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54億円もかけて作られた住宅地が18か月でゴーストタウンに、いったいなぜ?

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(著)

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  カナダのブリティッシュコロンビア州には、不気味なゴーストタウンが存在する。

 54億円を投じて建設されたコミュニティーだが、完成後18か月で放棄され、住民は一人もいなくなった。

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 それから40年たつ現在でも建物はそのままの状態で、すぐにでも人が住めそうな家も多い。いったい何が起きたというのか?

モリブデン鉱山の街として作られたキッツォー

 ブリティッシュコロンビア州北部にあるキッツォー(Kitsault)の街は、ゴーストタウンになって40年が経過しているが、人が住んでいた時とほぼ状態が変わらず、現在もほぼ手つかずのままである。

 かつてこの地域は、豊富な鉱脈で知られており、特に需要の高いモリブデンを採掘する鉱山があった。

 モリブデンは鉄鋼用添加剤や加工素材として使われるレアメタルの一種で、融点は摂氏2,600度と、すべての金属の中で5番目に高い高融点金属である。

 1979年、この鉱山で働く人々が暮らす街として、5000万カナダドル(現在のレートでおよそ54億円)が投じられ、キッツォーの建設が始まった。

 当時、モリブデン鉱床の多くが枯渇したとのニュースが流れ、市場価格は上昇傾向にあった。

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1983年から変わっていない街並み

 街の人口は1,200人が見込まれており、約100個の一戸建て住宅と、約200室を有する7棟の集合住宅のコミュニティになるはずだった。

 レストランやパブ、プールやサウナ、ボーリング場などの娯楽施設、近代的な病院や銀行、図書館、劇場、それにショッピングセンターも作られた。

 1980年に移住が始まり、ファミリーは一戸建てに、独身者は集合住宅に入居した。学校は日々、子供たちの笑い声があふれた。

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さっきまで子供たちがいたかのような教室

鉱山の閉鎖で18か月でゴーストタウンと化す

 だが、夢と希望にあふれた日々は長くは続かなかった。銅鉱山でモリブデンが副産物として採掘されるようになり、価格は暴落。折からの不況もあって、キッツォーの鉱山は閉山された。

 失業した労働者たちは、失意のうちに街を離れ、1983年に最後の住人がいなくなると、街はゴーストタウンとなった。

 キッツォーが「街」として機能したのは、わずか18カ月間のことだった。その後22年間、廃墟となった街は、手つかずののままで放置されることに。

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今も営業しているかのような図書館

実業家が購入し「生きているようなゴーストタウン」に

 だが2005年になって、インド系カナダ人の実業家、クリシュナン・サタンティラン氏が570万ドル(約8億5千万円)でこの街を購入。

 さらに2千万ドル(約29億8千万円)をかけて街の改修に乗り出した。

 現在、キッツォーはサタンティラン氏の所有地となっているため、一般の人が自由に出入りすることはできない。

 だが管理人が常駐しており、手入れの行き届いた建物や道路が整備され、電気も引かれているそうだ。

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今すぐ生活できそうなキッチンのある家

 実はこの場所は、液化天然ガス(LNG)のターミナルやパイプラインの建設地の候補に挙がっているそうだ。

 このLNG計画が上手くいけば、この街が再び賑わいを取り戻し、多くの人が暮らすようになる日がまた訪れるかもしれない。

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 街としての寿命は短かったが、元の住民たちの中には今も連絡を取り合っているグループもいるそうだ。元住人のベヴァリー・スロボダさんは、次のように語っている。

私たちの生まれたばかりの街がまだ存在していた短い間に、たくさんの楽しい思い出が作られました。たくさんの物語も生まれたのです。

40年以上の年月を経た今も、元住民の何人かは交流を続けています。私はこの街が忘れ去られるようなことにはなってほしくありません

Exploring Ghost Town Frozen in Time You Won’t Believe Exists | Kitsault BC 【4K】

References: $50,000,000 ghost town that was completely abandoned after just 18 months is still untouched / Chandra Krishnan Kitsault

本記事は、海外の記事を参考にし、日本の読者向けに独自の考察を加えて再構成しています。

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この記事へのコメント 10件

コメントを書く

  1. テレワーカーなら鉱山とか関係なくそこで仕事できるし、また栄えるといいねぇ。
    あ、街全体を映画撮影所にしても良さそう。

  2. 街って8億5千万円で買えるんだ
    改修費含めてもディズニーランドのアトラクション1つより全然安いな

  3. たった1200人の人口しかない町で病院や銀行、学校に娯楽インフラまで調えるのは無理があるだろ。数字が間違ってないか?

  4. インド系カナダ人の実業家の方、よっぽどお金持ちなのね。
    これを維持するのも大変そう。

  5. 街の規模で宅地造成して、記事中に出てくる額が総じて安い
    なんか深堀りできるネタが埋まってると愚察する、んで、これが偽だとしたら
    土地と家屋における日米価格差が凄すぎて草w

  6. カナダとかだと、もう少し規模の小さい廃村とか集落ならたまに売りに出されてるけど、このレベルのはかなりレア

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