井出草平の研究ノート

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

カリフォルニア州で検討されている子どものSNS依存症予防を名目に検閲(Editorial Judgment)が可能な法案AB-2408の全文翻訳

現時点での全文翻訳である。 この法律は司法委員会を通過している。法律として成立するには上院歳出委員会とカリフォルニア州上院を通過する必要がある。提出は先のエントリ(参照)で書いたように共和党のカニングハム議員である。カルフォルニア州では上下院…

傾向スコアによる重み付けを行うPSweightパッケージの概要説明[R]

cran.r-project.org こちらの3章の翻訳。 https://cran.r-project.org/web/packages/PSweight/vignettes/vignette.pdf 3.パッケージの概要 PSweightパッケージには、観察研究のデザインと分析に特化した2つのモジュールが含まれている。 デザインモジュール…

カリフォルニア州で子どものSNS依存症予防を名目に検閲(Editorial Judgment)が可能な法案が通過するかもしれない

最近、問題になっているカリフォルニア州の法案修正版AB2408について。 leginfo.legislature.ca.gov 依存症を引き起こすなど問題があるとしてソーシャルメディア企業に対して損害賠償請求ができるというものである。修正案は、保護者が訴訟を行うのではなく…

順序ロジスティック回帰分析をStata、Mplus、Rで行う[Stata][Mplus][R]

この更新は更新されています。 ides.hatenablog.com brant検定がうまくいかないデータで走らせたかったので、Richard WilliamsのGologit2で使用されているデータを使用した。 解析例は下記のPDF内にあるものと基本的に同じである。 https://www.stata.com/me…

順序ロジスティック回帰[Stata]

Stataでの順序ロジスティック回帰分析の方法について。 stats.oarc.ucla.edu 順序ロジスティック回帰 順序付きロジスティック回帰の例 例 1: マーケティング・リサーチ会社が、人々がファーストフード・チェーンで注文するソーダのサイズ(S、M、L、特大)に…

RStudio上のRを使う感覚でStataが利用できるパッケージ Statamarkdown[R][Stata]

RStudio上のRを使う感覚でStataが利用できるパッケージである。 www.ssc.wisc.edu はてなブログではチャンクオプションが表示できないため、原版と見比べながら学習してほしい。 Statamarkdown by Doug Hemken 2022-03-02 1 StataとR Markdown 1.1 はじめに …

RStanのインストールに関するメモ(2022年7月)[R]

2022年7月現在の、RにStanをインストールする手順を記載する。 現在の注意点はRStanはR4.2に対応していない、ということである。最新バージョンのRとRtoolsではRStanは動かないことに注意が必要である。 なお、Windowsでの方法であり、Macでは試していないの…

尤度に基づいた検定、IC指標の比較

Nylund、Asparouhov、Muthénの論文からnaive chi-square(NCS)、Lo–Mendell–Rubin、bootstrap likelihood ratio testの比較をした論文の結論部分。BLRTの優位性が示された論文として見かけることがあるが、あくまでもデータ次第であることが指摘されてことが…

相関係数の高い説明変数があれば多重共線性を考慮して片方を除くべき?

SPSSによる多変量解析オーム社Amazon 重回帰分析はとても分かりやすく有効な分析法だが、説明変数間の相関が高すぎる場合は、 パラメータの推定が不安定になるという問題点がある。 これは、説明変数間にすでに別の線型回帰関係が含まれているということであ…

多重共線性のシミュレーション

下記エントリーの続き。 ides.hatenablog.com こちらの教科書から多重共線性について Statistical Rethinking: A Bayesian Course with Examples in R and STAN (Chapman & Hall/CRC Texts in Statistical Science)作者:McElreath, RichardChapman and Hall/…

多重共線性の根本的な問題はモデルが答えようとする問題の方にありモデルそのものにはない

多重共線性があるかどうかを調べるのにVIFの値を出して4以下/10以下ならOKといった運用をしがちだが、この運用には問題がある。 第一にVIFの値で機械的にカットオフを設けることに問題があること、第二に多重共線性をモデルに求めているという根本的な誤りが…