Android / 3D

DP Alt HUBの検証 2021(RedMagic6 & Xperia1)

dpalt2021-001.jpg
画像は溜まったDP Alt関連機材。

RedMagic 6について前回の続き。

4k@60Hzや@144Hzなどで接続を行う方法 & 注意点。
もっぱら相性や制限の話なんだけど。

今回も試した結果を、参考に記しておきます。
試す人が増えて欲しいので。

前置き (USB-C to DP ALTハブ)

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DP Alt (Displayport Alternate Mode)

USB-Cから映像出力を得るには、DP Alt対応機種である必要があります。

DP Altに対応していても使用する機器によっては相性が発生します。出力そのものが出来なかったり、出力できても解像度・リフレッシュレートの制限が掛かることがあります。この辺りはメーカーに聞いてもわからないし、調べても情報が無いところです。(なので検証してる)


USB-C to DP Alt ハブが必要な理由

映像出力 & USB接続 & 給電を同時に行うためです。据え置きとして使うには、この3つが使えないと話になりません。ポート(コネクタ)が1つしかないスマホにおいては、ハブ接続しないといずれか1つの機能しか利用できません。

ハブに求める条件は以下3点。
  1. HDMI2.0 or DP1.2以上の接続
  2. USB2.0 or 3.0接続
  3. USB PD給電


相性問題

検証する理由。
問題を上げると以下3点です。

1.
端末とUSB-C to DP Alt ハブの組み合わせによっては、映像出力が出来ない。

2.
大半の機種は映像出力先に対して、解像度とリフレッシュレートを指定して接続することが出来ない。半端な解像度で接続されることがある。(Nvidia Shieldなど、ごく一部を除いて) これはEDIDエミュレーターを挟めばある程度指定できる。

3.
映像、USB、給電入力を同時に行えないハブがある。


使用した機材

検証に使った機材。

端末側
  • RedMagic 6
  • Xperia 1

モニター側
  • TOSHIBA REGZA 50M520X (HDMI / 4k@60Hz)
  • 試作品27インチ タッチパネル ( HDMI & DP / 2560x1440@144Hz & 4k@60Hz)


USB-C to DP Alt ハブ

検証結果

HDMI to USB-C / Vsadey

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RedMagic 6
REGZA 50M520X … 3840x2160@60hzで接続
試作品27インチ … 1920x1080@120Hzで接続 (4k@60Hzも一応ok)

Xperia 1
REGZA 50M520X … 3840x2160@60hzで接続
試作品27インチ … 1920x1080@90Hzで接続 (4k@60Hzも一応ok)



HDMI出力用。
REGZA 50M520Xに対しては4k@60Hzで接続してくれる。どちらのスマホでもできた。

試作品27インチに対しては、2kに落とされてリフレッシュレートやや高めで入った。RedMagic6とXperia 1ではリフレッシュレートが違う。どちらも肝心の2560x1440@144Hzで入ってくれない。

アフィ無し


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試作27インチに対して4kでも入らなかったものの、分配器兼EDIDエミュレーター挟めば4k@60Hzでの接続は出来た。

この機種は凄く熱を持つので別の使ったほうが良いかも。基盤とケースの間に放熱シートを挟み込んでケースで放熱しやすくしてみたけど、それでも熱い。長時間使いたくない。

アフィ無し
アフィ有り

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DisplayPort to USB-C / Xiaomi

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RedMagic 6
試作品27インチ … 2560x1440@144Hzで接続

Xperia 1
試作品27インチ … 出力不可

DisplayPort出力用。
RedMagic 6 & 試作品27インチで2560x1440@144Hzで入ってくれた。
Xperia 1だと全く出力が出来ない。

国内で入手できない。輸入するしかない。

アフィ無し
アフィ有り



DisplayPort to USB-C / Cable Matters

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RedMagic 6
試作品27インチ … 出力不可

Xperia 1
試作品27インチ … 640x480@60Hzで接続

DisplayPort出力用。
ThundrBolt対応ではあるけど『Samsung Galaxy対応』となっているのでDP Alt対応と見て試しに買ってみた。Xperia 1で出力できたのでDP Altには一応対応してるっぽい。640x480@60Hzで実質つかえないけど。USB4が出るまで塩漬け確定。

アフィ無し
アフィ有り



HDMI to USB-C / 以前使っていたヤツ

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RedMagic 6とXperia 1どちらも使用不可能。
映像出力が全く出来ない。なぜよ。

外部映像出力時の解像度とリフレッシュレート

ここからRedMagic6の設定周りの話。
映像出力先に対してリフレッシュレートの操作は出来ませんが、フレームレート制限は操作できます。

RedMagic6にはリフレッシュレート変更する機能があります。この反映は端末上OLED表示に限られており、外部映像出力先のモニターのリフレッシュレートは変更出来ません。一方で描画するフレームレートに影響は与えるので制限は出来ます。プロセカやD4DJ、スクスタなどは、映像出力先でも60fpsより上の描画や、負荷に応じて制限を掛けることが可能です。


くどいけど誤解を招きそうなので、DP Altの話から貫いて具体的に記すと…。
(外部映像出力先にもリフレッシュレート指定できると思われそうなので)

解像度とリフレッシュレートはEDIDのネゴシエーション次第です。RedMagic6のリフレッシュレート変更設定では、接続先のリフレッシュレートは指定・操作できません。端末上OLED表示しか操作できません。出力先のリフレッシュレートを指定したい場合はEDIDエミュレーターを使うか、相性の良いモニターとハブ使って良い組み合わせを見つける必要があります。これが今回の検証の話。

リフレッシュレート変更する機能は、アプリで描画されるフレームレートの制限に影響を与えます。出力先に@144Hzなどで接続していれば、映像出力先でも60fps以上で表示することが出来ます。負荷が軽ければ60fps以上に設定したり、負荷が高すぎる場合や不具合がある場合には60fpsに制限するなどフレキシブルに運用できます。これが機能を利用する趣旨。

ただしフレームレート操作についても制限があります。2560x1440@60Hzでモニターに接続している場合、60fps以上に上げることはできません。接続先のリフレッシュレート以上にはフレームレートはあがりません。またアプリによってはフレームレートの制限があります。これが前回の検証した理由。

つまるところ。映像出力先のリフレッシュレートに伴った範囲内で、条件次第ではフレームレートの操作が出来る。リフレッシュレート高めのモニターを利用する価値もあるし、運用する手段が得られた。ということです。

Android-x86やNvidia Shieldみたいに、PCのような接続先への解像度・リフレッシュレート指定が出来ればこんな面倒なこと無くて済むんですけどね。


リフレッシュレート・フレームレート制限

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リフレッシュレート変更そのものは[ディスプレイ] [画面のリフレッシュレートを表示する]から変更出来ます。
60Hz ・ 90Hz ・ 120Hz ・ 165Hzから選択可能。



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リフレッシュレート制限が無いアプリでも制限が掛かる時があります。これは開発者オプションの『画面ロックのリフレッシュレート』をONにすれば、制限以上の表示ができます。プロセカやD4DJだと90-120Hz辺りで制限が掛かります。

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リフレッシュレート(fps)制限ついては[フレームレート表示]で計測できます。ゲーミング機能、ゲーミングスイッチを入れた状態で利用できる設定項目内にあります。

後述するデスクトップモード時に、なぜかフレームレート表示が出っぱなしになる時があるので、映像外部出力中でもフレームレートを観測出来たりする。表示できるのは不具合っぽいので手順は自分でもよくわかってない。けど、検証するのに重宝してる。

デスクトップモードとクローンモード

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デスクトップモードにしないとアプリを全画面表示できない。
映像出力時の表示方法は、デスクトップモードとクローンモードがある。

切り替えの設定は[開発者オプション] [デスクトップモードに強制的に切り替え]で変更できる。デスクトップモード時、アプリによっては解像度・アスペクト比表示がおかしい時があるが、[アクティビティサイズ変更を可能にする]をONにすれば画面にフィットする。


1.
デスクトップモード
ほぼ全画面表示・拡張画面表示。解像度は表示先の解像度一杯まであがる。(4k表示可能) ウィンドウ上部のタイトルバー分の表示があるため『完全な全画面表示』は今の所できない。


2.
クローンモード
スマホ画面と同じ画面を表示する。OLED画面解像度と同じ2400x1080出力かつスケーリング表示になる。4k接続すると2400x1080から拡大された表示になるので画質が荒い。


デスクトップモード時の補足としては、アプリは起動時はウィンドウ(小画面)になる。全画面にするには上部のタスクバーの『全画面表示』アイコンを押せばok。デレステなどは起動直後に解像度・アスペクト比判定があるので、アプリ起動直後に全画面化する必要がある。間に合わないと解像度・アスペクト比が合わなくなる。

不具合

デスクトップモードでたまにランチャー表示が消失することある。ゲームスペーススイッチをon/offするとランチャーが復帰することが多い。すっかりランチャー表示を復帰させるスイッチになってる。

たまにCPUとGPUクロックが上がらなくなる時がある。再起動すれば治る。

アプリによってはデスクトップモードで動作しないものがある。その場合はクローンモードで起動するしかない。アイプラとガルパ動かないのなんとかして欲しい。

DP Alt接続中の音声出力

外部映像出力中、RedMagic6本体のヘッドフォンジャックからの音声は利用できません。映像出力先にもってかれます。スイッチャー系アプリを利用すればヘッドフォン側に音声を出力できるようになります。

Audio Switcherが利用できたのですが…現在非公開になってるみたいです。レッサーはAndroid 11にまだ対応してない。
Audio Switcher

レッサー音声切り替え

USBオーディオデバイスを接続すれば、優先出力してくれる。当面はUSBオーディオデバイス繋いで使った方が良さそう。


そのほか

Xperia 1においても、デスクトップモード・クローンモードは似たような感じです。難点はデスクトップモード時は負荷が上がるのか、アプリ動作がカクつきます。これが原因で検証書くのを萎えた。ただRedMagic6より優れているのは、RedMagic6だとデスクトップモード時にガルパが停止するけど、Xperia 1では動作する。

自分はRedMagic6は重宝してるし、グローバル版はSD888ではコスパに優れた機種だと思ってます。良い機種。ただ他所で書かれない補足かつ、自分の興味の範疇となると、こういうの重箱の隅突くような話ばっかになる。ごめんなさい。


RedMagic6の内蔵ファンは冷却性能が足りないものの、スマホ動作と連動してファンが停止するのは便利です。端末を使った後でクールダウンをさせるのに、自動消灯待機1分とかにしておけば、使用後は放置しておけば冷える & 自動でファンが停止してくれるので、便利といえば便利です。長時間連続使用やとにかく冷却を求めるなら、外付けクーラーで冷却した方が良いのは確かです。

接続について解像度とリフレッシュレートの話にフォーカスしたけど、もしかすると組み合わせによってはRGB or YCbCr階調レンジにも問題が出るかもしれない。検証した限りではフルレンジで接続できたけど。

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