◆序論少年撃覇シリーズの完全続編、シリーズ構成:冨岡淳広、主要キャストの大半が過去のバトスピ出身者…
間違いない、我々の知るバトルスピリッツが"転醒"した瞬間である。
サーガブレイヴから約半年が経ち、公式アニメ展開に飢えていたファン達にとっても願ってもない機会だと思います。
サーガブレイヴそのものがかなり物足りない内容だっただけに…特にサーガブレイヴの情報が公開されてからの、公式の冨岡氏プッシュは尋常じゃありません。
2年も放映した癖に話題にならないどころかアニメの勢いを急速にしぼめてしまったテレ東時代を振り切ろうとする姿勢が感じられました。
そんな期待を一身に背負って始まった赫盟のガレット第1話ですが…
舞台やキャラクターの説明とバトル描写に手一杯で、ストーリーがいまいち頭に入ってこなかったです。
序章としては引きもあって期待の持てる内容だとは思いましたが、とても5話構成の1話とは思えません。
少なくとも1クールぐらいはやりそうな雰囲気がします。期待半分不安半分。サーガブレイヴと同じですね。
◆本論◇そもそも「異界見聞録シリーズ」とは何か少年撃覇時代から続く、同一世界観のアニメシリーズである。
人種差別、迫害、犠牲と生贄など、生きとし生けるものが抱える
「世界の矛盾」に立ち向かった少年少女たちのお話で、
特定の誰かが企んでいる悪事を止める、というよりも、悪事を生み出すきっかけとなった世界そのものを見据え、変革を行っていくのが大きな特徴でしょうか。
なのでシリーズを通じて明確な悪役と呼べる者が存在せず(フィクサーは別格)、勧善懲悪さよりも、
各々のキャラクターの
「世界に立ち向かう信念」を問いかけるような作風に仕上がっている、と私は思っています。
本作もその作風の例外ではなく、突如世界に現れた
「モーブ」に対する差別や、
その差別を生み出した世界の真相に突っ込んでいくのでしょう、きっと。
◇ガレット・レヴォモーブとして生まれ、世界の掃溜めとも言える
「バニラ」と呼ばれるスラム街で育った少年。
作中でいきなり統一政府を目指し始めたのは、モーブ独立戦(命名)に乗じてモーブに関する謎を調査しようとしたからでしょうか。
その辺の説明が省かれているのでよく分かりませんでした。
バニラの住人と縁があり、必ず帰ってくると約束したわりに、
モーブ特別区へのスカウトを求められるとアッサリ乗っているあたり、目的のためならあまり手段を選ばない主義なのでしょうか。
だからと言って1年も放っておくのはどうかと思いますが…
◇ヴァルト・パークス恐らくモーブ特別区の中でも、強い権力を握っているであろう少年。
作中後半ではガレットと仲違いしていたようですが、過去に父親を何者かによって殺されたこと、
ガレットの
「武力を認める」という台詞から、統一政府に対してクーデターでも企てているのでしょうか?それもバトスピ以外の手段で。
モーブのカリスマ的存在である彼であればそれを行使するのも難しい話ではないと思います。
しかし、バトスピ以外の力の行使はタブー視されがちな本シリーズにおいて、武力の行使といった言葉は危険極まりないです。
彼の目指すものとは一体…
◇グレアム・レオニード明らかに黒幕臭いです。
転機となったルシアンVSザイファーのバトルの不正に関しても、政府高官である彼なら情報操作なんて簡単でしょうし。
全5話という短い尺からしてぽっと出のキャラがラスボスになるとは考えにくいので、
既に登場したキャラの中にラスボスがいると見るべきだと思います。一番手は彼ですかね。
モーブに対する好意的な意見も、彼らの頭脳を手中に収めるための甘言と捉えることもできますし…
◇ガレットVSヴァルト手札の枚数やボイドとリザーブのコア数が明確に表示されるようになった他、
使用しているカードも昔馴染みのものが多く、非常に分かりやすい内容にまとまっていたと思います。
サーガブレイヴの頃は解説付きとはいえ、いきなり
「創界神ネクサス」とかいう聞き覚えの無いカードが出てきてだいぶ混乱しました…
バトル展開そのものはだいぶ地味めに感じた(赤色なのに全然アタックしてないし)ので、それは今後の改善に期待です。
◆まとめストーリーの進展が弱い印象があったのは少々残念でしたが、
丁寧なバトル描写や興味をそそられる設定の数々は純粋に良いと思いました。
そういった長所が最後まで崩れないでいってほしいです。
◆次回への展望明確なストーリーは次回から進むのでしょう。
サーガブレイヴが
「どう考えても3話は短すぎる」という評価で埋まっていただけに、
本作が5話の尺を使ってきっちりストーリーを描き切ってくれるかどうか不安なところがあります。
俺たたエンドになるのは目に見えてるから、少なくともモーブに関する謎は完全に解き明かしてほしいです。
果たしてバトスピから離れて久しい私に、最後まで視聴できるのか…?
