像度データでいろんな種類の曼荼羅を見てみたいものだ。

  21. 新吉原十景花見月の花の部分によく見たら花弁が描かれている(色摺りだけで!)。
    きっと褪せちゃってるんだろうけど、こういうのを元の色彩で見たかったなぁ!
    細部までよく分かるし良いことしてくれるわ。

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