WQHD 10.1インチ液晶キット (2560x1600)
WQHD(2560x1600)解像度の10.1インチ液晶キットです。
IPS液晶・HDMI入力x2仕様になっています。
部品処分目的に若干数、9月中旬に出す予定です。
外見は以前制作した13.3インチ & 15.6インチに近い設計です。
13.3インチに使用した映像基盤と同じのため、部品性能はほぼ同じです。
IGZO WQHD IPS 2.5k 13.3インチ液晶キット
4k 15.6インチ液晶ケースキット v3
経緯
- 誤発注やらかして部品が増えた。
- 部品処分のためケースを製作。
- 優先度低め、余力ある時に進めていた。(リハビリ)
元を正せば2017年に入手した、10.1インチ版タッチパネル製作用の部品です。その後、タッチパネル製作は中止。検証用部品(1台分)しか保有してないので、部品は捨ておけば良いかと思ったのですが、ほぼ同じ基盤を使っている13.3インチ用を発注した際、10.1インチ用を誤って発注。部品が増えてしまったことで、処分のために作ることになりました。(2回ほど誤発注した)
基本設計は2017年末時点で出来ていたのですが、その先の作業負担が大きくなるのと、10台未満のために優先するのも割に合わないので、気が向いた時・余力のある時に進めていました。2020年の時点に出すことをお伝えしていたのですが、遅れてしまい申し訳ないです。
概要
- 汚れが目立ちにくいマットクリアアクリル
- 背面部クリア差し替えパーツを同梱
- フロントパネルはハードコート
- 映像基盤は以前の13.3インチ液晶と同じ
背面放熱スリット、端子カバー、三脚マウントはこれまで通り。サイズの成約のためVesaは無しです。以前の13.3インチ & 15.6インチに近い設計です。共通する(近い)部分はそれぞれを参照してください。
各部品について
外装
汚れにくいクリアマット仕様。フロントパネルは傷の付きにくいハードコート仕様になっています。
ユニット部クリア交換パーツ
背面ユニット部・交換用のクリアアクリル部品を同梱します。より部品が見える透過スタイルになります。ただし基盤放熱用スリットを設けてありません。スリットはマットクリアのみになります。
クリアは本来同梱する予定は無かったのですが、マットクリアは見栄えしなくて面白くないのと、少数かつ今後作らないのもあって同梱することにしました。
Panasonic / VVX10T025J00
2560×1600 / IPS / 60Hz
特筆すべき所は何もない、ごく普通のIPS液晶です。
映像基盤
ロットの違いでバックライト制御の有無があります。
画像左側、青い基盤の物がバックライト制御が可能。右側は不可で、明暗はコントラスト制御のみです。この辺りの違いは13.3インチの時にも記しましたので、13.3インチの記事を参照してください。
DCコネクタは外径3.4mmプラグ対応となっているので、外径5.5mm変換プラグを同梱します。
スイッチ基盤の色は共通です。
スイッチ基盤
スイッチ基盤はキャップを介して操作できるようになっています。クリア色の部品を使って、ケース外観に合わせてあります。
スイッチケーブル
美観を損ねないよう、スイッチケーブルは形状を整えてあります。ケーブル接着 & ホルダー部品を通して形状を制限してあります。また設置時、EDPケーブルと交差する箇所で干渉して崩れないよう、ホルダー部品で交差位置を固定・制限してあります。
15.6インチの時と同様ですが、このケーブルは作業途中のやり直しが効かない作業になるのでやりたくなかった。更に今回はホルダーに通してから端子圧着する必要もあって、負担が増えた。これも数を作れば慣れるとは思うけど…少数製作かつレイアウト的にこれしか納得できる方法が無かったので仕方なし。
組み立て
組み立てに必要な工具
- 六角ドライバー、もしくはレンチ 2mm
- プラスドライバー No0 / No,1 / No,2
- シリコンゴム製 ブロワー
作業中、液晶にホコリが付くことがあります。手で払うと汚れが付くので、ホコリ除去用にシリコンブロワーを用意しておくと便利です。シリコン製ブロワーだと劣化時の粉が出ないのため扱いやすいと思います。
組立時の注意
お決まりのことですが、注意事項です。
- 安定した場所で分解・組み立ててを行ってください。
- 準備を整えてから、焦らず落ち着いて作業をしてください。
- 部品の取扱に注意してください。強く押したり引っ張ると破損する可能性があります。
- 完成品含めて、自己管理の上で使用してください。
- 液晶やケーブルに貼り付けてあるシールドやカバーは剥がさないでください。
- 説明画像は状況を確認しやすいよう、保護紙を付けた状態で撮影しています。
- アクリルに貼ってある保護紙を剥がした上で、組み立てを行ってください。
- 保護紙を貼ったまま組み立てると、構造強度や放熱に支障が出て破損・損傷する可能性があります。
組み立て手順
発送時点では、ケース部品に一部の基盤類をセット(内包)した状態で梱包してあります。まずは各所ネジを外しつつ、仮組み状態から分解して各部品を取り出してください。組み立てに必要なネジ種は、アクリル上の保護紙に書き込んであります。
レイヤー数(部品の積み重ね順)は画面正面側からみて、L1-L6まであります。フロントパネルパーツがL1、液晶がL2、映像基盤がL4、ユニット部最背面がL7となります。
仮組みを解いた後、フレームレイヤー部品と液晶とのクリアランスを調整します。液晶を内包するフレームレイヤー部品の内側は、液晶外形よりもやや小さめのサイズになっています。そのままでは液晶が収まらないため、ヤスリなどでアクリル側を削って、液晶が収まるようにサイズを調整してください。
フロントパネルのL1を下向きに置いて、その上に液晶面を伏せた状態で、フレームレイヤーL2と液晶をセットします。
L3レイヤーを用意してセットします。
L4レイヤーを用意してセットします。
映像基盤を用意して、M2ネジで仮固定します。後で基盤の位置調整が必要になるので、強く締結せず仮固定に留めておきます。
また、この後でEDPケーブル折り込み作業を行うため、作業をしやすくなるようケース側も仮固定します。L1からL4までの部品の側面部をマスキングテープなどで固定します。
ここからEDPケーブルの折り込みを行います。折る箇所は3箇所。ケース形状に合わせつつ、ケースに触れないように折り込みを行います。
※ケーブルを折る都度、ケーブルの折り位置の調整が必要になります。レンチなどの軸にケーブルを巻き付け、巻き取るように折り位置をずらしてゆくと、細かい長さの調整がしやすいと思います。
※ケーブルを折り込む際は取り外した状態で折り込みを行ってください。液晶や基盤に接続したまま折り込むと、コネクタが損傷する恐れがあります。
EDPケーブル用意して液晶側に接続します。
ケーブル途中で角度45度方向に向けるため、マスキングテープで折り位置の目印を付けておきます。位置の目安としては、ケーブルを通すケース内周の下側ラインにつけておきます。
※まずは緩い状態で試しに折ってみて、位置を確認・調整しながら折り位置を決めてください。またケーブルを液晶に接続したままだと、コネクタが損傷する恐れがあるので、取り外した状態で折り込みを行ってください。
一旦EDPケーブルを液晶側から取り外した後、マスキングテープを目印に角度45度方向へ折り込みをます。上記した調整方法を元に、ケースに干渉しない位置を調整しつつ、折り込んでください。
折り位置の形状は、ケースに干渉せず、ケーブルの折った先が『映像基盤側のEDP接続コネクタ』の直上にくるのが理想です。
映像基盤側にEDPケーブルを接続して、目印を付けます。この時点で液晶側へのケーブル接続はしません。
目印の設置位置はEDPケーブルが伸びる方向にぶつかる『ケース内周側ライン』に合わせてつけておきます。
EDPケーブルを折る角度方向は、EDPケーブルの下に向けて重なる方向(ターン方向)となります。折った先の一部がケーブル長の余った部分となり、余剰分は目立たないようにEDPケーブルの下に潜らせる形で配置させます。
1回目の折り込みと同様に、EDPケーブルを再び取り外した後、折り位置の目印を目安に折り込みをします。ケースとの干渉に気をつけつつ、ケーブルを折り込み調整してください。
2回目の折り込み後、液晶と映像基盤の両方にEDPケーブルを接続して、最後の折り込みを行います。
これまでの折り込みに合わせて形を作り、余った部分をEDPケーブルの下に敷くように配置します。
ケーブル同士が重なる位置を調整をしつつ、位置が定まったらケーブルの上から軽く押さえこむようにして、折り癖の目印を付けます。再度取り外して位置調整を行いつつ、折り込み形状が決まったら液晶と基盤に接続をして、折り込みの完了です。
スイッチ基盤をセットする前に、スイッチへ透明キャップ部品を被せます。
キャップを付けたスイッチ基盤をセットして、M2ネジで固定します。
スイッチケーブルを用意して、映像基盤とスイッチ基盤に接続します。
スイッチケーブル途中にあるホルダーを、L3レイヤーにある固定穴に設置しつつ、セットしてください。
ケーブル強く引っ張ったり曲げると、ケーブルが破損・分解する可能性があります。ケーブル同士をまとめるために塗ってある接着剤が取れる可能性があります。取り扱いに注意してください。
L4を用意してセットします。
L5を用意してセットします。
L6と三脚用ナット、コネクタカバー用の基板垂直取付スペーサーを用意します。L6をットした後、三脚用ナットと基板垂直取付スペーサーをセットします。
L6がスイッチに干渉しないよう、セットしてください。スイッチが干渉してしまう場合は、基盤側の位置を再調整してください。
基板垂直取付スペーサーはネジ穴の位置に注意して配置してください。
L7を用意してセットしてから、ボルト締結をします。背面分を締結してから、前面分を締結します。レイヤーごとの配置ズレが出やすいので、仮固定した各レイヤーとの位置を整えてから、最終締結をしてください。
最後にコネクタカバーを側面側からM3サラボルトで締結して、完了です。
お疲れ様でした。
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