2012-01-01から1年間の記事一覧

大晦日

ベランダにカレーの種をまきました 幕府まで馬を走らす大晦日 年の夜や大気はすべて胡麻油

暦果つ

暦果て二人で飲干すレモンティー マーシャルの電源落し暦果つ 曲間のノイズ愛しき暦果つ 暦果つる前に時計は止まりけり 地下室で唄うアリアや暦果つ ベランダで踊るワルツや暦果つ 先週でマヤの暦は果てにけり 歳末に歌は響きとなりにけり ベーコンのパスタ…

歳晩

写生句に背を向けつつも年の暮 歳晩や人気ビデオは貸出中

仕事納

あんな人いたっけ仕事納かな どうでもいい仕事納に背を向けて

室の花

あくまでも仕事するふり室の花 アリバイは七時に買つた室の花

息白し

千人の息の白さや朝の駅 息白し待人来ずや息白し

ジェームス・ブラウン忌

足元に落つる眼鏡やセックス忌

降誕祭

北国の白き聖夜の便りあり 子ら眠る聖樹の下に宝かな 寒月の厩に御子は生まれけり 自らを焼いて聖樹となりにけり 包装紙散らかす朝の聖樹かな

聖夜 (2)

荒星やダビデの裔に生まれたる 凍て星やその名をイエスと名付くべし 荒星に妙なる調べ聞こえけり 諸人も眠りについて聖夜かな 神の子の生まれ給ひしベツレヘム 幼子も絵に描きにけりクリスマス

年の暮

俳諧の二十五人や年の暮

聖夜 (1)

クリスマスには女子会の奇声かな

第26回いるか句会

堀本裕樹公式ブログ |◆第26回いるか句会告知 12月22日(土)、第26回いるか句会に参加。以下の6句を投句しました。 マフラーや舌に溶けたる飴の色 指編みのマフラー耳がついてゐる すれ違ひざまに気づくや雪女郎 父からの便り途絶えて雪女郎 寄せ鍋や猫入…

霜夜

霜夜読む文字の大きな子規句集

冬至

頬杖をつくのは止めよ冬至の日 終末は東からとや冬至の夜 冬至とはクラリネットを吹く日です

煤払

張り付いた呪詛の言葉も煤払

寒禽

寒禽やあの手は何だ!窓に!窓に! 寒禽よ最上階を占拠せよ

年の内

黒タイツ毛玉は白や年の内 録り溜めた番組多し年の内 凩やゴリラのことを仄めかし

底冷え

底冷えに二枚重ねのタイツかな

人参

人参の蒂(へた)に出でたる新芽かな

おでん

三毛猫と炬燵の件で押問答 年の瀬やちくわ咥えて深呼吸 おでん屋の二階の女子の姦しき 北向きの地蔵に並ぶシクラメン

凍空

凍空や山の彼方の山白く

練馬大根

大根を引く翁あり西武線 音立てて大根洗ふ練馬かな 新青梅街道沿ひや大根売

猟犬

猟犬の血を引く女子の並びをり

冬の夜

レコードに針を落として冬の夜 冬の夜や細く流るるシューベルト

風邪

風邪ひいて洗濯物の溜まりをり

鱈

鱈ちりや帰つて来いと文ありき

漱石忌

この国は未だ亡びず漱石忌 百年も一夜の夢や漱石忌

餅搗き

餅搗きの湯気のたなびく広場かな 餅搗きやあんこきなこと貰ひつつ 餅つきに候補者二人加はりぬ 餅搗きに選挙公報もらひけり 餅搗きや近所の子等の数多き

明治神宮吟行

吟行に投句しなかったボツ句。 太幹を縫つて伸ぶるや薄紅葉 参拝の足音消すや散紅葉 神宮の芝生の庭に枯葉舞ふ 庭園の硝子障子や枯葉舞ふ 両肩に楢の枯葉の落ちにけり 山雀を指に乗せをり冬木立

明治神宮吟行句会

Twitter で呼びかけられた「第0回Twitter #jhaiku 句会」に参加。以下、3句を投句しました。 団栗を軽く蹴りたる雪駄かな 青空に吹き上げられし枯葉かな 外つ国の言葉飛び交ふ冬木立