iPhotoで撮影した動画をMacからニコ動に上げる

ニコ動にて「動画の挙げ方講座」を希望されたのでちょっとばかり書く。
iPhoneでの撮影ノウハウに関してはゲーセンでプレイ動画を撮る - 妄想科學日報に書いたが、今回はその後の処理部分について。


動画の編集ソフトは色々あるが、MacではiMovie*1がスタンダードだろう。低価格ながら充分な機能性であり、しかも全Macに購入時点での最新版がバンドルされているため実質無料。使わぬ手はない。
Winについては未経験につき解説は行なわないが、動画の編集用にはWindowsムービーメーカーというのが付属しているようだ。またエンコーダも無料〜低価格で多数出ているので、encode_tools - ニコニコ動画まとめwikiあたりから好みのものを見つけられたい。


……まあ実のところiMovieによる編集→ニコ動最適化ファイル作成までの手順は下記動画に解説があるので、私が書くまでもないのだが、文章で説明を読みたい人向けということで一応記しておくことにする。

撮影した動画ファイルの取り込み

まずはMacに動画データを取り込む。iPhoneならばケーブルでMacと接続し、iPhoto*2を立ち上げればファイルを全部転送できる。iPhone以外の携帯やデジカメの場合、多分専用のUSB接続ケーブルかメモリーカードを抜いてUSBカードリーダーで転送することになるが、それ以外では特段扱いに違いはない。
次にiMovieを起動すると、iPhoto上の動画データの処理が始まる。これは動画の映像を解析して流れを判り易く表示するためのもので、便利だが処理に時間がかかる。なるべく起動アプリを減らしてメモリとCPUの負担を軽くし、暫く放置しておこう。
処理が完了すると、下段「イベントライブラリ」の「iPhoto ビデオ」に取り込んだ動画が並ぶ。ファイルは再生時間に応じた長さで、時間に沿った内容を示すサムネイルの並びとして表示される。

動画の編集

並んだファイルをクリックすると黄色い枠が表示される。これをドラッグして広げ、動画ファイルのうち必要部分だけを選択する。この時、ドラッグ中の位置に合わせ場面が右上に表示されるので、それを見ながら切るべき部分をコントロール。
選択範囲が確定したら、中段バー中央左の「プロジェクトに選択項目を追加」ボタンで上の「プロジェクトライブラリ」側に送る。ここにあるのが実際に書き出される動画だ。必要に応じて1動画中の複数箇所切り取りや別動画の追加も可能。
選択部分が長過ぎる(不要な場面が含まれる)場合はプロジェクトライブラリ側で同様に選択操作を行ない、黄色い枠を調節して右クリック→トリムで不要部分を切り捨てることができる。

色調整

次に動画の色調整。経験的に、ゲーセンは周囲が暗いことが多く、また画面周辺も黒い縁に覆われているので相対的にかなり画面が明る目に撮られ易い。できることならば焦点位置を調節して露光調整した上で撮影したいが、撮れてしまったものについては後加工でなんとかするしかない。
選択クリップをビデオ調整でいじる。
一番上「露出」は基本的にノータッチでいい。これはその下の「明度」と同じく明るさを変えるものだが、全体の明度を均等に落としてしまうので白が灰色に、あるいは黒が灰色になってしまう。なので明るさを変えたければ基本的に「明度」の方を使う。画面が白っぽくまぶしいのならマイナス側に、逆に暗くて見え難ければプラス側に。
「コントラスト」と「彩度」は色味をはっきりさせるためのもの。コントラストを高くすると白っぽい部分は真っ白に、黒っぽい部分は真っ黒にと明度に差が付き、メリハリの利いた画になる。彩度は色をはっきりさせるもので、マイナス側にするとモノクロっぽく、プラスにすると原色っぽくなる。
個人的には明度を0〜-20ぐらい、コントラストを+10〜+30ぐらい、彩度を+10ぐらいに設定することが多い。
注意:ビデオ調整は画をはっきりさせることができるが、元々情報のないものはどうしようもない。例えば白っぽく明るすぎに撮れてしまった画像の彩度を上げたところで真っ白になった部分の色が戻るわけではない。その点、撮影時にできるだけ調整しておく必要がある。

複数の動画を繋ぐ

複数の動画を繋いだり間に静止画を挟みたい場合、トランジションを使うといい。これは2つのファイルの間に挟んで両者を徐々に切り換える効果。例えば10分の動画2本の間に10秒のトランジションを挟むと、9分55秒-10秒-9分55秒という風に長さが変化する。
基本は前のファイルを徐々に透明にして後のファイルが見えてくるクロスディゾルブ。他に画面が徐々に白くなる白フェード、同じく黒くなる黒フェードもあるが、これはどちらかと言うと動画の終端処理向け。


なお、動画に文字を加えたい場合はニコ動側で投稿者コメントを使うのが一番良い。ファイルの画質に影響を与えないし、編集も楽、投稿後にも修正可能。

動画の書き出し

ここまでに用意したファイルをニコ動用に最適化して書き出す。「共有」メニューから「QuickTimeを利用して書き出す」を選択、書き出し条件を設定する。
重要なことは、

  1. エンコード形式はH.264
  2. フレームレート29.97、キーフレーム自動
  3. 画像サイズは512×384(4:3)または512×288(16:9)
  4. 音声データはビットレート落とす
  5. 映像のビットレートはなるべく大きく

あたり。アップロード可能なファイルサイズは一般会員40MB、プレミアム会員100MBまでなので、その範囲でギリギリになるよう調節したい。
なおビデオ・オプションで複数回エンコードを実行すると画質が向上するとされるが、その代わり書き出し時間が洒落にならんほど長く*3なり、その割には効果が見られないというのが私の実感である。従ってエンコード回数に関しては速度重視の単発エンコードをお薦めする。

動画の投稿

あとはアップロードし、サーバの処理を待つだけである。smilevideo.jpにニコ動アカウントでログイン、動画をアップロードしてエンコードを待ち、必要な情報を記入すれば万事完了。

*1:総合クリエイティヴ・スイート「iLife」に含まれる動画編集ソフト

*2:これもiLifeに含まれる画像ファイル管理ソフト

*3:大雑把に、動画の再生時間の10倍ほどかかる