「心理的な」障壁を下げるA9のYellowPage
2005年 02月 13日
さて、Jeff Bezos氏の講演の感想を一文で述べよという問題に対する回答のような次の一文は、まさに私が感じていたものに似ている。
大きく言えばイノベーションとは「技術をどう生み出し、どうその使い道を考える」ではなく「人がその不便さに気づいていない身近な問題をどう解決するか」という考えから産まれるものであり、技術は問題解決の手段である、というBezosの発想の伝わってくる講演であった。P.F. ドラッカー氏も、「人は、技術に金を払うのではなく、技術がもたらす効用に対して金を払うのだ」といったようなことを述べていたと記憶しているのだが、Bezos氏の講演を聴いたとき、二人の考え方には、どこか共通している部分があるような気がしたのである。
実際、A9のYellowPageは、私が感じている不便さ解消を手助けしてくれているような気がする。Yahoo!Mapsなどで地図上の位置や道順は分かるのだが、実際車を走らせると、小さい看板の文字などなかなか読めるものではない。だから、だいたいこんな風景になると近くにいるのだよ~、ということが分かれば、スピードを落として、ちらっと看板をみて、あっ、ここか!というふうに目的地に到着することができる、即ち、少し目的地への到達が心理的に容易になるのである。この「心理的に容易になる」というところが、実は重要なのだと思う。
画像データが次々と変わるのを見て、つい、「これがあると便利なんですよね~」と耳打ちしてしまったのだが、カメラとGPSと車と画像データベースとインターネットとWeb技術を組み合わせて、それを実現してくれているような気がしたのである。実は、友人に自宅までの道順を知らせるときに、Yahoo!Mapsの地図情報と道順を送るだけでなく、近くの交差点の風景を写真にとって送ろうかと思い、写真まで用意していたことがある。そこまで手の込んだものは実際にはつくらなかったが、きっと、あれば便利だと思う。
ちなみに、これに似た取り組みをしていると感じるのは、バードアイで画面表示しているカーナビではないだろうか。地図のような平面情報ではなく、バードアイにすることで、3次元的に見ることができる。しかし、実際の写真とは、やはり大違いである。
最近は、Googleでもmap機能を利用することができるようだが、2次元であるため、たとえ「ぐりぐり」(山田進太郎さんの表現)できるとしても、まだ、今のところ、Yahoo!Mapsと大差ないと感じている。MapQuestのほうがYahoo!Mapsより、分かりやすい道順を示すということを聞いたことがあるが、それでも、Yahoo!Mapsでは、Yahoo!にログインすれば、過去に調べた住所などは簡単に検索できるし、登録しておくこともできるから、依然、Yahoo!Mapsのほうが少し使い勝手がいいと感じることも多い。そんなわけで、密かに、A9のサービスとカーナビの連動を期待してしまう...
ちなみに、Google LabsのGoogle Suggestは、現在のところ、なかなかイケテルのではないかと感じている。
というわけで、もっとSotto Voceのエントリーに対して絡めるはずだったのだが、またもやA9の話に終始してしまった(^^;;
「続きはまた明日」(以降)ということで...