鞍手郡(くらてぐん)は、福岡県筑前国)の

福岡県鞍手郡の位置(1.小竹町 2.鞍手町 薄黄:後に他郡に編入された区域)

人口20,923人、面積49.88km²、人口密度419人/km²。(2024年11月1日、推計人口

以下の2町を含む。

郡域

1878年明治11年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記2町のほか、下記の区域にあたる[1]

歴史

郡名は欽明天皇の御代、筑紫国造が敵の騎馬兵を射抜くほどのの使い手であり、百済遠征での働きに対して贈られた「鞍橋君(くらじ-)」という尊称に由来するとされる。1970年代までは直方・宮若市域は筑豊炭田の産炭地として栄え、1976年まで炭鉱が存在した。

近世以降の沿革

  • 明治初年時点では全域が筑前福岡藩領であった。「旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点での村は以下の通り。(1町68村)
下大隈村、新延村、木月村、上木月村、古門村、植木村、小牧村、猪倉村、新北村、長谷村(はせむら)、八尋村、中山村、室木村、感田村、木屋瀬村、頓野村、上頓野村、野面村、笹田村、金剛村、上境村、中泉村、永満寺村、畑村、下境村、赤地村、御徳村、知古村、山部村、直方町[2]、原田村、長井鶴村、下新入村、上新入村、竜徳村、宮田村、金丸村、磯光村、上大隈村、鶴田村、本城村、南良津村、勝野村、新多村、新山崎村、脇田村、縁山畑村、金生村、福丸村、竹原村、下村、小伏村、湯原村、乙野村、山口村、沼口村、平村、高野村、稲光村、宮永村、黒丸村、水原村、上有木村、下有木村、四郎丸村、芹田村、倉久村、長谷村(ながたにむら)、犬鳴谷[3]

町村制以降の沿革

 
1.直方町 2.新入村 3.香井田村 4.宮田村 5.勝野村 6.福地村 7.下境村 8.頓野村 9.木屋瀬村 10.植木村 11.剣村 12.古月村 13.西川村 14.笠松村 15.山口村 16.中村 17.若宮村 18.日吉村 19.吉川村(紫:北九州市 桃:直方市 赤:宮若市 青:小竹町 橙:鞍手町)
  • 明治22年(1889年4月1日 - 町村制の施行により、以下の町村が発足。(1町18村)
    • 直方町 ← 直方町、山部村(現・直方市)
    • 新入村 ← 上新入村、下新入村、知古村(現・直方市)
    • 香井田村 ← 本城村、竜徳村、鶴田村(現・宮若市)
    • 宮田村 ← 長井鶴村、宮田村、上大隈村、磯光村(現・宮若市)
    • 勝野村 ← 南良津村、新山崎村、新多村、勝野村、赤地村、御徳村(現・小竹町)
    • 福地村 ← 上境村、永満寺村、畑村、中泉村、田川郡市場村[一部](現・直方市)
    • 下境村(単独村制。現・直方市)
    • 頓野村 ← 頓野村、上頓野村、感田村(現・直方市)
    • 木屋瀬村 ← 木屋瀬村、野面村、笹田村、金剛村(現・北九州市)
    • 植木村(単独村制。現・直方市)
    • 剣村 ← 猪倉村、小牧村、中山村(現・鞍手町)
    • 古月村 ← 上木月村、古門村、木月村(現・鞍手町)
    • 西川村 ← 新北村、八尋村、長谷村[はせむら][4]、室木村、長谷村[ながたにむら][5]、新延村(現・鞍手町)
    • 笠松村 ← 四郎丸村、倉久村、上有木村、下有木村、芹田村(現・宮若市)
    • 山口村 ← 山口村、沼口村(現・宮若市)
    • 中村 ← 平村、宮永村、黒丸村、稲光村、高野村、竹原村(現・宮若市)
    • 若宮村 ← 金生村、原田村、福丸村、水原村、金丸村(現・宮若市)
    • 日吉村 ← 下村、湯原村、三ヶ畑村(現・宮若市)
    • 吉川村 ← 脇田村、犬鳴谷、縁山畑村、小伏村、乙野村(現・宮若市)
    • 下大隈村が遠賀郡底井野村の一部となる。
  • 明治29年(1896年7月1日 - 郡制を施行。
  • 明治31年(1898年9月2日 - 木屋瀬村が町制施行して木屋瀬町となる。(2町17村)
  • 明治33年(1900年3月14日 - 植木村が町制施行して植木町となる。(3町16村)
  • 明治41年(1908年12月15日 - 日吉村・吉川村が合併し、改めて吉川村が発足。(3町15村)
  • 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
  • 大正15年(1926年)4月1日 - 宮田村が町制施行して宮田町となる。(4町14村)
  • 大正15年(1926年)7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
  • 大正15年(1926年11月1日 - 直方町・新入村・福地村・頓野村・下境村が合併し、改めて直方町が発足。(4町10村)
  • 昭和2年(1927年)4月1日 - 香井田村が宮田町に編入。(4町9村)
  • 昭和3年(1928年1月1日 - 勝野村が町制施行・改称して小竹町となる。(5町8村)
  • 昭和6年(1931年)1月1日 - 直方町が市制施行して直方市となり、郡より離脱。(4町8村)
  • 昭和18年(1943年2月11日 - 若宮村が町制施行して若宮町となる。(5町7村)
  • 昭和26年(1951年)4月1日 - 若宮町・中村・山口村が合併し、改めて若宮町が発足。(5町5村)
  • 昭和27年(1952年8月1日 - 剣村が町制施行して剣町となる。(6町4村)
  • 昭和30年(1955年)1月1日 - 剣町・西川村・古月村が合併して鞍手町が発足。(6町2村)
  • 昭和30年(1955年3月31日(5町)
    • 植木町が直方市に編入。
    • 宮田町および笠松村の大部分(上有木の一部を除く)が合併し、改めて宮田町が発足。
    • 若宮町・吉川村および笠松村の一部(上有木の一部)が合併し、改めて若宮町が発足。
  • 昭和30年(1955年)4月1日 - 木屋瀬町が八幡市に編入。(4町)
  • 平成18年(2006年)2月11日 - 宮田町・若宮町が合併して宮若市が発足し、郡より離脱。(2町)

変遷表

自治体の変遷
明治22年以前 明治22年4月1日 明治22年 - 大正15年 昭和1年 - 昭和19年 昭和20年 - 昭和29年 昭和30年 - 昭和63年 平成1年 - 現在 現在
直方町 大正15年11月1日
直方町
昭和6年1月1日
市制
直方市 直方市 直方市 直方市
福地村
新入村
頓野村
下境村
植木村 明治33年3月14日
町制
植木町 植木町 昭和30年3月31日
直方市に編入
宮田村 大正15年4月1日
町制
宮田町 宮田町 昭和30年3月31日
宮田町
平成18年2月11日
宮若市
宮若市
香井田村 香井田村 昭和2年4月1日
宮田町に編入
笠松村 笠松村 笠松村 笠松村 昭和30年3月31日
宮田町
(下有木・倉久・四郎丸
芹田・上有木の一部)
昭和30年3月31日
若宮町
(上有木の一部)
若宮村 若宮村 昭和18年2月11日
町制
昭和26年4月1日
若宮町
昭和30年3月31日
若宮町
山口村 山口村 山口村
中村 中村 中村
吉川村 明治41年12月15日
吉川村
吉川村 吉川村
日吉村
勝野村 勝野村 昭和3年1月1日
町制改称
小竹町
小竹町 小竹町 小竹町 小竹町
剣村 剣村 剣村 昭和27年8月1日
町制
昭和30年1月1日
鞍手町
鞍手町 鞍手町
西川村 西川村 西川村 西川村
古月村 古月村 古月村 古月村
木屋瀬村 明治31年9月2日
町制
木屋瀬町 木屋瀬町 昭和30年4月1日
八幡市に編入
昭和38年2月10日
北九州市の一部
北九州市 北九州市

行政

歴代郡長
氏名 就任年月日 退任年月日 備考
1 明治11年(1878年)11月1日
大正15年(1926年)6月30日 郡役所廃止により、廃官
郡長を務めた主な人物

脚注

  1. ^ 住居表示実施地域の境界は不詳。
  2. ^ 記載は直方村。
  3. ^ 記載なし。
  4. ^ 現・鞍手町長谷。
  5. ^ 現・鞍手町永谷。

参考文献

  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 40 福岡県、角川書店、1988年2月1日。ISBN 4040014006 
  • 旧高旧領取調帳データベース

関連項目