福岡県(ふくおかけん)は、日本九州地方に位置する県庁所在地福岡市[1]

ふくおかけん, ふくをかけん ウィキデータを編集
福岡県
太宰府天満宮
香春岳門司港レトロ
中洲・清流公園の屋台街柳川川下り
福岡県の旗 福岡県章
福岡県旗 福岡県章
日本の旗 日本
地方 九州地方
団体コード 40000-9
ISO 3166-2:JP JP-40
面積 4,987.66km2
(境界未定部分あり)
総人口 5,099,527[編集]
推計人口、2024年11月1日)
人口密度 1,022人/km2
隣接都道府県 佐賀県の旗 佐賀県
熊本県の旗 熊本県
大分県の旗 大分県
山口県の旗 山口県
長崎県の旗 長崎県[注釈 1]
県の木 ツツジ
県の花 ウメ
県の鳥 ウグイス
県の歌 希望の光(1970年制定)
福岡県庁
知事 服部誠太郎
法人番号 6000020400009 ウィキデータを編集
所在地 812-8577
福岡県福岡市博多区東公園7番7号
北緯33度36分22秒 東経130度25分05秒 / 北緯33.6061度 東経130.4181度 / 33.6061; 130.4181座標: 北緯33度36分22秒 東経130度25分05秒 / 北緯33.6061度 東経130.4181度 / 33.6061; 130.4181
福岡県庁
外部リンク 公式ウェブサイト
福岡県の位置

福岡県行政区画図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町 / ― 村

地図
特記事項 県内総生産:174,447億円(2000年、全国第9位)
法人番号6000020400009
ウィキポータル 日本の都道府県/福岡県
ウィキプロジェクト

九州地方北部に位置し、九州地方の県では最も人口が多い。県庁所在地の福岡市は、九州地方最多の人口を擁するであり、西日本[注釈 2] においても大阪市に次ぐ人口を擁する。福岡市と北九州市の2つの政令指定都市を抱え、いわゆる三大都市圏以外では人口密度が1,000人/km2を超える唯一の県である[2]。全国では人口は兵庫県に次ぐ8位、面積は千葉県に次ぐ29位。

地理・地域

北部は日本海響灘玄界灘)、東部は瀬戸内海周防灘)、筑後地方有明海に面している。県の中心部を筑紫山地が連なっており、筑後川矢部川遠賀川流域、宗像地域、京築地域では平野が広がっており水田地帯が多い。福岡市北九州市と2つの政令指定都市を抱えており、北九州・福岡大都市圏の人口は首都圏近畿圏中京圏に次ぐ規模である[3]

玄界灘の壱岐対馬をはさんで大韓民国があり、同国南部の主要都市である釜山までは福岡市から直線距離で200km程度である[注釈 3]。また、中国上海市までは同様に850km程度といずれも東京より近い。このように、近隣諸国の主要都市がおおむね1,000km圏内に存在するため、博多港福岡空港北九州港北九州空港などから韓国や中国、台湾などのほか東南アジアの主要都市への航路が多く設定され、これらの地域からの観光客が増加傾向にある。古来から朝鮮半島のある大陸との玄関口となっている福岡市は世界においても影響力を持つ都市として「世界の都市総合力ランキング」などでも評価されている[4][5][6]

節内の全座標を示した地図 - OSM
節内の全座標を出力 - KML

福岡県の東西南北それぞれの端と、都道府県界の未確定部分に仮の境界線を入れて求めた重心は以下の位置である[7][8]。北端は沖ノ島の割鼻、南端は三池港KMアルミニウムの工場、東端は国道10号国道212号の交差点の南東付近、西端は烏帽子島。また統計局の平成22年国勢調査によると、人口重心は飯塚市の内住にある[9]

重心
北緯33度31分33秒 東経130度39分57秒 / 北緯33.52583度 東経130.66583度 / 33.52583; 130.66583 (福岡県重心)
北端
北緯34度15分00秒 東経130度06分43秒 / 北緯34.25000度 東経130.11194度 / 34.25000; 130.11194 (福岡県最北端)
人口重心
北緯33度35分51.5秒 東経130度34分32.4秒 / 北緯33.597639度 東経130.575667度 / 33.597639; 130.575667 (福岡県人口重心)
西端
北緯33度41分23秒 東経129度58分54秒 / 北緯33.68972度 東経129.98167度 / 33.68972; 129.98167 (福岡県最西端)
福岡県庁舎所在地
北緯33度36分23秒 東経130度25分05秒 / 北緯33.60639度 東経130.41806度 / 33.60639; 130.41806 (福岡県庁)
東端
北緯33度33分29秒 東経131度11分25秒 / 北緯33.55806度 東経131.19028度 / 33.55806; 131.19028 (福岡県最東端)

南端
北緯33度00分02秒 東経130度23分48秒 / 北緯33.00056度 東経130.39667度 / 33.00056; 130.39667 (福岡県最南端)
離島部を除く最北端は北緯33度57分(北九州市門司区太刀浦海岸)

隣接都道府県

陸地で隣接
海域を挟んで隣接

地形

自然公園

国立公園
瀬戸内海国立公園
国定公園
玄海国定公園耶馬日田英彦山国定公園北九州国定公園
県立自然公園
太宰府県立自然公園筑豊県立自然公園筑後川県立自然公園矢部川県立自然公園脊振雷山県立自然公園
九州自然歩道

気候

日本海に面しているが一部を除いて、全般には太平洋気候区に属し、温暖である。

福岡地方、北九州地方の対馬海峡沿岸部・関門海峡沿岸部(福岡市北九州市宗像市糸島市など)
この地域は冬季の日照時間が短く、その点では日本海側気候に近いが、各季の降水量分布は明確に太平洋側気候であり、日本海側気候とは特に冬季の雨日数と降雪量の点で決定的に異なっている[10]
冬日になることは少なく気温自体は低くないが、北西の季節風が吹きつけ日照時間が少ないので体感的には本州同様に寒く感じられる。強風・風雪・波浪注意報が発表されることも多く、強い冬型の時には暴風雪・波浪警報が発表される場合もある。北西季節風の風上が対馬海峡であり吹走距離が短く、雪雲が発達しにくいため平野部で積雪することは少ないが、脊振山地周辺などでは雪が積もりやすく、60cm - 100cm程度積雪することもある。
梅雨明け後は最高気温が30°C以上の真夏日となることが多く、毎年数日はフェーン現象の影響で35°C以上の猛暑日になる。福岡市の平年値(1981年 - 2010年までの30年平均)は、夏日132.4日、真夏日57.1日、猛暑日5.5日、熱帯夜33.2日、冬日4.3日、真冬日0.0日。福岡市ではほとんど冬日にはならず、熱帯夜が非常に多いなどヒートアイランドの影響が大きくなっている。
北九州地方の瀬戸内海周防灘)沿岸部(行橋市豊前市など)
この地域は瀬戸内海式気候に属するが、中国地方の瀬戸内海沿岸に比べると年中少雨などの瀬戸内海式気候の特徴は薄く、年降水量は福岡地方、北九州地方と同程度である。冬は山地を超える過程で雲が発達するため比較的積雪しやすい。また関門海峡周辺ではが発生しやすい。
筑豊地方と、筑後地方の内陸部(久留米市飯塚市直方市田川市嘉麻市朝倉市八女市など)
内陸のため、寒暖の変動がやや大きい。しかし降水量は1800 - 2400mm前後(最も多いのは英彦山・釈迦岳周辺)と多雨で梅雨に一年の3分の1以上が集中し、梅雨前線が活発化する梅雨末期には豪雨に見舞われることもある(平成24年7月九州北部豪雨では矢部川流域を中心に大きな被害を受けた)。夏は気温が上がり易く、猛暑日も福岡地方、北九州地方より多い。冬は冬日が比較的多く、山地を超える過程で雲が発達するため県内の平地ではこの地域が最も積雪しやすい。標高1,000m級の山が連なる筑紫山地英彦山周辺では60 - 100cm程度積雪することもある。
筑後地方の有明海沿岸部(大牟田市柳川市大川市など)
有明海は内海であるが、降水量分布は夏期集中型で太平洋側気候を示す。年間を通して比較的温暖であるが、冬期は冬日が多くなる。年間降水量は福岡地方や北九州地方よりやや多いが梅雨に一年の3分の1以上が集中しており、冬期の降水量は県内の他の地域に比べて少なく、降雪することはあっても積雪することはほとんどない。
福岡県各地の平年値(統計期間:1981年 - 2010年、出典:気象庁・気象統計情報
平年値
(月単位)
対馬海峡沿岸部 瀬戸内海沿岸部 内陸部 有明海沿岸部
福岡 太宰府 糸島市
前原
宗像 北九州市
八幡
行橋 飯塚 添田 朝倉 八女市
黒木
久留米 大牟田
平均
気温
(°C)
最暖月 28.1
(8月)
27.2
(8月)
27.1
(8月)
26.7
(8月)
27.4
(8月)
26.9
(8月)
27.1
(8月)
26.3
(8月)
27.1
(8月)
26.4
(8月)
27.7
(8月)
27.5
(8月)
最寒月 6.6
(1月)
5.2
(1月)
5.9
(1月)
5.5
(1月)
5.8
(1月)
4.9
(1月)
5.0
(1月)
4.5
(1月)
4.5
(1月)
3.9
(1月)
5.2
(1月)
5.4
(1月)
降水量
(mm)
最多月 277.9
(7月)
333.7
(7月)
285.2
(7月)
277.1
(7月)
299.9
(7月)
322.4
(7月)
331.3
(7月)
334.3
(7月)
354.1
(7月)
397.5
(6月)
340.4
(6月)
374.4
(6月)
最少月 59.8
(12月)
56.6
(12月)
67.6
(12月)
67.0
(12月)
68.0
(12月)
54.5
(12月)
60.3
(12月)
64.0
(12月)
54.4
(12月)
53.4
(12月)
48.1
(12月)
47.7
(12月)
2000年以降の気象変動
  • 2004年1月下旬:大雪
  • 2004年8月31日:台風16号
  • 2004年9月8日:台風18号
  • 2006年9月17日:台風13号
  • 2009年7月24日〜26日:平成21年7月中国・九州北部豪雨
  • 2009年8月4日:観測開始以降、史上最も遅い梅雨明け
  • 2012年7月14日:平成24年7月九州北部豪雨
  • 2016年1月24日〜26日:寒波
  • 2017年7月5日:平成29年7月九州北部豪雨
  • 2018年7月6日:平成30年7月豪雨
  • 2018年7月20日:福岡市の気温が観測史上最高の38.3℃を記録
  • 2018年8月13日:久留米市の気温が県内観測史上最高の39.5℃を記録
  • 2018年12月4日:福岡市博多区で12月の観測史上最高の26.4℃(夏日)を記録
  • 2019年6月26日:統計開始以来最も遅い梅雨入り。1951年の統計開始以来最も遅い記録を更新した[11]
  • 2020年2月17日:観測史上最も遅い初雪[12]。1909年2月6日の記録を111年ぶりに更新する[13]
  • 2020年7月6日:令和2年7月豪雨
  • 2020年9月2日〜3日:台風9号
  • 2020年9月6日〜7日:台風10号
  • 2021年1月7日〜12日:寒波及び大雪。1月8日には大雪警報発表
  • 2021年3月12日:福岡市で観測開始以降最も早くサクラ開花[14]
  • 2021年8月11日〜17日:令和3年8月の大雨
  • 2022年6月28日:気象庁の速報値では1951年の統計開始以来最も早い梅雨明け[15] 宣言したが、同庁は同年9月1日、梅雨入り・梅雨明けの確定値を発表し、速報では6月28日だった九州北部の梅雨明けは7月22日に修正された[16]
  • 2022年9月18日〜19日:台風14号
  • 2023年3月22日:福岡市(25.2℃)、久留米市(25.6℃)、大牟田市(25.0℃)、八女市(25.3℃)の県内4地点で観測史上最も早い夏日となる[17]
  • 2023年7月7日〜10日:令和5年7月の大雨。久留米市田主丸町で土石流が発生し人的被害を受ける。
  • 2024年8月5日:久留米市で最高気温39.5℃を観測し、同じ久留米市で2018年8月13日に観測された福岡県内の観測史上最高気温に並ぶ[18]
  • 2024年8月27日:太宰府市で40日連続の猛暑日[19]。国内の最長記録を更新。
  • 2024年9月20日:太宰府市で気温が35℃に到達し本年62日目の猛暑日となる[20]。国内最多記録を更新。

地域区分と市町村

 
4地域区分

福岡県による 地域区分 では、以下の4つの地域に大きく分けられ、さらに15の圏域に区分されている。ただし、これは地域区分であり、都市圏による区分とは異なる。

また、県内には29市・11郡・29町・2村がある。市町村数60は全都道府県中北海道長野県埼玉県に次いで第4位[注釈 4]2010年(平成22年)2月1日現在)であり、同第29位の面積に比して多いといえる。

ただし、平成の大合併によって、2003年(平成15年)3月31日の時点では97あった市町村数が38%減少しており、特に筑後地域では、2005年(平成17年)2月4日までの26市町村から12市町までに減少している。

なお、「町」の読みは、遠賀町のみ「ちょう」、他はすべて「まち」。「村」の読みはすべて「むら」。

2010年(平成22年)と2015年(平成27年)の両国勢調査を比較すると、県全体としては30,903人の人口増となっているが、福岡市やその周辺の市町で人口が増加傾向にあるのに対し、それ以外の地域は概ね人口が減少傾向にある。

その他の区分

  • 郵便番号の先頭2桁の数字は、概ね福岡地域が「81」、北九州地域が「80」、筑後地域が「83」、筑豊および京築地域が「82」、築上郡東部が「87」(大分県に使われている番号)、県側の定義と一致しない地域も多い。
  • 市外局番は概ね福岡地域が「092」(但し、旧宗像郡の地域は「0940」)、北九州市周辺地域が「093」、京築北部地域が「0930」、豊前市および築上郡東部が「0979」(大分県中津市と同じ番号)、それ以外の地域(筑後・筑豊地区)が「094X」。これも県側の定義と一致しない地域も多い。
  • 気象情報上の区分では「福岡」「北九州」「筑後」「筑豊」の4地区で分けられる。ただし、朝倉市・朝倉郡は「筑後」に含まれる。二次細分区域では「北九州」は「北九州遠賀」「京築」に2分割され、「筑後」は「筑後北部」「筑後南部」に2分割されるため区分は6地区になる。
  • 自動車のナンバープレートに表示される運輸支局・自動車検査登録事務所名は「福岡」「北九州」「久留米」「筑豊」の4種類。このうち「久留米」には、筑後地域のほか朝倉市・朝倉郡も含まれる。

市町村旗・市町村章

すでに消滅した市町村

町村会

福岡県町村会
会長 - 美浦喜明(水巻町町長)
2009年に当時の会長だった山本文男(当時・添田町町長、全国町村会会長)による贈賄事件が発覚し(福岡県町村会汚職事件)、会長職に4期までの任期制限が規約で定められた。2023年に4機目の任期満了となった永原譲二(大任町町長、全国町村会副会長)会長が「理事会の同意を得た」として5期目の就任を図ったため、一部の町村長が反発[21]。2023年に約30年ぶりの会長選挙が行われ、美浦喜明が会長に選出された[22]
福岡県町村議会議長会
会長 - 畠田勝廣(添田町議会議長)

歴史

地名の由来

地名「福岡」の由来は、かつて筑前国域を治めていた黒田氏が築城した福岡城と言われている[23]。福岡城の由来は黒田氏ゆかりの備前福岡岡山県瀬戸内市)に因むという説が有名だが、ゆかりの地としては関係が希薄なため、福崎の丘陵地に築城したため福岡城としたという説もある。

古代

 
漢倭奴国王印
 
竹原古墳の石室に描かれた絵画
 
大宰府政庁跡

福岡県は中国大陸朝鮮半島に近いという地理的条件の影響を受け、古代より多くの交易または侵略の歴史に富んでいる。

福岡に最初に人が現れたのは旧石器時代後期であり[24]、その時代の遺跡としては福岡市の大原D遺跡、久留米市の野口遺跡などが上げられる。

縄文時代福岡平野の大部分が海底にあり、福岡県内の縄文遺跡の分布は山鹿貝塚など遠賀川流域[25] と糸島半島に集中している。

弥生時代には稲作が日本で最初に伝来した地といわれており、板付遺跡では環濠集落水田が発見された。九州に広く分布する甕棺墓は県内でも西半を中心に分布し、志登支石墓群金隈遺跡須玖岡本遺跡などで集団墓地が見つかった。弥生時代後期には、野方遺跡那珂遺跡群比恵遺跡群須玖遺跡群三雲・井原遺跡平塚川添遺跡などの大規模な集落遺跡が見つかっている。『魏志倭人伝』によれば現在の福岡市西区・糸島市の辺りに伊都国が存在し、現在の福岡市博多区の辺りに奴国が存在したと伝えられている。伊都国は三雲南小路遺跡が伊都国王の墓とされているほか、奴国については、江戸時代に志賀島の農民により金印が発見され、須玖岡本遺跡が国の中心部とされており、実在が確認されている。また『魏志倭人伝』に書かれている中国の皇帝から「親魏倭王」の金印を授かった女王卑弥呼が統治した邪馬台国も福岡県など北部九州に存在したとする説が唱えられているが、これについては近畿地方にあったとする説と真っ向から対立しており、いわゆる「邪馬台国論争」となっており現在も解明されていない(両説に含まれない他地域にあったとする研究者も少なからず存在する)。

古墳時代には、祇園山古墳那珂八幡古墳などの出現期古墳から、前方後円墳である光正寺古墳老司古墳田主丸大塚古墳、豊富な品々が出土した一貴山銚子塚古墳船原古墳終末期古墳である宮地嶽古墳など、多数の古墳が残る。福岡県内の古墳では、八女古墳群をはじめ石人石馬が分布するほか、王塚古墳五郎山古墳仙道古墳日岡古墳などの装飾古墳が分布する。527年継体天皇21年)、筑紫君磐井大和朝廷に反旗を翻したが、物部麁鹿火率いる朝廷の軍に鎮圧された(磐井の乱)。磐井の墓は八女市の岩戸山古墳とされており、周辺の前方後円墳と共に構成される八女古墳群は、複数の前方後円墳が集中する。

玄界灘に浮かぶ沖ノ島では、4世紀から9世紀にかけて祭祀が行われたことが発掘調査で明らかになっている。ペルシャガラスなどの出土した豊富な装飾品などから「海の正倉院」の異名を持ち、新原・奴山古墳群宗像大社などと共にユネスコ世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群」に登録された。

天智朝の初めごろ(660年代の初め)に、白村江の戦い(はくすきのえのたたかい)に敗れた大和朝廷は、新羅の連合軍が来襲するやも知れないとして九州の防備を固めるため、水城大野城怡土城古代山城高良山女山御所ヶ谷鹿毛馬などの神籠石式山城が築いた。また、西国の管轄のために大宰府が置かれた[26]。大宰府には大伴旅人などが大宰帥として赴任したほか、山上憶良も筑前守として赴任した。また、菅原道真が左遷されたことで有名で、大楠天満宮榎社、そして太宰府天満宮など、道真ゆかりの神社が残る。大宰府に近い博多湾岸には、外交や貿易の拠点として鴻臚館が置かれた。

日本の文献に記述される時代になると、筑紫国豊国があったようである。7世紀末に筑紫国は筑前国と筑後国に、豊国は豊前国豊後国に分割された。現在の福岡県の県域は律令制における筑前国・筑後国の全域と、豊前国の一部である。

中世

 
元寇防塁

中世には、「袖の湊」が設けられた博多が大規模な貿易港として栄えた。博多遺跡群(福岡市博多区)からは、中世に貿易でもたらされた陶磁器が大量に出土している。一方で大陸に近い場所に位置することから、の襲来を二度にわたって受けた(いわゆる元寇、蒙古襲来)。博多湾岸には現在も元寇防塁が残るほか、筥崎宮には亀山天皇による「敵国降伏」の扁額が残る。

近世

 
福岡城

関ヶ原の戦いの後、筑前国は黒田長政に、筑後国は田中吉政に、豊前国は細川忠興に与えられた。元和6年(1620年)に田中氏は吉政の子忠政が無嫡のまま死去したため改易され、新たに筑後国北部に有馬豊氏、南部に立花宗茂が入った。寛永9年(1632年)には、細川忠利肥後国熊本藩に転封されたため、小倉藩に小笠原忠真が入った。以降、幕末まで福岡藩(筑前国、黒田氏、52万3,000石)と久留米藩(筑後国北部、摂津有馬氏、21万石)、小倉藩(後に豊津藩。豊前国北部、小笠原氏、15万石)、柳河藩(筑後国南部、立花氏、10万9,000石)秋月藩(筑前国南部、秋月黒田氏、5万石)、小倉新田藩(後に千束藩。豊前国北部、小笠原氏、1万石)(三池藩(筑後国南部、立花氏→天領→立花氏、1万石)による藩政が行われた。

幕末には、福岡藩と小倉藩が台場を築いたほか、大鵬丸・蒼隼丸・環瀛丸・日華丸(福岡藩)、千歳丸晨風丸雄飛丸など(久留米藩)、飛龍丸(小倉藩)などの洋式帆船・蒸気船を購入し軍備を増強した。福岡藩で筑前勤王党(加藤司書月形洗蔵野村望東尼など)や平野国臣、久留米藩で真木保臣などの勤皇派が台頭したが、いずれも弾圧された。戊辰戦争では久留米藩と柳河藩が出兵しているほか、各藩の軍艦が出動している。

近現代

明治時代

 
官営八幡製鉄所

大正時代

昭和時代

 
住友忠隈炭鉱(飯塚市)のボタ山

平成時代

 
スペースワールド

令和時代

 
新元号「令和」に因み、太宰府展示館の前で開催されたイベントのテント
新型コロナウイルス関連
  • 緊急事態宣言発出など
    • 2020年(令和2年)
      • 3月28日〜29日 - 新型コロナウイルス感染の影響により、小川洋知事が県民に対し不要不急の外出自粛を要請する[51]
      • 4月7日 - 新型コロナウイルスの急速な感染拡大の事態を受けて、安倍晋三首相が福岡県など7都府県を対象に「緊急事態宣言」を発出する[52][53]
      • 5月4日 - 緊急事態宣言を対象地域を全国としたまま5月31日まで延長する[54][55]
      • 5月14日 - 全国に発令した緊急事態宣言に関し、福岡県を含む39県で解除となる[56][57]
      • 8月5日 - 新型コロナウイルス特別措置法に基づき、8月8日から8月21日まで感染症対策不十分な店に休業協力要請や県民に対して会食や飲み会制限する「福岡コロナ警報」を発動する[58]
      • 10月8日 - 「福岡コロナ警報」が解除される[59]
      • 12月12日 - 「福岡コロナ警報」再発動[60][61]
    • 2021年(令和3年)
      • 1月13日 - 「緊急事態宣言」(2回目)を福岡県を含む7府県に追加再発出する。期間は1月14日から2月7日まで[62]
      • 2月2日 - 緊急事態宣言を3月7日まで延長する[63]
      • 2月26日 - 福岡県を含む6府県において2月28日をもって緊急事態宣言が解除される[64]
      • 3月19日 - 不要不急の外出自粛、飲食店などの営業時間短縮の要請が3月21日をもって解除される[65]
      • 4月19日 - 福岡県は、福岡市全域の飲食店やカラオケ店を対象に営業時間を午後9時までに短縮するよう要請する。期間は4月22日から5月19日まで[66]
      • 4月22日 - 飲食店などを対象とした営業時間短縮要請の地域に久留米市を追加する。期間は4月25日から5月19日まで[67]
      • 5月3日 - 飲食店への営業時間短縮要請を全県域に拡大し、福岡市と久留米市では午後8時まで、そのほかの地域では同9時までの時短営業を依頼する。要請や依頼の期間は5月6日から5月19日まで[68]
      • 5月7日 - 「緊急事態宣言」(3回目)の対象地域に5月12日から福岡県を追加するとともに、5月31日まで延長する[69]
      • 5月28日 - 緊急事態宣言を6月20日まで延長する[70]
      • 6月17日 - 緊急事態宣言を6月20日をもって解除し、6月21日から福岡県を含む7都道府県を「まん延防止等重点措置」の対象とする。福岡県の対象地域は福岡市北九州市久留米市。期間は7月11日まで[71]
      • 7月8日 - 福岡県の「まん延防止等重点措置」を7月11日をもって終了する[72]
      • 7月28日 - 「福岡コロナ警報」発動[73]
      • 7月30日 - 福岡県に「まん延防止等重点措置」(2回目)を適用。対象地域は福岡市北九州市久留米市及び福岡地域(筑紫野市春日市大野城市宗像市太宰府市古賀市福津市朝倉市糸島市那珂川市糟屋郡朝倉郡)。期間は8月2日から8月31日まで[74]
      • 8月5日 - 「福岡コロナ特別警報」発動[75]
      • 8月17日 - 福岡県を含む7府県が「緊急事態宣言」(4回目)の対象地域に追加される。期間は8月20日から9月12日まで[76]
      • 9月9日 - 緊急事態宣言の期限を9月30日まで延長する[77]
      • 9月28日 - 「緊急事態宣言」を9月30日をもって解除する[78]。同時に「福岡コロナ特別警報」を解除し「福岡コロナ警報」に移行する[79]
      • 10月11日 - 「福岡コロナ警報」について10月14日をもって解除することを決定[80]
      • 12月26日 - 12月25日に新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染者が県内で初めて確認されたとを受け、県内5カ所で無料PCR抗原検査を実施する[81]
    • 2022年(令和4年)
      • 1月20日 - 「福岡コロナ警報」発動[82]。1月24日から2月20日まで県全域の飲食店に時短要請をする。
      • 1月25日 - 「まん延防止等重点措置」(3回目)の適用対象に福岡県を含む計18道府県を追加する[83]。措置区域は県内全市町村。期限は1月27日から2月20日まで。
      • 1月27日 - 「福岡コロナ特別警報」発動[84]
      • 2月18日 - 「まん延防止等重点措置」を3月6日まで延長する[85]
      • 3月4日 - 3月6日をもって「まん延防止等重点措置」の解除と同時に「福岡コロナ特別警報」から「福岡コロナ警報」に移行する[86]
      • 5月31日 - 「福岡コロナ警報」について6月1日から解除する[87]
      • 7月6日 - 「福岡コロナ警報」発動[88]
      • 7月21日 - 福岡県は新たに10,752人の新型コロナウイルス感染者を確認する。初めて新規感染者が1万人を超える[89]
      • 7月22日 - 「福岡コロナ特別警報」に引き上げる[90]
      • 9月13日 - 「福岡コロナ特別警報」を解除し、翌14日から「福岡コロナ警報」に移行する[91]
      • 10月5日 - 「福岡コロナ警報」解除[92]
      • 12月1日 - 「福岡オミクロン警報」発動[93]
    • 2023年
      • 2月13日 - 「福岡オミクロン警報」解除[94]
      • 5月8日 - 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが、季節性インフルエンザなどと同じ「5類感染症」に変更[95]

人口

昭和期には福岡市と北九州市の二極を中心に人口が分散していたが、平成以降は福岡市とその周辺地域の人口増が著しい一方で北九州市を含めたその他の地域は減少が進んでおり、一極集中の傾向が徐々に強まっている。

 
福岡県市町村人口増減率分布図(2005年度と2010年度国勢調査から算出)
 
福岡県と全国の年齢別人口分布(2005年) 福岡県の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 福岡県
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
福岡県(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 4,027,416人
1975年(昭和50年) 4,292,963人
1980年(昭和55年) 4,553,461人
1985年(昭和60年) 4,719,259人
1990年(平成2年) 4,811,050人
1995年(平成7年) 4,933,393人
2000年(平成12年) 5,015,699人
2005年(平成17年) 5,049,908人
2010年(平成22年) 5,071,968人
2015年(平成27年) 5,101,556人
2020年(令和2年) 5,135,214人
総務省統計局 国勢調査より

福岡県人口動態

2024年現在は微減で推移している。1960年(昭和35年)時点での人口は400万人を抱えており、これは東京都、大阪府、北海道、愛知県に次ぐ5位の規模であった。高度経済成長期は自然増加分を超える、当時の人口の1%に相当する年間4万人近い大幅な社会減少が続き人口は400万人を割り込むなど低迷した。1974年のオイルショック以降は三大都市圏への人口流失は収まり九州の中心としての地位も確立され、自然動態,社会動態共にプラスで人口増加が続いた。1999年に人口が500万人を突破してから微増が20年近く続いている。2000年以降は自然動態の悪化分を補うように社会増加が年々増えており人口増加率の落ち込みは見られず、社人研の将来推計人口においても福岡県の人口は上方修正されている。

表1. 国勢調査結果に基づく福岡県の人口推移
実施年 人口(人) 増減人口(人) 人口増減率(%) 国内増減率(%) 増加率全国順位
1960年 4,006,679 - - - -
1965年 3,964,611   42,068   1.05   5.20 26位
1970年 4,027,416   62,805   1.58   5.54 21位
1975年 4,292,963   265,547   6.59   7.92 17位
1980年 4,553,461   260,498   6.07   4.57 10位
1985年 4,719,259   165,798   3.64   3.40 13位
1990年 4,811,050   91,791   1.94   2.12 16位
1995年 4,933,393   122,343   2.54   1.58 13位
2000年 5,015,699   82,306   1.67   1.08 9位
2005年 5,049,968   34,269   0.68   0.66 9位
2010年 5,071,968   22,000   0.44   0.23 9位
2015年 5,101,556   29,588   0.58   0.75 6位
2020年 5,135,214   33,658   0.66   0.75 7位

政治

県政

県知事

組織

県議会

国政

裁判所

高等裁判所
地方裁判所・家庭裁判所
簡易裁判所

検察庁

高等検察庁
地方検察庁
  • 福岡地方検察庁
    • 飯塚支部
    • 直方支部
    • 久留米支部
    • 柳川支部
    • 大牟田支部
    • 八女支部
    • 小倉支部
    • 行橋支部
    • 田川支部

検察審査会

  • 福岡第一
  • 福岡第二
  • 飯塚
  • 久留米
  • 柳川
  • 小倉

法務局

  • 福岡法務局 - 西新出張所・粕屋出張所・福間出張所
    • 筑紫支局
    • 朝倉支局
    • 飯塚支局
    • 直方支局
    • 久留米支局 - うきは法務局証明サービスセンター
    • 柳川支局 - 大牟田法務局証明サービスセンター
    • 八女支局
    • 北九州支局 - 八幡出張所
    • 行橋支局
    • 田川支局

自衛隊

陸上自衛隊
防衛大臣直轄機関
航空自衛隊

経済・産業

証券取引所

日本銀行

福岡県に本店がある金融機関

経済団体

産業

福岡県の平成28年度の県内総生産は約19兆円で、全国8位[102]

第1次産業

農業

農業産出額では全国16位と、いわゆる農業県ではないが、種苗・苗木などの産出額が日本一であるほか、「博多とよのか」や「あまおう」ブランドに代表される、産出額全国2位の、同じく全国2位の小麦、同じく3位のなどが主要産品である。また、「ひのひかり」「夢つくし」「つくしろまん」などの県産も生産されている。「博多万能ねぎ」と呼ばれる小ねぎも県の特産品として全国的なブランドになっている。

水産業

北に玄界灘響灘、東に周防灘、南西に有明海があり、玄界灘・響灘では、イカヒラメフグなど、周防灘ではカレイ、ヒラメ、クルマエビ、ワタリガニやカキなどの貝類、有明海では海苔養殖が主力で、その他有明海特有の魚介類なども水揚げされている。

林業

2003年(平成15年)度現在、223,222haの森林面積があり、その58%が人工林、天然林は20.3%である。(出典:福岡県林政課「森林・林業白書」)

第2次産業

鉱業

筑豊地区に筑豊炭田が、粕屋地区糟屋炭田が、大牟田地区三池炭田があり、明治から昭和高度成長期のころまでこれらの炭田地域に炭鉱が数多く存在し、多くの石炭が採掘され活況を呈した。

しかし、1960年代に国内の主要エネルギーが石炭から石油へと転換すると炭鉱の閉山が相次ぎ、1970年代までに筑豊炭田と糟屋炭田の炭鉱はすべて閉山し、最後に残った三井三池炭鉱も1997年(平成9年)に閉山して福岡県内から炭鉱が消滅した。

筑豊東部の田川市船尾地区や香春町香春岳などで石灰石が採掘されている。

工業

工業都市北九州市では、官営製鐵所(現・日本製鉄八幡製鐵所)を中心に鉄鋼業・製造業が盛んになり、出光商会(現・出光興産)、戸畑鋳物(プロテリアル日産自動車の源流企業)や浅野小倉製鋼(現・日本製鉄八幡製鐵所小倉地区)など多くの企業や工場が集積し北九州工業地帯と呼ばれるまでに発展した。

その後、エネルギー資源の転換や、東アジアの素材産業への台頭により、産業構造の転換が求められてきている。現在でも北九州市にはTOTO安川電機などの大手製造メーカーの本社がある。

ブリヂストンの創業地である久留米市ゴム製品の製造が盛んで、他にもムーンスターアサヒコーポレーションと、ゴム加工品メーカーの工場が多く所在している。

かつて三池炭鉱で産出される石炭を背景に石炭化学工業が栄えた大牟田市には、三井化学を中心とした三井グループをはじめ、関東化学などの化学工業を中心とした工場があるほか、最近では環境リサイクル産業関連の工場が進出している。

筑豊地域では炭鉱が閉山したのち、工業団地を造成し工場の誘致を進めており、トヨタ自動車九州(宮若市)や麻生グループ(本社:飯塚市)の拠点がある。

福岡県では、愛知県に次ぐ自動車製造拠点にする構想を推進しており、現在日産自動車の子会社である日産自動車九州日産車体九州と、トヨタ自動車の子会社であるトヨタ自動車九州の3社が車両製造工場を操業している。

2005年(平成17年)には苅田町にトヨタ自動車九州のエンジン工場が操業を開始し、2008年(平成20年)には北九州市にトヨタ自動車九州の部品工場が操業開始したほか、久留米市にもダイハツ工業の子会社であるダイハツ九州のエンジン工場が進出した。

また、九州はシリコンアイランドと呼ばれるように多くの半導体製造工場があるが、行橋市や宮若市にもローム福岡や東芝LSIの工場がある。

建設業

中央資本の大手ゼネコンが主流だが、九電工(本社:福岡市)など、売上高2,000億円を超える企業もある。

その他、数多くの中小建設業者がおり、県内総生産では、約1兆円の規模である。

第3次産業

福岡県内における第3次産業が全産業に占めるシェアは80%と極めて高い。

商業

福岡県における商業は福岡市を中心に、九州沖縄全域に発展しており、九州・沖縄において福岡県の占める割合は、事業所数33.2%、従業者数37.9%、年間商品販売額51.9%であり、特に卸売業の年間商品販売額においては、約6割のシェアを占めている。小売業では福岡・天神など九州最大の商業集積地を有しており、近年の商業施設の充実や高速道路網の整備などもあって、福岡都市圏の消費マーケットは九州・山口全体を商圏とする規模にまで拡大している。また、都市部郊外にはショッピングセンターも増え、都心部との競争も激しくなっている。九州地域における福岡県の販売額は大きい。

金融業

福岡銀行西日本シティ銀行など福岡市に本店を置く地銀があり、ともに、九州全域に支店網がある。

福岡銀行は、ふくおかフィナンシャルグループ(本社:福岡市)に属しており、同グループの主要子会社は、他に、熊本銀行(旧:熊本ファミリー銀行)、十八親和銀行福岡中央銀行 がある。また、同グループは総資産で横浜銀行を抜き、地銀トップである。

西日本シティ銀行は、福岡銀行とほぼ同等の規模を保っており、子会社に長崎銀行福岡地所九州カード、九州リース がある。

また、2011年(平成23年)10月3日には九州内にある山口銀行の支店網を引き継ぐ形で、新しく北九州銀行(本店:北九州市)が山口フィナンシャルグループによって設立された。

その他、筑邦銀行(本店:久留米市)があり、信用金庫などは地域単位で存在する。中央銀行である日本銀行福岡支店は九州・沖縄8県の取りまとめも行っており、定期的に「九州短観」を発表している。

不動産業

キャナルシティ博多や、マリノアシティ福岡リバーウォーク北九州などの複合商業施設を手がける九州最大の(デベロッパー)である福岡地所(本社:福岡市)などの不動産会社が知られる。また、東京大阪など県外に本社がある業者も支社を多く置いており、オフィスや住宅の開発などを積極的に展開している。

サービス業

情報通信業では、ITソフトウェア関連のサービス業が伸びており、その多くが福岡市内に集積している。また最近では、自動車産業の北部九州への進出とは別に、ソフトウェアや設計を専門とする系列企業の福岡市への進出が進んでいる。すでに、トヨタ自動車、日産自動車、ダイハツの各関連企業の進出が決定しているが、福岡市への開設の理由として、情報網や交通網の充実に加え、九州大学など県内の工学系学生の大半が同市に集中していて、優秀な人材に恵まれていることが挙げられる。

現在、福岡県内では将来に向けて学術研究機能・産業機能の高度化を積極的に取り組んでおり、北九州学術研究都市や九州学術研究都市構想計画などがある。また、産官学連携による財団法人北九州産業学術推進機構や九州大学学術研究都市推進機構を設立し、北九州市若松区ひびきのや福岡市西区の伊都キャンパスを中心に、「知的クラスター」造りの構想があり、新産業の展開を目指している。

県内に拠点事業所のある主要企業

県内に本社を置く企業
北九州市門司区・若松区
北九州市小倉北区
北九州市小倉南区
福岡市南区
福岡市西区
県内に拠点を置く企業(上記を除く)
福岡地域
筑後地域
北九州地域
筑豊地域

県内を発祥の一つとする企業

  • ソフトバンク(福岡市博多区)
  • 日本製鉄(北九州市八幡東区)
    • 官営八幡製鐵所を起源とする
  • 出光興産(北九州市門司区)
  • ブリヂストン(久留米市)
  • チロルチョコ(田川市)
    • 「松尾製菓」を起源とし、2004年(平成16年)に企画・販売部門をチロルチョコ株式会社(本社は東京都千代田区)に分離した。現在も松尾製菓が製品を製造する。
  • 田辺三菱製薬(築上郡吉富町)
    • 「吉富製薬」を起源とする
  • プロテリアル(北九州市戸畑区)
    • 「戸畑鋳物」を起源とする
  • 若築建設(北九州市若松区)
  • 三井鉱山(大牟田市)
    • 官営三池炭鉱の払い下げを起源とする
  • タマホーム(筑後市)
    • 筑後市で創業された「筑後興産」の土木・建築・不動産事業を分社化して設立
  • ヤクルト
    • 1935年(昭和10年)、福岡市で代田保護菌研究所のもとに製造・販売を開始

生活・交通

警察

福岡県警察

海上保安庁

第七管区海上保安本部(北九州市門司区)

交通

空港

福岡空港は日本西部地域の拠点と位置づけられているが、需要が逼迫しているため、今後のあり方について検討が進められている。その避難先としても期待される北九州空港は国内でも数少ない24時間常時運用空港。いずれも国直営の第二種空港として指定されている重要な空港である。

鉄道

旅客輸送を行っている鉄道を記す。中心となる駅はJRは博多駅で、私鉄は西鉄福岡(天神)駅となる。駅一覧は各路線の項目を参照。

道路

道の駅

航路

重要港湾
旅客航路網

離島航路、同一市町村内の航路

  • 姪浜 - 能古島(福岡市港湾局)
  • 姪浜 - 小呂島(福岡市港湾局)
  • 博多 - 玄界島(福岡市港湾局)
  • 博多 - 海の中道 - 西戸崎 - 志賀島(福岡市港湾局)
  • 岐志 - 姫島(糸島市地域振興課)
  • 新宮 - 相島(新宮町産業課)
  • 神湊 - 地島(宗像市渡船課)
  • 神湊 - 大島(宗像市渡船課)
  • 若松 - 戸畑(北九州市渡船事業所) - 若戸渡船
  • 小倉 - 馬島 - 藍島(北九州市渡船事業所)
  • ももち - 海の中道(安田産業汽船

福岡県外への航路(長距離フェリー以外)

長距離フェリー

国際航路(韓国釜山広域市への航路)

バス

一般路線バスを運行する事業者を以下に記載する。運行市町村は各社の項目を参照。高速バスのみ、コミュニティバスなどの受託のみの運行事業者は除く

また、上記以外のものは下のリンクを参照。

県内バス輸送人員(年間)
  • 2012年 2億8061万3000人

東京、神奈川、大阪に次ぐ多くの利用がある[106]

医療・福祉

災害拠点病院
保育所

教育

大学

国立
公立
私立

短期大学

私立

通信制大学

私立

高等専門学校

国立

専修学校

特別支援学校

高等学校・中学校・小学校・幼稚園

以下の一覧記事を参照。

社会教育施設

マスメディア

通信社

共同・時事、ともに福岡市に支社を構え県内各地に支局などがある。

日刊新聞

ブロック紙
全国紙
地域紙

朝日・毎日は福岡都市圏周辺地域の販路拡大・取材拠点拡充などのため「福岡本部」も併設されている(朝日新聞は編集・製作などはここで行っているため、福岡市が実質的な本社化されている)。読売も元は北九州市にあったが、同様の理由でこちらは社屋を福岡市に移転し、北九州には総本部が設置された。西日本新聞は北九州都市圏での取材および営業機能強化などのため北九州支社を北九州本社に組織変更した。

産経新聞は西部本部(旧・九州・山口本部)(2009年(平成21年)4月発足。九州総局を兼務)が福岡市にある。2009年(平成21年)9月30日付までは締め切り時間の都合上、夕方18時締め切りの大阪本社発行の第6版を配送していたため大半の記事内容が1日遅れとなっていた。また、当時は販売店を持たないため、駅売りやコンビニエンスストアなどでの販売などはされておらず、西日本新聞(北九州地区を除く)と毎日新聞(北九州地区のみ)の販売店が委託販売だけをしていた。その後2009年(平成21年)10月1日付の紙面から毎日新聞西部本社の佐賀県鳥栖市の毎日新聞九州センター鳥栖印刷工場で産経新聞九州・山口特別版(紙面は東京本社版ベース)の委託印刷が行われ、駅・コンビニ売りの販売も始めた。

スポーツ紙

サンケイスポーツについては、産経新聞九州・山口特別版を創刊させた2009年(平成21年)10月1日以後も同本部自社による発行や現地印刷はしていないが、天神駅博多駅小倉駅ではお昼ごろから大阪本社発行版が売られている(中央競馬のみ西日本スポーツと提携して同じ内容を掲載していたが、2013年(平成25年)4月より中日スポーツと提携して同じ内容を掲載する事となった。)。また、夕刊紙夕刊フジも同様で大阪本社発行の早版=A版が午後4時ごろから博多駅・天神駅・小倉駅など一部ターミナルの即売として発売されている。またSANKEI EXPRESSフジサンケイ ビジネスアイについては九州では宅配・即売とも発売されていない。

九州スポーツは東京スポーツ系列であるが、夕刊紙としてではなく、朝刊紙として販売している。

日刊スポーツ西部本社は、読売西部本社に続いて、2007年(平成19年)に本社を北九州市から福岡市の朝日新聞福岡本部が入居するビルに移した。またスポーツニッポン西部本社も2010年(平成22年)に長らく本社を置いていた北九州市から福岡市の毎日新聞福岡本部が入居するビルに全面移転している。

またデイリースポーツも九州地区の発行拠点がないので、新聞販売店などでの宅配扱いは行われないが、近畿地方地域向けの新聞が福岡市・北九州市など一部ターミナルの即売として発売されている。

テレビ局

※KBC・RKB・FBSは佐賀県、TNCは山口県およびTVQは佐賀県と山口県、長崎県熊本県および大分県も取材対象地域としている。 ※デジタルテレビの親局送信所は福岡タワー。NHK北九州は皿倉山である。

ラジオ局

NHK-FMの福岡放送局・CROSS FMの親局送信所は福岡タワー、FM福岡の親局は福岡市の鴻巣山、LOVE FMの親局とRKB・KBCのFM補完放送のメイン中継局は那珂川市九千部山、NHK-FMの北九州放送局は皿倉山となっている。

ケーブルテレビ局

文化・スポーツ

方言

福岡県では地域によって使われる方言は様々である。

食文化

伝統工芸

経済産業大臣指定伝統的工芸品
伝統工芸品
  • 博多織(福岡市)
  • 博多人形(福岡市)
  • 博多鋏(福岡市)
  • 博多曲物(福岡市)
  • 博多張子(福岡市)
  • 博多独楽(福岡市)
  • 筑前博多矢(福岡市)
  • 筑前包丁(古賀市)
  • 博多ちゃんぽん(福岡市)

音楽

楽団

演奏会・ライブイベント・音楽フェスティバル・コンサート

スポーツ

プロスポーツ/全国リーグ参加チーム

野球・ソフトボール
サッカー
フットボール
バスケットボール・バレーボール・ハンドボール・卓球
その他

定期開催されるスポーツイベント

過去の実績

大会
チーム

公営競技

福岡県は、公営競技4種である競馬競輪競艇オートレースの全ての競技場が揃っている珍しい県でもある(ほかに4種揃っているのは埼玉県のみ)。

競艇選手養成所

スポーツ施設

陸上競技場

野球場

体育館

水泳競技場

球技場

その他

  • 足白ボルダリングセンター K-WALL(ケイ・ウォール)(嘉麻市)

観光

世界的遺産

文化財

有形文化財建造物

名所など

博物館・美術館など

テーマパーク・動植物園など

名勝・旧跡

名勝
国の特別史跡
その他

社寺

神社
寺院
教会

温泉

祭事・催事

対外関係

福岡県の友好提携地域は、以下の通り。

福岡県を舞台とした作品

福岡県出身の人物

脚注

注釈

  1. ^ 海上で隣接。
  2. ^ ここでは近畿・中国・四国・九州の総称とする。
  3. ^ 高速船で2時間55分。鹿児島市までの距離と同等で大阪より近い。現在福岡市は釜山市と超広域経済圏を形成する構想がある。
  4. ^ 特別区を含めた基礎自治体の総数では、東京都に次いで第5位である。
  5. ^ 2018年12月1日より無料化された。
  6. ^ 放送区域には熊本県荒尾市を含む。
  7. ^ 熊本県荒尾市に跨る。
  8. ^ 沖ノ島には一般人は立ち入ることができない。

出典

  1. ^ 福岡県庁ホームページ トップページ”. www.pref.fukuoka.lg.jp. 2022年1月21日閲覧。
  2. ^ 平成27年(2015年)国勢調査10月1日現在
  3. ^ 『いま日本で一番元気な街 福岡 最強の秘密』 洋泉社洋泉社MOOK〉、2019年4月25日、p.28、ISBN 978-4-8003-1653-0
  4. ^ GPCIとは”. 都市戦略研究所. 2024年4月20日閲覧。
  5. ^ Cities Rank Among the Top 100 Economic Powers in the World Chicago Council on Global Affairs 2016年10月28日閲覧。
  6. ^ 2020 Global Cities Index: New priorities for a new world AT Kearney 2020年公表
  7. ^ 九州地方の東西南北端点と重心の経度緯度 国土地理院 2013年3月19日閲覧
  8. ^ 市区町村の役所・役場及び東西南北端点の経度緯度(世界測地系) 国土地理院 2013年3月19日閲覧
  9. ^ 我が国の人口重心 -平成22年国勢調査結果から- 統計局 2013年3月19日閲覧
  10. ^ 天気のはなし 福岡管区気象台、2024年4月20日閲覧
  11. ^ 気象庁(2019年6月26日)
  12. ^ 季節現象観測状況 福岡管区気象台、2020年2月17日閲覧。
  13. ^ 福岡、大分市で「最遅」の初雪 西日本新聞(2020年2月17日)
  14. ^ 読売新聞(2021年3月12日)
  15. ^ 「梅雨明けに関するお知らせ」 福岡管区気象台、2022年6月28日
  16. ^ 「関東などの梅雨明けが1か月遅く修正 気象庁が過去にない大幅見直し」 ウェザーニュース、2022年9月1日、
  17. ^ ヨテミラ! 「久留米市25.6℃ 福岡市25.2℃ 県内4地点で“最早”夏日 季節外れの陽気」 2023年3月22日
  18. ^ 毎日新聞 「福岡・久留米で39.5度 県内観測史上最高タイ 猛暑続く見通し」 2024年8月5日
  19. ^ 西日本新聞me 「福岡県太宰府市の猛暑日、40日連続でストップ 28日は最高気温30℃下回る」 2024年8月28日
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関連項目

外部リンク

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