◆評価点・全話単独脚本達成何はともあれ、TVシリーズ45話+劇場版2作+αを1人で執筆した高橋悠也さんの根気と努力は賞賛されるべきです。
流動的なスケジュールで唐突なストーリー改変も少なくない特撮において全話執筆をすることは1つの勲章です。
相当な速筆の持ち主だったのでしょうね。
もしくは相当な暇人だったかそして、
全話単独脚本を褒めるのはもう今回でやめます。
「頑張ったで賞」を素直に褒められるのは精々高校生までです。
・型破りなフォームデザイン番組発表当初からエグゼイドの奇抜なデザインは話題になりましたが、私はこちらも評価したいです。
デザインそのものではなく、どちらかと言えば各フォームのコンセプトと言いますか。
ずんぐりむっくりな2頭身デザインのレベル1を始め、
4人個別に武器を揃うことで真の姿を表すという、
「全部載せ形態」の真逆を突き詰めたドラゴナイトハンターZ、
変身した瞬間2人に分身するという今までに例がない(WのFFRは別として)マイティブラザーズXX、
大きなキグルミのような装甲を纏って戦うマキシマムゲーマーなど、今までの仮面ライダーにはないフォームが多く登場しました。
これは前例がないほど異質なデザインを採用したエグセイドだからこそ実現できたのだと考えています。
特に私が取り上げたいのは、マキシマムゲーマーです。正確には
「マキシマムゲーマを脱ぎ捨てた後でも行動可能」という点についてです。
通常、多くのフォームが登場する仮面ライダーでも、第一に広告塔として宣伝されるのは初期フォームの方です。
初期フォームは基本的にフォームが出揃う中盤以降からはお役目御免になることが多く、第一の広告塔でありながら出番が冷遇されがちです。
その点についてエグゼイドでは、
「マキシマムゲーマを脱ぎ捨てる」というプロセスを経て初期フォームで戦う大義名分を得ることが出来ました。
これは出番の薄くなりがちな初期フォームを中盤以降でも目立たせるために編み出した、1つの方法だと考えています。
まあ、正確には言えばドライバーに刺さってるガシャットが違うんですが、細かい話はこの際抜きにしましょう。
・変身用アイテムと必殺技用アイテムが別に存在する点エグゼイドの劇中では、変身用ガシャットと必殺技に使うガシャットが別になるシーンがありました。
また、ドクターマイティXXやバンバンタンク(仮面ライダースナイプで登場)など、必殺技専用と思しきガシャットも登場しました。
この
「必殺技がフォームに依存しない、多種多様な必殺技を使いこなせる」という点に関して、私は評価したいと思います。
ただ、劇中で活かせていたと言われればNOです。
劇中、変身とは別のガシャット(以下、「他ガシャット」と記載)で必殺技を使用したのは、主に2クール目のゲンムが該当します。
ただし、この行為はどれも必殺技として機能していたとは言い難く、必殺技という大義名分を利用して、自ら奪ったガシャットを持ち主に返還していたケースが殆どです。
(19話でのタドルクエストとドラゴナイトハンターZが特にわかりやすい)
結局、他ガシャットを用いて必殺技を有効に使用したケースは、29話のマイティブラザーズXXによるリプログラミング、42話のドクターマイティXXくらいです。
もっとガシャットごとに必殺技の特性を作り込んで、状況に応じて使い分ける戦略を編み出せていれば、と悔やみきれません。惜しい設定でした。
・壇黎斗について基本的に私はこの作品の登場キャラについて良い印象を抱いていません。
それでも評価点を見出すのであれば、唯一好意的に見れるのは壇黎斗ただ1人です。
基本的に
「自分には神の才能がある」「私が作った以外のゲームは認めない」というエゴ塗れで人間の屑みたいなキャラクターでしたが、
30話以降CRメンバーに協力することになってもそのスタンスは崩れませんでした。
自身が犯した過ちについて咎められれば
「謝罪するようなことなどした覚えがない…」、かつて自分が殺した貴利矢に対しては
「許しを請う気などない!」、
ニコがゲムデウスウイルスで消滅の危機に陥っても
「バグスターとして生まれ変われば大丈夫(意訳)」とピントの外れたアドバイスをするなど、
人としての屑さ加減は相変わらずでしたが、最後までブレることなくそのクズさを貫き通したことは評価したいです。
最後までブレなかったと言うよりは、最初からブレすぎててこれ以上ブレようがなかった… とも言えますが。
なお、彼の顔芸やオーバーリアクションに対しては良い印象は抱いていません。これについては以下の通りです。
・そもそもああいった演出が肌に合わない
・近年のライダーは何かしらネタキャラを作りたがる風潮がある(ドライブの仁良、ゴーストの御成など)ので一々構ってられない
・黎斗にはネタキャラとしての活躍より、ダークヒーローらしいカッコ良さやマッドクリエイターとしての狂気さをアピールしてほしかったという期待の落差があった
「宝条永夢ゥ!」のくだりがネタにされていた時は正直ビックリしました。何がツボったんでしょうかね…?
◆不満点(細かい設定について)・アクションは大したことない30分前にスーパー戦隊やってる影響もありますが、アクション面に大した見所はなかったと思います。
カメラワークやワイヤーアクションなどで手法を凝らしながら見せ方を随時変えていくスーパー戦隊と違い、
エグゼイド(というか最近のライダー)は良くも悪くもCG頼みです。ステゴロの場合は相手に向かってポカポカ殴る蹴る、剣を持ったらブンブン振り回す、
銃を持ったら適当に撃ちつつも何故か接近戦を始めるなど、個性が殆ど見られませんでした。
先述したようにフォームのデザインそのものは光るものがありましたが、アクションまでついていけたとは考えにくいです。
・バイク出せエグゼイドにおける大きな不満点です。いくら規制が厳しくなった昨今の特撮業界とはいえバイクの出番の薄さは尋常ではありませんでした。
放送開始時はライダーそのものをバイク枠に当てることで
「バイクの出番が減るのでは?」と危惧しましたが見事にクリティカルヒットしました。
戦闘中に全然バイクに乗らないのもそうですが、移動手段として全く使われないことも不服でした。
劇場版や1クール目初期ではCR専用のオートバイが映ってたのですが、覚えてる人どれくらいいるのでしょうか?
仮面ライダーたるもの、無二の相棒たるバイクを無視してはいけないと思うのですが、もはや時代遅れな考え方なのでしょうか。
そう考えると、前作ゴーストではCGに頼りながらも、バイク描写については比較的頑張ってたんじゃないかなと思います。
・ガシャットギアデュアルβダイヤルを回すことでタドルファンタジー・バンバンシュミレーンションに変身できるガシャットですが、見事に死に機能でした。
何せ飛彩も大我もどちらか片方しか使わないんですもの。ダイヤル式にした意味がありません。単独のガシャット作ればいいだけの話です。
販促の都合上どうしてもダイヤル式のガシャットを出したかったんでしょうが、きっちり話に組み込めていないことに関しては残念でした。
唯一利点があったとするなら、どちらか片方がデュアルガシャットを独占することで、ドラゴナイトハンターZの出番が保証されていた点についてです。
尤も販促すべきはドラゴナイトハンターZ<ガシャットギアデュアルβのはずなので、ただの怪我の功名だったと思います。
・レベルの概念「レベルは100だ」「レベル2を相手に苦戦するはずなど!」など、終盤までレベル設定は意識されていましたが、これも私にとってはあまり良い印象ではありません。
これについてはレベル0のライダーが登場してしまったことが影響しています。
最初にレベル0の存在が明らかになった時は、
「特殊能力がある代わりにスペックは低いんだろう」とか思ってカタログスペックを見たところ、
なんとゲンムレベル0もレーザーターボも、どちらもデンジャラスゾンビのレベルⅩ(テン)とほぼ同等の性能を誇り、
レーザーターボのコンバットバイクゲーマーに至ってはレベル50のブレイブ&スナイプを余裕で上回る性能を誇っていました。
「普通に戦って高レベルキャラを上回るなら、レベル0にしてる意味ねーじゃん!」と突っ込まざるを得ませんでした。
またレベル0にはもう1つ残念だと思う部分があります。それはレベルデバフ能力がたった1回しか使われなかったことです。
もしこの能力をレーザーターボに活かしてあげれば、たとえ真っ向勝負では敵わなくとも、隙を見つけて相手のレベルを低下させて戦いを有利に運ぶという、
まさしく
「低レベルなりの戦い方」というゲームらしい戦法がとれたはずなのに、残念でした。
・仮面ライダーポッピー多分、
仮面ライダー史上最も存在価値のない仮面ライダーです。
存在価値が
「薄い」のではありません。
「ない」です。ゼロだと私は断言します。
何故なら、彼女が戦闘に参加して明確な功績を築いたシーンが何もないからです。
彼女がCR側に参加して活躍したシーンを振り返ってみましょう。(バグスターサイドにいた頃については以前言及したのでスルー)
話数 | 活躍概要 | 筆者の見解 |
30話 | ニコと二人がかりでチャーリーと交戦したが逃げられ、 その後やってきたパラドクスにフルボッコされた。 | チャーリーにもパラドにも勝てていないため、実績はゼロ |
31話 | ゲンムとパラドクスの戦いに介入し、 クリティカルクルセイドでゲンムを変身解除させた。 | このシーンにおけるポッピーの役目は黎斗を説得することであり、 ゲンムに攻撃して強制的に変身解除させることが必要絶対条件とは考えにくい。 というか貴重な活躍シーンにおいて味方を攻撃するっとどういうことなの… |
37話 | エグゼイド、レーザーターボと一緒にクロノスを倒すために戦闘へ。 しかし最終的に戦闘は中断。 | ポッピーの攻撃がクロノスに対して決め手になったわけではなく、 そもそもクロノスを逃がしているためポッピーが戦闘に介入した意味がない。 |
劇場版 | 忍者ゲーマーが病院に現れたため応戦し、 誰よりも早く忍者ゲーマーに敗北した。 | 言わずもがな。戦うだけ無駄でした。 |
以上、劇場版含めて登場回数は僅か4回。その4回の中で彼女は何も貢献できていません。いるだけ無駄な存在でした。
これなら本編に出さずとも、Vシネ専用ライダーとして作ればいいだけの話です。
多分
「ヒロインが仮面ライダーに変身しちゃうよ!」という話題作りのためだけに作られたんだなぁと邪推してます。
一応言っておくと、バトルにおける戦績が功績の全てと言うつもりはありません。
例えば仮面ライダーアギトの特別編に登場したG3マイルドは、戦闘においてはワンパンでやられてしまうクソザコライダーでしたが、
アンノウンに襲われている警官を避難させたり、バッテリー切れを起こしたG3-Xのバッテリーを交換したりと、
「彼のおかげで被害を抑えられた」と言えるレベルの功績は残しています。
仮面ライダーポッピーにもそういう活躍があればよかったのですが、そもそも彼女の出番自体が残されていませんでした。なむなむ。
・ゲームの『絶版』これは他所で取り上げられていたことなのですが… 私なりにも調べてみました。
「ときめきクライシスは絶版だ」という台詞にもあるように、『絶版』というキーワードはしばしば壇正宗を象徴とするかのような台詞として取り上げられていました。
ここでふと疑問が生じます。電子ゲームに絶版という概念は存在するのでしょうか?
答えは
ほぼ確実にNOです。電子ゲームに絶版という概念は存在しません。敢えて言うなら生産終了、もしくは販売中止です。
「絶版」という言葉は主に出版業界に使われる用語で、ゲームに当てはめるとしたらカードゲーム、ボードゲームがそれに含まれます。
試しに
「ゲーム 絶版」でググってみましょう。電子ゲームはどれくらいヒットするでしょうか?
揚げ足取りだと感じるかもしれませんが、これはれっきとした用語の使い方のミスです。
雲ひとつない青空の天気に対して
「青天の霹靂だぜ」って言うようなものだと思います。やめてね。
◆不満点(ストーリーとか大きな部分について)・ストーリー全体について最初に思ったのは、スケールの小ささです。何せ終始壇親子の騒動に巻き込まれているだけですから。
仮面ライダークロニクルも、ライドプレイヤーによる戦いが早期に収束してしまったので、
いつまで経ってもCRと壇親子が揉め事を起こしているようにしか見えませんでした。
そんな状況ですから、話を動かすのも必然的に壇親子(主に黎斗)の動向次第になってしまいました。
振り返ってみましょう。3~4クール目にかけて展開を一番大きく動かしたのは誰でしょう?
・クロノスが倒せない! どうしよう!→ハイパームテキガシャットを開発した。黎斗が。・クロノスがリセットを使った! どうしよう!→ハイパームテキにセーブ機能を付け加えた。黎斗が。・ゲムデウスが強くて倒せないよ!→蘇生可能な身体を利用してワクチンを作りました。貴利矢と黎斗が。・ニコがクロノスにさらわれてしまった! どうしよう!→クロノスの居場所までワープする方法を用意しました。黎斗が。このように、黎斗が起こした大騒動は黎斗がいなければ解決できませんでした。
結果論で言えば黎斗の一人劇を用意見せつけられただけのように思えます。
この間、本来話を動かすべき永夢は何をしていたかというと、ひたすら黎斗の作ってくれたガシャットで戦ってるだけです。
終盤の展開を動かすのはいつも黎斗でした。永夢たちドクターは状況が動くのを待っているだけでした。
主人公自ら話を動かそうとしない、いつまで経っても同じことを繰り返す話はスケールの小さいものだと私は捉えています。
・キャラクターについて一言で言うなら、
みんなワガママでした。
クロノスを止めなければいけない状況で一人勝手に裏切った飛彩。
クロニクル攻略のためにグラファイトと手を組むことを提案しても、私情を優先して戦う道を選んだ大我。
黎斗やパラド、正宗なんかは言わずもがな。みんな最後まで自分勝手でした。こんな状況で彼らに信頼関係が生まれていたかは断定できません。
そりゃあ、互いの実力を認め合うだけの関係にはなれたんでしょうけど、ちょっとした火種さえ持ち込めば彼らはすぐに離散するんじゃないかという不安定さは感じられます。
中でも酷かったのは主人公である永夢です。
彼は事態が膠着すると、誰にも相談せず自分の考えを最優先して突っ走ってしまうことがしばしばありました。
自分の考えに基づき突っ走ることは別にいいんですが、問題は常に彼の行動が正解となってしまい、周囲が彼を咎めることも殆どなく、
そして彼が自身の行動を顧みることが一切なかったことです。一言で言えば、彼の行動は極めて独善的でした。
その末路が39話のパラド殺害未遂事件(命名)です。終始上から目線で彼に悪態をつき、
「命の大切さを教える」という大義名分上リンチを加える姿はもはや主人公のそれではありませんでした。
主人公らしく障害に直面し、思い悩むシーンも殆どありませんでした。大体
「自分はこう思うからこうなんた!」と言い張り、最終的に話全体が永夢の主張を後押しするような流れに切り替わります。
持論を貫いてばかりだったのでも、はっきり言って成長する機会は皆無だったと思います。まだ研修医という未熟な立場なのに…
また、彼が築いてきた功績も、言ってしまえば他人に依存しているものばかりです。
ガシャットを開発したのは黎斗です。ゲーマー体質なのはパラドのおかげです。最後の最後まで彼らの恩恵に依存しっぱなしでした。
彼からガシャットとゲーマー体質を取り除いたら一体何が残るのでしょうか?
彼は一連の物語を通して、何を得て何が変わったのでしょうか? 主人公どころか一キャラクターとしても魅力的とは思えませんでした。
魅力がない、といえばラスボスである正宗もそうでした。
・最初から最後まで他力本願全開
・計画性のある行動を1度もしない
・仲間を取り入れたと思ったらすぐ手を噛まれる
・ラストバトル前に4回(グラファイト戦込みで5回)、普通に戦って普通に負けた
・というか、ラストバトルも普通に負けた。振り返るだけで草が生えます。彼のどこに悪役としての魅力があるのでしょうか? ラスボスとしての威厳があるのでしょうか?
セコい悪事を企てては毎回のようにボコられる、ばいきんまんみたいな存在でした。
いや、ばいきんまんは自分でメカを作って修理もできるのでそれ未満ですね。
・説明不足な点について以前も言いましたが、結論に至るまでの経緯に納得がいかなければ、私はその結論を大いに否定します。
アニメなりドラマなり漫画なりの創作物は普通、経緯を楽しむものだと捉えていますから。
「むかしむかしあるところに桃太郎がいて、彼は鬼を倒しました。めでたしめでたし。」なんて話聞かされても面白くないですよね?
きちんと経緯は説明されて然るべきです。
そういった観点で見ると、エグゼイドは非常に説明をおろそかにした作品だと思います。
箇条書きにしても
「説明の足りていない描写」と思しきシーンはこれくらいあります。
・幼少期の永夢は何故ゲームの遊び相手を欲しがっていたのか
・永夢は天才ゲーマーというが、どの辺が天才なのか
・何故ゲームの腕前が仮面ライダーの実力に直結するのか
・傍から見ればマジキチゲームである仮面ライダークロニクルが、何故大流行するのか
・基本的にバグスターは無制限に復活できるのに、同じくバグスターである黎斗は何故有限コンティニューなのか
・何故ゲームマスター以外でもガシャットロフィーが生産可能なのか
・何故他人が取得したガシャットロフィーを受け渡すことが可能なのか
・何故獄中にいたはずの正宗が、仮面ライダークロニクルやそれに登場するガシャットの名前を全て知っているのか
・何故ムテキゲーマーから変身解除してパラドが離れた時、都合よく永夢の体内にゲーマー人格が残るのか
・何故消滅仕掛けているデータを手づかみすると吸収できるのか
・何故ポッピーはドクターマイティXXを直挿しすると消滅して、ワクチン作用が辺り一面に広がるのか
etc...
上記の疑問点は唐突に登場しては、誰も何も触れることなく作品が終わってしまっています。
「視聴者に想像の余地を残している」とも言えなくないですが、それはあくまでも上記疑問点が
「謎」として描写された時に限ります。
エグゼイドにおいては、上記疑問点をさも
「最初からそう描写してました」と言うかのように、
「通過点」として描いてるからです。
作中で誰も何も触れないのはそのせいです。本来ならきちんと説明されて然るべき設定を丸投げして放置する姿勢を私は決して評価しません。
・「ベストを尽くしていない展開」について別名
「最初からやれ」。キャラクターがその場その場で最善の行動をとっていない作品は基本的に評価を落とします。
(ベストを尽くせない状況に陥っていることを描写していれば別です。)
エグゼイドではこの手の描写が特に多かったと思います。
まず2クール目では飛彩が貴利矢の私物を調べる、という速攻やって当たり前な行動を22話まで放置してました。
この行動が結果的にマキシマムマイティを生み出す理由の1つになるのですから尚更です。
3クール目では、衛生省が黎斗の隠れ家にあった分かりやすい隠し扉をアッサリ見逃すというトホホなシーンが挿まれました。
3クール目も終盤に差し迫ると、クロノスが
「ポーズ中にガシャットやドライバーを奪う」という
「それやっときゃCRに完封勝利できたよね」と言わんばかりの描写が挿まれ、
4クール目では以前まで猛威を奮っていたリプログラミングに関して誰も何も言及せず、43話という最終盤になった途端思い出したかのように使われました。
リプログラミングについては、当初永夢たちは3クール目で
「正宗にリプログラミングして抗体を奪い、クロノスに変身できなくさせよう」という一応筋の通った作戦を考えていたのに、
ハイパームテキに変身した途端誰もリプログラミングに触れないのは流石に不自然だと感じました。
結果論ではありますが、ハイパームテキでの戦闘中のどこかでリプログラミングを正宗に打ち込みクロノスへの変身を不可能にさせれば、事態はよりスムーズに解決できていたはずです。
そして最終話では
「ベルトを傷つければポーズは無効化できる」という驚きの新事実が発覚しました。
今まで永夢たちはクロノスと戦って何をしていたのでしょうね?
これだけキャラクターがベストを尽くせていないので、既に各キャラクターに対する信頼性は落ちています。
つまるところ、
「全員バカなんじゃないか?」って思ってます。ただのシナリオの傀儡だったと思います。
◆総評ゲームと医療という、決してベストマッチしない要素を組み合わせてドラマを作り上げるのは難しいことだったのでしょうが、
命がどうこうとか、ゲーム設定がどうこう以前に1つのドラマとしてツッコミどころが多すぎてお世辞にも純粋に楽しめる作品ではありませんでした。
ネット上では大絶賛する声もあったようですが、私にはそんな価値観が理解できませんでした。
まあ、命の大切さを教えるために特定の人物をリンチする行為を賞賛したり、
失踪して長年子供に会ってない状態で父親面する人物を
「良い父親」とみなす価値観なんて、私からしたら理解できなくて当然です。
ただ序論で述べた通り、見れば見るほどツッコミどころが露呈していく作品ではあったので、
ダラダラと視聴を続けていたゴーストよりはモチベーションを維持し続けられていたと思います。
私がこの作品を視聴して得られたことをあえて言及するなら、
「自分はこういう展開が好きで、こういう展開は嫌だ」という視点や価値観を自分の中でハッキリすることができたことなんじゃないかと思います。
これも毎週のようにきちんと見せ場というかツッコミどころを残してくれたエグゼイドのおかげです。
何はどうあれ、ものは捉えようです。視聴する姿勢は人それぞれです。健全かどうかはさておいて。
次回作も何か得られるものがあるといいですね。
それでは1年間お疲れ様でした。
