アークナイツ中堅スカウト更新

「中堅スカウト」に、新たに移動となるオペレータの一覧が発表された。
中堅スカウトは、実装オペレータが増えすぎてスカウトのランダム性が高まりすぎた状況への対応策として初期オペレータを別枠に移動させたもので、1回あたりの合成玉消費量は通常スカウトと同じく600ながら、上級資格証で交換できるスカウト券は通常スカウトが10のところ7で交換可能であり、若干安めに設定されている。
最新のオペレータが含まれないため、狙って初期オペレータを引きたいのでなければこれまではスルーされがちであったが、今回の異動によって現環境で主軸となるオペレータが多数加わったことで、その価値が変じたのではないだろうか。

というわけで、「今後のスカウト環境」について考えてみた。
兵種ごとに、「中堅落ち」するオペレータとスタンダードに残留するオペレータを比較してゆく。異動するのは星4〜6までだが、スカウトで狙いたいのは基本的に星6であるので、他は比較対象としない。

先鋒
中堅落ちする先駆兵サガは、敵をHP1残す特殊な素質を有する。味方に倒させてSP回復をサポートできるのが強みだが、本人は倒し切らず通すため序盤ブロックには使いにくく、採用率は低いと思われるため中堅落ちによる影響は薄いだろう。
先に中堅入りしていた先駆兵シージ、突撃兵バグパイプが十分に強力であり職分も被るため、中堅戦力としても大きな強化はない。
常設に残るのは旗手サイラッハ、先駆兵フレイムテイル、偵察兵イネスの3人で、戦力は十分保たれている。

前衛
中堅落ちするのは領主ソーンズ、術剣士スルト、闘士マウンテン、教官パラス。採用率の低いパラス以外は攻略動画の常連メンバーばかりである。
既に中堅にいる領主シルバーアッシュ、勇士スカジ、剣豪チェン、武者ヘラグ、強襲者ブレイズと役割が被りもせず、純粋に戦力強化されたと言える。
常設には剣豪アイリーニ、解放者ムリナール、領主チューバイ、鎌撃士イグゼキュター、勇士ヘドリー、術剣士ヴィヴィアナ、剣豪デーゲンブレヒャー、武者ズオ・ラウと十分な戦力が保持されているものの、この中で攻略常連はムリナールぐらいのもので、やはり若干の使い勝手低下感は否めない。特に、高い術火力と耐性無視、致命傷耐久を備えた決戦火力スルトの異動はだいぶ痛い。

重装
中堅落ちメンバーは決闘者ユーネクテス、庇護衛士ブレミシャイン、破壊者マドロック。回復を担う庇護衛士がすべて落ちたのは若干辛い。また破壊者最強マドロックに代わりペナンスが残るが、硬いボスよりも多数の雑魚に特化したスタイルで、攻略の要にはなりにくい印象。
とはいえペナンス以外にもステルス解除と定置火力の強力な堅城砲手ホルン、厚いブロックと対空をこなし向き変更も行なえる哨戒衛士ジェシカが残るので、戦力に大きな不満はないが。
現行の中堅メンバーは庇護衛士サリア、重盾衛士ホシグマで、盾の要となる二人ではあるが人数が少なかったところ、だいぶメンバー強化された。

狙撃
中堅落ちした速射手アルケットは先に中堅入りしているエクシアに匹敵する高連写弓で、似た性質のオペレータが移動した形になる。その他の現行中堅メンバーは、精密射手シュヴァルツ、破城射手ロサで、このあたりはまだ若干バランスの悪さが否めない。
残留メンバーの方は戦術射手ファートゥース、榴弾射手フィアメッタ、精密射手パゼオンカ、破城射手ティフォン、狩人レイと十分以上の高火力があり、戦力に不足を感じることはなさそうだ。

術師
中堅落ちする連鎖術師パッセンジャーは広範囲高火力のオペレータではあるものの攻略常連にはなりにくい立ち位置。方陣術師カーネリアンについては同じ職分のリンとの棲み分けとなる。
先行する中堅勢は中堅術師エイヤフィヤトラ、同じく中堅術師ケオベ、爆撃術師イフリータ、拡散術師モスティマと各職分を代表するような顔ぶれで、それに被らない職分が新たに加わったことになる。
一方、残留するのは方陣術師リンの他に攻略常連の操機術師ゴールデングロー、対ボス火力の秘術師エーベンホルツ、能力無効化と行動阻害の中堅術師ホルハイヤと十分な戦力で、こちらも不足はない。

医療
中堅落ちしたのは医療のふりした決戦火力、医師ケルシー。替えのいない職分といえるが、回復役という意味ではあまり活躍しないので、この職分から退くこと自体は気にならない。
とはいえ常設スカウトに残るのも回復より攻撃が得意な呪医師、焔影リードなので現環境の星6医療メンバーはちょっと微妙ではある。まあ医療はその役割的に、これまで紹介した兵種のような決戦級が期待されにくい立ち位置なので、星6の不足はさほど問題ではないが。
中堅の先行メンバーは医師シャイニングと群癒師ナイチンゲール、この二人がいれば大体のことは不足なく、そこに火力が加わり最強に見える⋯⋯が、昨今のギミックに多い元素損傷に対応したメンバーがちょっと不足か。

補助
今回の中堅移動メンバーに補助は含まれていない。
現在の中堅メンバー構成は緩速師アンジェリーナおよびスズラン、召喚士マゼラン。やや少ないが、そもそも兵種のとおり補助的な役割だし、我らが光の存在だけで十分すぎる。
常設メンバーの方は工匠ステインレスと呪詛師ノーシス、これも十分な編成であろう。

特殊
特殊枠からは永続の推撃手ウィーディが中堅入り。ステータスよりスキルLvが求められる職分であるから低レアでも替えは利くものの、この運用性は余人を以て替え難い。
迎え入れるは鬼才アと執行者ファントム、兵種の通り扱いの特殊な職分なので強制移動メンバーが増えてようやくバランスが取れた気がする。
残留組は行商人リーと琳琅スワイヤー、罠師ドロシーに潜伏者ミヅキとアスカロン。職分が結構被っているのはちょっと気になる。

総評
初期オペレータのみだった中堅スカウトに中期オペレータが加わり、だいぶ戦力が充実した。
元々アークナイツは性能インフレのゆるやかなゲームではあるが、それでも新メンバーは差別化のため徐々に強化される傾向があり、シンプルな初期オペレータはどうしても見劣りが否めない。
もちろん、初期勢の中にも何人もの攻略常連がいるし、引いて損になることはないが、華やかな最新スカウトに惹かれるのも事実ではある。
今回のメンバー強化により、イマイチ引く意味が薄かった中堅スカウトも十分な魅力を備えるようになったのではないだろうか。
一方、中核的戦力を失った常設スカウトも、十分に手堅く、また順次新オペレータが加入してゆく。
総じて、なかなか良い棲み分けになっているのではないかと思う──逆に言えば、従来のような「引くなら常設」から「どっちも引きたい」になって悩ましさが増したということでもあるが。

信長の野望出陣 勢力戦の謎

位置情報ゲーム「信長の野望 出陣」では、自分が揃えた戦力で各地の「城」(=アクセスポイント)を奪い合う対人コンテンツ「攻城戦」が行なわれる。
形式はその回によって異なるが、今回は4勢力のいずれかに属して競う「勢力戦」であった。

事前に用意された勢力は、織田家・今川家・三好家・足利家の4つ。任意に選べるが希望数に差があった場合は別勢力に振り分けられることがあり、第二希望まで選択できる。また勢力を選ばず「ランダム」にしておくとちょっとしたおまけが付く。

特に特定勢力への思い入れはないのでランダムでもいいようなものだが、夫婦で遊んでいるのでどうせなら同じ勢力にしようということで、織田を選んだ。どこの勢力でも良かったのだが、このゲームが「信長の野望」であること、またライトな戦国時代知識での人気度で言えば織田>今川>三好>足利ぐらいではないかと考えただけで、深い意味はない。

いざ勢力戦が開始されて驚いたのが「織田の味方がどこにもいない」ことである。
これまでの勢力戦では2〜3勢力に分かれての争いだったが、どこでも三つ巴の争いが繰り広げられており勢力順位は僅差で刻々と入れ替わり、城もあちこちに敵味方の旗が翻っていた。
それが、今回の勢力戦ではどこにも織田がいない。
全国マップでは、織田の色である青がひとつもない。勢力スコアでは、上の3陣営が1%ぐらいのスコア差で競っているところに織田だけ10%近い差を付けられている。
線路沿いのアクセスしやすい城で織田が占拠できたものはなく、1日5回の支援ボーナスを得ることさえ難しい。

大差の原因として考えられるのは「強豪プレイヤーがみな織田以外を選んだ」か「陣営ごとの人数に偏りがあって織田だけ少ない」か、だ。どちらであるにせよ「ではなぜ織田が選ばれなかったのか」という謎は残る。

過去の勢力戦に於いても織田勢は存在したし、このような極端な差が付くようなことはなかった。
また、どの勢力を選ぼうとも自分の戦力にはなんの影響もない。織田勢だからといって織田武将しか使えないわけではないし、織田武将にボーナスが付いたりもせず、特定勢力を選ぶ、あるいは避ける動機は(少なくともゲーム内には)ないはずだ。
にも関わらず、これほどの差が付いた理由はなんなのか。また運営はなぜそれを放置したのか。

実際のところ、どの勢力が勝とうが恐らく大きな影響はない。勢力の勝敗によって得られる報酬に多少の差はあるが、希少なものというわけでもないのでゲーム上で極端な不利を被るようなことはなく、その意味では差があろうがなかろうが大した問題ではないのかも知れない。
とはいえ、1勢力だけが明白な不利を強いられ、それによってできることが多少なりと制限され、それが運営によって放置されているという感覚は楽しいものではない。
始まってしまった以上、今更そこを調整することは不可能だろうが、「どうしてこうなったのか」の説明は欲しい。

アークナイツ戦術基礎論

新鮮な悲鳴を求めて初心者による配信動画をいくつか見ていたのだが、基礎的な戦術素養がなく序盤から苦戦しているのを見てこちらが悲鳴を上げてしまった。
もちろん初心者なのだから解らないことが多いのは当然なのだが、数十戦を経ても一向に上達の気配がない。プレイヤーとしての適性問題もあるだろうが、システム理解のためにはメインシナリオ進行中に適宜挟まれるチュートリアルだけではぜんぜん足りないというか、言われた通りに置いてみるだけでは機能が把握しきれず、以後のステージ構成に合わせてアレンジするまでに至らないというか。

もうちょっと初心者向けに戦術面の解説が必要な気がして、少し書いてみた。

戦術編

各オペレータをどのように配置すれば良いかを解説する。

1:先鋒は序盤戦力

アークナイツの基本は、敵をゴールに到達させないことである。十分な火力が用意できるならば移動中に撃破することも可能だろうが、それよりは敵の進路をオペレータで塞ぎ、移動をブロックして撃破する方が確実だ。
とりわけ序盤に出てくる、火力や耐久は低いが移動力の早い敵をブロックするためには、配置コストの安い地上オペレータが必要になる。
配置コストの安い先鋒職は、まさにそのために存在する職分である。中でも同時ブロック数2を持ち、定期的に使用可能コストを増やしてくれる先駆兵は、序盤戦に必須の戦力といえる。
反面、ブロック数も最大2までで攻撃力・防御力も全般に低いため、中盤以降を支えるには力不足が否めない。先鋒の役割はあくまで序盤の抑えと割り切って、コストが揃い次第順次前衛や重装に置き換えてゆくべし。

2:重装+医療+援護射撃の隊列を徹底して

敵の進行を食い止めるためには、敵を足止めするブロック担当が必要だ。特に、ブロック数が多く防御力・耐久力ともに高い重装は、前線を支える役割に適任といえる。
ただ、ブロック数が多いということは、多数の敵からの攻撃を一身に受けるということでもある。いかに頑健な重装といえども、そのままでは徐々にすり潰されてしまうので、医療で支える必要がある。
また、重装は一般的に火力が低く、敵を減らすのを不得手とする傾向がある。いくらブロック数が多いとはいっても、頭数を減らせなければいずれは敵の数が上限を超えて、ブロックをすり抜けられてしまう。そのため、重装より前のエリアになんらかの火力オペレータの攻撃範囲を重ねて、撃破を支援しよう。

また、チュートリアルでもやったように、アークナイツでは基本的に「配置した順序が新しいオペレータから先に狙われる」。そのため、重装→医療/狙撃などの順で置いてしまうと、敵の攻撃が防御力の低い医療などの方に集中してしまい、そこから戦線が崩壊することも少なくない。重装は可能な限り最後に配置して、囮役を担わせることを意識しよう。

3:攻撃範囲を重ねる

オペレータ一人あたりの攻撃力には限界があり、硬い敵などはなかなか倒し切れない。効率良く敵の数を減らすためには、複数オペレータの攻撃範囲を1箇所に重複させることで敵に多くの火力を叩き付ける必要がある。
攻撃範囲が前方1マスしかない前衛職の場合は、敵進路に正対するブロック役の斜め前から横向きに置くことで進路上に攻撃範囲を重ねることができる。あるいはブロック役の後方に狙撃や術師を置くのも良い。
火力を重ねた「キルゾーン」に敵が長く止まるよう、必ずブロック役でルート終端を塞ぐこと。

4:少人数での防衛線構築を意識する

各ステージにはそれぞれ配置数の上限が定められており、また複数のルートから敵が攻めてくる。そのため、1箇所の防衛にオペレータを割きすぎると他のルートが防衛し切れなくなってしまうので、なるべく少数のオペレータで効率よく防衛する必要がある。
敵の進行ルートをよく見て、通行可能な場所が幅1マスに狭まる箇所を探そう。そこをブロックできれば、一人で多くの敵を食い止めることができる。
敵の出現ポイントが複数あっても、ゴールまでのどこかでルートが合流している場合、そこから後ろを防衛すると効率が良い。

オペレータの中には、回復スキルを持った重装、対空攻撃できる前衛など一人で複数の役割をこなすことのできる者もいる。うまく活用できれば配備オペレータ数を減らすことも可能だ。

障害物を配置可能なステージでは、複数方向から攻められないようルートを塞いで侵攻方向を絞ることで戦力を集中させる。また可能な限り迂回を強いて時間を稼ぎたい。

地形に「穴」があるステージでは、ブロック担当+強制移動担当の2人でそのルートを完封できる場合がある。うまく利用しよう。

追記:チュートリアル機能の実装について

2024/12/03のアップデートにより、ホーム左下の「情報」内に訓練場が追加された。シナリオ内の新出ギミックを教えるチュートリアルステージとは異なり、アークナイツの基本メカニズムをまとめたもので、情報が整理され解りやすく伝わる構成になっている。
ある程度慣れているドクターも、一通りやっておくことをお勧めする。

編成編

攻略のための編成、および編成のための育成について。

1:高レアを過信するな

アークナイツでは高レアほど最大Lvが高く、そのぶんステータスも高めになる。また高レアは複数のスキルを持ち、強力な効果も多いため、たしかに強い。
ただ、それはあくまで育ち切った高レアの話だ。育成できていない状態では高レアといえども低レアと大差なく、しかし育成コストは同じレベルでも低レアより高い。そのため高レアを重用しようとするとリソースが足りなくなり、戦力が揃わないことになる。
特に星6は全般に大器晩成傾向が強く、必ずしも即戦力にならない場合がある。ある程度シナリオ攻略を進めて素材集めの体制を整え、最低でも昇進1まで育ててから使うのが適切だろう。
まずは星3全員の最大昇進を目指すのが先決。アークナイツでは高レアほど配置コストも高いので低レアにも少なからず活躍機会が得られ、育成コストは決して無駄にはならない。

2:高レアに頼りすぎるな

アークナイツでは、自分が所有して/育てていなくてもフレンドから高レアオペレータを借りて使うことができる。自身のレベルに応じて借りられるサポートキャラのレベルには制限がかかるものの、それでも自前のオペレータより育った状態で使うことができる。
強いオペレータが一体加わるだけでも攻略がかなり楽になるので、どうしても突破できないところで足りない戦力を補うのに頼るのは悪いことではない。が、過剰戦力による突破に頼り切ってしまうと戦術的な工夫が衰えるので、せめて基本的なテクニックを身につけるまでは使用を控えた方が良い。
またサポートを借りた戦闘は自動戦闘に切り替えることができないので、のちのち素材集めの周回などを考慮すると自力での⭐︎3クリアを目指すべきだろう。

3:各オペレータの特性を把握せよ

オペレータは職分に応じた特性があり、使いどころが異なる。能力を正しく把握せずに使用すると性能を十全に発揮できず、無駄に手駒を失って苦戦することになる。まずは新規に加入したオペレータのステータスや特性、スキル性能などに一通り目を通そう。
残念ながらゲーム中での説明文には些か不足の感があり、それだけで性能を理解するのは難しい。実地で使って試すのも良いが、育成に多大なコストのかかるアークナイツでは育てないとわからない能力を試行するための労力も馬鹿にならない。
幸い、充実した攻略Wikiが存在するほか、性能解説動画なども多数公開されているので、気になるオペレータはそれらに目を通し能力を把握しておこう。

4:対空への備えを忘れずに

少なからぬステージで、飛行型の敵が登場する。これらは地上オペレータによるブロックができないばかりか、ほとんどのオペレータでは攻撃を当てることすらできない。
術師など遠距離攻撃可能なオペレータならば飛行型の敵を攻撃できるが、ブロックによって動きを止めることができない以上は攻撃範囲内を移動中に倒し切るしかなく、他のユニットにターゲットしていると逃してしまうことも少なくない。
速射手は飛行型の敵を優先して攻撃する特性を持ち、対空要員としての適性が高い。必ず一人は部隊に配備しておきたい。

5:要注意職分について

いくつかの職分は能力特性に先鋭的な部分があり、使い所を誤ると作戦が失敗しやすい。

旗手(先鋒)

旗手は先鋒の中でもコスト回復能力に優れ、序盤から重い高性能オペレータを出すために活躍する。しかし旗手自身の能力は他オペレータに比して低めであり、スキル使用中はブロックも攻撃もできなくなるため、他の先鋒のように考えて運用すると失敗する。
最序盤のブロックを担うこともあるが、基本的には安全圏に置いてコスト回復のみに専念させるのが適切な運用方法と心得たい。
また先駆兵と異なりスキルは手動発動であるので、前線の防衛と同時に旗手のスキルゲージも注視しておく必要がある。慣れないうちは採用しない方が賢明かもしれない。

武者、鎌撃士(前衛)、破壊者(重装)

攻撃に伴う自己回復能力を持つため、医療の範囲外で戦う必要がある場合に活躍する。反面、医療などによる回復の効果を受けられない特性のため、状況次第では支えきれないこともある。特に継続ダメージの発生するステージなどには向かないので注意。

行商人(特殊)

低コストで配置でき、コストの割に高い能力を持つため序盤から活躍させやすいが、3秒ごとに3コストを浪費する特性により、事実上コストが自然回復しなくなるという大きなデメリットがある。
先鋒と組み合わせてコスト回復を補佐するか、急場を凌いだら撤退させるのが適切だろう。

福井旅行

このところ夫婦で散歩促進のために遊んでいる「信長の野望 出陣」で北陸行きの新幹線乗車キャンペーンが実施され、またそのタイミングと重なるようにしてリドラのポケモン謎解きが福井県で開催されたので、北陸新幹線で福井を観光してきた。

⋯⋯後でよく見たら信長出陣のキャンペーンは北陸新幹線じゃなくて上越新幹線だったわけだが、まあそこはそれ。

北陸新幹線

実は東海道新幹線以外の新幹線にはほとんど乗ったことがない。 とはいえ新幹線規格自体は同一だし、そう極端な差があるわけではないだろうけれども。

大宮駅のホームにはなんとホームドアはおろか柵すらない。新幹線を撮りたい人にとっては嬉しいが、仮にも高速鉄道線でそれ大丈夫なのか、ちょっと心配にもなる。

大宮駅の北陸新幹線W7

E7系は東北新幹線と共通だそうで、各車にスキー板などの積み込みを意識した荷物ラックが設置されている。座席は赤+黒を基調としたカラーリング。結構ゆったりしていて、前席がシートをリクライニングしても圧迫感がない。「東海道より間隔広い?」と思ったがサイズは同一らしい。
各席にコンセント。東京発だが管轄はJR西日本なので周波数は60Hz。
東海道新幹線では廃止されてしまった車内販売が健在なのは嬉しい。シンカンセンスゴイカタイアイスの苺味を食べる。

GPS位置情報ゲームを新幹線乗車中に遊ぶのは初めてだったが、思ったより遊べた。
信長出陣は「一定区域内にいる間にタッチする」ことで領地を所有してゆくのが基本操作となるが、移動中など操作できない状況でもプレイできるよう委任機能が実装されており、これを利用することで新幹線の移動速度でも問題なく領地が確保できる。
ただし、自動処理のみでは領地の読み込みが追い付かないため、頻繁に手動でマップ表示を切り替えて読み込みを促す必要がある。また駅間が非常に長いため通過区画数も多く、たとえ登録枠を拡張していたとしても次駅までに満杯になってしまうので多数の取り零しが発生することは免れ得ない。

なお、 信長出陣ではマップ上で自分の周囲一定範囲内に表示されているオブジェクトを取得することもできるのだが、こちらは移動が速すぎて読み込みが間に合わず、たとえ表示されても一瞬で範囲外になってしまうため、停車駅周辺以外ではほぼ機能しないと考えるべきだろう。

些か予想外だったのはトンネルの多さだ。
日本アルプスを突き抜けるコースを取る北陸新幹線は、全新幹線路線中でもっともトンネルが多く、北陸新幹線のトンネル一覧に拠れば(この表では金沢までしか書かれていないが)全区間のうち48.2%、実に半分近くがトンネル内ということになる。
とりわけ長野県の安中榛名駅〜軽井沢駅間に至っては90%以上がトンネルのみでほぼ地上に出ることがなく、また新潟県内を通過する区間もその75%ほどがトンネル内という、ほとんど地下新幹線である。そのためGPSが位置情報を拾えず、区画取得が飛び飛びになってしまう。

総じて北陸新幹線は、新幹線の中ではイマイチ位置情報ゲームに不向きな路線だということになる。
まあそれでもプレイ開始から今まで行けていなかった長野・新潟・石川・富山の各県について1%以上の取得率を達成できたので、リアル遠征としては概ね成功と行って良い。

福井駅

JR福井駅は地方の新幹線駅としては標準的な構造で、2階が新幹線および在来線ホーム(北陸本線を3セクに分割譲渡した「ハピラインふくい」)、地上階は駅の東西を繋ぐコンコースと、改札に隣接する土産物・飲食などのショッピングエリア「くるふ」という構成になっている。
また駅舎の外には2系統の私鉄ホームが接している。
旧福井城址である福井県庁や福井市役所などがあり大型商業施設の多い西側エリアには県中南部までの路面電車である福井鉄道、東側エリアには北部および東部へ伸びる単線のえちぜん鉄道ターミナルがある。


着いた日は城の周辺でなにやらフェスが開催されていた。

くるふに入っている魚屋「魚廣」の惣菜が美味しそうだったので、コンビニで買った塩おにぎりを添えて昼食に。

魚廣の惣菜

なお寿司イートインも併設しており、日本海の海の幸を堪能できる。

魚廣の寿司十貫盛り

恐竜

福井では県を挙げての恐竜推しを行っており、駅内や周辺では至るところに恐竜があしらわれている。

これは県東部の勝山地域に中生代地層である「手取層群」が露出しており多数の恐竜化石が発掘されていることによる。
日本ではアンモナイトなどの海棲生物や首長竜・魚竜など海棲爬虫類、あるいはもっと後世の哺乳類化石などは多く出土しているものの恐竜の化石はなかなか見つからなかったのだが、近年になって恐竜化石の発見が相次ぎ新種として登録されたものが13種存在し、そのうち半数近くにあたる6種は福井県勝山地方の手取層群から発見されている。また骨の一部に止まらずほぼ全身の骨格が発見されるなど保存状態も良く、それゆえ県は恐竜専門の博物館を建設して観光の目玉として宣伝しているのだ。
駅前のこうした恐竜展示はその宣伝を兼ねているのだろう。

動くティラノサウルス
トリケラトプスの親子
飛び出し坊やまでトリケラトプス
フクイラプトルの木彫骨格
駅ビル壁面にも恐竜が描かれている

そのほか、駅ビルには壁を壊して飛び出してくる恐竜のトリックアートも描かれていた。
駅前広場の動く恐竜像は現在も拡張工事中で、まだまだ種類が増えるらしい。

駅ビルの西側には大階段があり、どうやら福井を舞台としたアニメが始まるらしく、その宣伝パネルが飾られていた。

その下は観光案内所、2階はカフェになっている。

これは観光案内所で販売されていたもので、お菓子や乾物類とその産地ガイドブックをひとつにパッケージしたアイディア商品。

屋上は恐竜広場になっていて、こちらにも複数の像が。

なぜか越前ガニを食うフクイベナートル
ハートを作るフクイティタン

屋上に寝そべる恐竜の子供にはQRコードが添えられており、専用のARアプリで読み込むことで画面内に親恐竜の姿が描写され、サイズを比較することができる。


なお博物館は化石の発掘現場に近い勝山地域にあり、福井の中心部からは些か距離がある。鉄道でおよそ1時間、そこから更にバスというルートで、今回は謎解きメインということもありそちらまで回る時間がなかったので見送り。

謎解き

今回の主要な目的であるリドラの謎解き「カイリューと謎解くフクイタビ」はえちぜん鉄道とのコラボで行なわれる。
えちぜん鉄道は福井駅から北方向に海へ走る三国芦原線と、東方向に山へ走る永平寺勝山線で構成される1〜2輛編成の単線鉄道で、駅の多くは無人駅となっている。

9月現在ではICカード非対応で紙の切符に入鋏が行なわれているが、10月よりICカードへ切り替えが行なわれる予定。

謎解きキットはJR福井駅の東側に隣接するえちぜん鉄道福井駅内のカフェで購入できる。行き先はキット内で予め示されており、それぞれの路線名に代表される三国芦原線の三国・あわら湯のまち駅、永平寺勝山線の永平寺口・勝山駅の4コース。
各地点での謎解きに要する時間はだいたい30分〜1時間程度だが、福井駅から各駅への移動は片道1時間ほど、また列車の運転間隔は30分ごとのためスケジュールには注意。
なおキットには1日乗車券が付属しているが、回り切れなかった場合は土日・祝日のみ1200円で1日フリー切符が販売されている。

よほどテンポ良く解かない限り、到着して30分以内に解き切って次の便で移動するのは少々難しいのではないかと思われ、1駅あたりの滞在時間は1時間ぐらいになる。同路線の2駅間での移動は10分ぐらいで済むとしても、2駅それぞれに1時間、終点までの往復に2時間とすれば1路線で最短4時間。両路線を1日で終わらせるなら8時間はかかると思って準備されたい。

会期中はカイリューのラッピング車両も走行しておりポケモン好きにはなかなかそそるイベントになっている。カイリューのTシャツやぬいぐるみを身につけた参加者の姿も見られ、ファンを集めることには成功している⋯⋯のだが、その割にコラボグッズを取り扱ったりするような商売っ気が見られず些か心配になる。もうちょっとあざとく売り込んでも良いのでは⋯⋯

三国駅

三国芦原線の終点ひとつ前である三国駅は、えちぜん鉄道の中では大きな駅で、2018年完成の新駅舎はゆったりした待合室とカフェ、アクセサリーショップを伴う洒落た雰囲気。
一面の田畑を行く長閑な路線だが、このあたりはちょっとした町で、近くには大正時代の銀行だった赤煉瓦建築なども残っている。



雪国仕様の民家も雰囲気があって、ついあちこち撮ってしまう。


夕景が撮りたかったので、河岸沿いに一駅先の三国港駅まで歩いてみた。


夜漁なのか、日没が近づくと船が一斉に出てゆく。

三国港駅は雰囲気ある木造の駅舎だった。


駅手前の、橋をくぐる短いトンネルは、アーチ部分にレンガを斜めに積み上げる「ねじりまんぽ」構造。

一駅だけ乗って、ホテルのある三国駅へ帰る。


あわら湯のまち駅

芦原(と書いてあわらと読む)は温泉街で、JR芦原温泉駅は北陸新幹線の停車駅にもなっている。
えちぜん鉄道のあわら湯のまち駅はそこから4kmほど離れたエリアで、数少ない有人駅のひとつ。

駅前にはちょっとした屋台村と足湯コーナーもある。


訪れたときはまだ日中だったが、夜になると提灯が灯って雰囲気が変わりそう。

勝山駅

九頭竜川沿いに山中を走る永平寺勝山線の終点駅は山と川に挟まれた微妙な位置で、駅前にはバスのロータリーのほかは何もないが、駅舎内にはなかなか素敵なカフェが。

線路脇には大正時代の電気機関車テキ6が動態保存されている。

永平寺口駅

1244年に創建された曹洞宗大本山永平寺の山道入り口にある駅。かつてはここから永平寺への参拝者のための路線が伸びていたようだが既に廃線となって久しく、寺への経路は京福バスに置き換えられている。
近くには大正時代の赤煉瓦建築である、旧京都電燈古市変電所が。えちぜん鉄道の前身である京福電鉄は元々、京都電燈が電力の安定的な大口需要を作るために始めた事業であった。

宿泊

福井駅を起点とした謎解きのために宿泊するならば福井駅付近のホテルが便利ではあるのだが、日本海に面した福井県の売りの一つは水面に映える夕陽ということで、全室オーシャンビューを謳う三国の観光ホテルに宿を取った。
breezbay-group.com
海に面したホテルなのかと思ったら、港からは一駅離れて小高い丘の上にあるホテルだったが、西に面した窓が大きく取られ九頭竜川の河口から日本海が大きく見える、言に違わぬオーシャンビュー。

まあ写真に撮ると海ちょっと遠く見えるが、手前に九頭竜川の水面もあるため夕日の照り返しは存分に堪能できる。

また廊下に面した東側にも大窓があり、 こちらからは真言宗総本山成田山の福井別院越しに福井平野の日の出が見渡せる。

なお、このあたりは店数も少なく閉店も早いため、食事については駅前のコンビニで弁当を調達しておくか、あるいはホテルをビュッフェ付きプランで予約されることをおすすめする。

龍翔博物館

ホテルのすぐ隣には、明治時代に建てられた八角形4階建ての洋式小学校を再現した素敵な建物「龍翔博物館」が建っている。






素敵すぎて沢山撮ってしまった。

生憎と再現されているのは外観のみで、本来の木造4階建構造ではなく鉄筋コンクリートだが、内部は郷土博物館とトリックアート美術館として利用されている。

郷土博物館はともかく、トリックアートの方はなんなのかというと、近くにある明治時代の重要文化財(三国突堤)を設計したオランダ人技師G.A.エッシャーが、同時期の西洋建築である龍翔小学校の設計者でもあるのではと思われており(のちにエッシャーではなく大阪の柳自知という人物の設計であったことが判明した)、そのG.A.エッシャーの息子というのが騙し絵の画家として知られるM.C.エッシャーであることから、「特に関係はないけどトリックアート」という⋯⋯

ともあれトリックアートの方はさほど凝ったものではなく、どちらかというと「郷土博物館に興味ない子供を遊ばせる仕掛け」ぐらいのものに過ぎなかったが、ちょっとした遊び道具として大型のピープ・ショウ(切り抜かれた情景を重ねて奥行きを演出する、紙製の仕掛け)が展示してあったりするのは好ましい。

むしろ常設展示品である「山車やま」と、特別展示されていた錯視の方が面白かった。

「ネットでよく見る錯視」の画像がずらりと並べてあると思ったら、まさかの錯視画像を作った当の本人(立命館大学教授 北岡明佳氏)自身の作。
だが一番感銘を受けたのは同コーナー内に展示してあった明治時代の「透影はかき」、表に昼の絵が描かれた絵葉書の裏に夜の影が印刷され、光に透かすことで夜景へと変わるポストカードである。葉書コレクター垂涎の一品だとかで、ネットで検索しても透かした状態が出てこないのだが、それをバックライトのON/OFF切り替えで見せてくれる。これだけでも訪れた価値があったというもの。
土産物として量産された印刷物のため、そこまで希少性の高いものと思っておらずちゃんと撮ってこなかったのが悔やまれるので、同行していた妻の撮った写真を借りる。

透影はかき:通常時
透影はかき:逆光時

ギミックがおわかりいただけるだろうか。

東尋坊

恐竜博物館と並ぶ福井の観光名所といえば東尋坊である。自殺の名所として、また刑事もの2時間ドラマの終着点としてお馴染みの場所だ。マグマが冷え固まって柱状の摂理を見せる地形は各地にあるが、東尋坊のそれはひとつの柱状節理が数mもの幅を有するのが特徴で、これほど大きなものは世界的にも3箇所しか例がないのだという。

三国からはバスで15分ほど。
バス停から土産物屋の並ぶ道を5分ほど歩くと崖上に出る。全域が国定公園であるため、基本的に柵などが立てられないそうで剥き出しの崖であるので十分注意されたい。



崖下への階段はあるが、古い時代の整備につき足元は決して良くはない。

1800円で30分ほどの遊覧船があり、すぐ近くの無人島である雄島と併せて洋上からガイドしてくれる。




船を降り、崖に一番近いカフェでアフォガートをいただく。

近くには松島越前水族館があるが、今回は寄らなかった。

芦原温泉駅

帰りは三国に戻らず、バスで芦原温泉駅へ。ここからはハピラインふくいで福井駅へ戻れる。帰りの新幹線は芦原温泉駅にも停まるので戻らずここから乗っても良かったが、福井駅で買いたいものもあったので。

駅前施設「アフレア」は基本的にはちょっとした催事スペースのようなものだが、併設のカフェは温泉街らしく銭湯をモチーフとしたデザインで、料理も美味しかった。



名物であるおろしそば・ソースカツ丼のセットと、名産の厚揚げを用いたオリジナルの厚揚げバーガー(バンズの代わりに厚揚げに切れ目を入れ、炒り卵・ライスコロッケを挟んでいる)をいただく。


土産

福井駅の「くるふ」で土産物を買う。

金花堂はや川の「羽二重くるみ」は福井名産の羽二重餅(要するに求肥である)に胡桃を混ぜ、またシュー皮で挟むことでくっつかず手に持ちやすくしたもので、福井駅ではコンビニでも個売りしていた。

越前田村屋の手押し焼き鯖寿し、正直なところ鯖は臭みが強い印象であまり好きな魚ではないのだが、試食があまりに脂乗りが良く美味かったので帰りの駅弁として購入。

使用機材

OLYMPUS PEN F+中一光学 SPEEDMASTER 25mm F0.95 or LEICA DG SUMMILUX 9mm/F1.7 ASPH.

あなたの戦国時代はどこから?

社の健康診断でもっと運動せよと言われたので、数年ぶりに位置情報ゲームを始めた。
www.gamecity.ne.jp
あまり歴史に詳しい方ではなく、特に戦国時代には明るくない。そのため戦国大名の名前を見てもいまいちイメージできないので、せめて主要な武将ぐらい知っておこうかと思った。

で、まずは戦国時代の主な流れを調べようとしたところで、実は私のイメージしていた「戦国時代」はその半分以上が戦国時代ではなかったことに気付かされた。

戦国時代はいつからいつまでか

時代というものは後世になって論じるために作られる区分であり、明確な定義のあるものではない。何らかの変化が訪れ、「それ以前の時代とは明確に区分すべき」という主張が生じた時に、その変化が始まった時期を区切りとするわけだが、しかし歴史とは常に以前の流れから連続しているものであって、変化もまた一度に発生するわけではなく、したがって「どこを変化の始まりとするか」には諸説ある。

戦国時代について言えば、室町時代の終わりによって始まるという点では共通認識が形成されているものの、では「いつが室町時代の終わりか」というとなかなか難しい:というのも、室町幕府将軍足利家は弱体化しつつも長く存続していたからだ。

室町幕府が名実ともに消失したのは1573年、織田信長が第15代将軍足利義昭を京都から追放した時ということになるが、しかしそれよりずっと以前から幕府は形骸化しており、各地の大名らは幕府の支配下になかった。そのため実質的には、第8代将軍足利義政の時代に次期将軍の座を巡り幕府を二分して応仁の乱が始まった1467年頃、もしくは第10代で後継者問題が再燃し幕府が再分裂した明応の政変1493年頃を実質的な室町幕府の瓦解と捉え、戦国時代の始まりとする見方が一般的であろう。以降5代ほどにわたり、室町幕府は実質的に武家を掌握できていない。

始まりはそれで良いとして、では終わりはというと、こちらは概ね安土・桃山時代の開始とする見方が一般的のようだ。
安土・桃山時代とは織田信長が安土を本拠とする政権を築いた時代と、豊臣秀吉が桃山を本拠とする政権を築いた時代である。織田信長は前述の通り15代将軍を追放して室町幕府を消失せしめて京と将軍を巡る長い争いを平定、豊臣秀吉は天下統一を成し遂げており、これは確かに大名らが群雄割拠した戦国時代が終わったということができよう。
つまり信長が足利15代将軍義昭を擁し上洛した1569年、もしくはその義昭を追放し室町幕府が完全に終焉を迎えた1573年あたりが戦国時代の終わりと考えられており、歴史的用語としての定義では「戦国時代」とは概ね1467あるいは93〜1569あるいは73年の76〜106年間ほどを指すものということになる。

あなたの思う戦国時代とは

さて、学術的な「戦国時代」はひとまず定義できたとして、では実際に「戦国時代の大名」を、あなたはどれぐらい思い浮かべることができるだろうか。何人もの名前が出てくるとして、彼らが戦国時代の100年間のどこで活躍したのか、ご存知だろうか。あるいは「戦国時代の合戦」を、あなたはどれぐらい思い浮かべることができるだろうか。
歴史に詳しくない人でも教科書や、あるいは歴史もののフィクションなどでいくらかは触れたことがあるだろうが、これらが具体的に認識できている人はごく僅かではないだろうか。

非歴オタの一般人が戦国時代に触れる機会というのは、歴史の教科書以外ではほとんどエンターテインメントの中に登場する場合だけではないかと思われる。
しかし映画や小説、漫画など様々なジャンルに渡って戦国時代を扱う作品を俯瞰できるデータベース的なものはちょっと見当たらないので、ひとまずデータの入手が容易な範囲を参照したい:ゲームのステージ情報である。

戦国時代をテーマとしたゲームは色々あるが、その中で信長出陣と同じコーエーテクモの「戦国無双」シリーズが、ちょうどシリーズ通してのステージ一覧をデータ化してくれていた。
dic.nicovideo.jp

戦国無双は元々歴史ウォーゲーム系のメーカーが手がけたシリーズであるためユーザも歴史好きが多めと思われ、その分やや知名度の低い合戦もいくらか登場する。また作品本数が多いこともあって、前作との差別化のために異なる合戦をステージ化するなどにより総計で約110の合戦が採用されており、これではまだ多すぎて「有名な合戦」だけに絞りきれていないため、ここから更に各タイトルでの採用割合によって絞り込みをかけた。
戦国無双はナンバリング5まで、プラットフォームの違いなどにより全15タイトルがリリースされているが、うち戦国無双2は4本目に当たる(3は9本目)。したがって「ほぼ全作」および「2以降ほぼ全作」で登場する合戦については採用率が約80%に達し、どのタイトルでも定番として登場する「有名な合戦」と見做して良いのではないかと考えられる。

以下に、それらの合戦を記す。

戦国時代

西暦 合戦 陣営
1560 桶狭間の戦い 今川軍 対 織田軍
1561 第4次川中島の戦い 上杉軍 対 武田軍

安土・桃山時代

西暦 合戦 陣営
1570 金ヶ崎撤退戦 浅井・朝倉軍 対 織田軍
1570 姉川の戦い 浅井・朝倉軍 対 織田・徳川軍
1573 三方ヶ原の戦い 武田軍 対 徳川軍
1573 小谷城の戦い 浅井軍 対 織田軍
1575 長篠の戦い 織田・徳川軍 対 武田軍
1577 手取川の戦い 織田軍 対 上杉軍
1582 本能寺の変 織田軍 対 明智軍
1582 山崎の戦い 羽柴軍(織田軍) 対 明智軍
1583 賤ヶ岳の戦い 柴田軍 対 羽柴軍
1584 小牧長久手の戦い 織田・徳川軍 対 羽柴軍
1585 四国征伐 長宗我部軍 対 羽柴軍
1587 九州征伐 島津軍 対 豊臣軍
1590 小田原征伐 豊臣軍 対 北条軍
1600 関ヶ原の戦い 西軍 対 東軍
1600 長谷堂の戦い 上杉軍 対 伊達・最上軍

江戸時代

西暦 合戦 陣営
1615 大坂夏の陣 徳川軍 対 豊臣軍

お分かりだろうか。
戦国無双に於いて、ほぼ全作に登場するほどの有名な合戦のうち、実際に戦国時代に行われたものはわずかに2戦しかない。大半は安土・桃山時代の合戦であり、大阪夏の陣に至っては江戸時代に入ってからのものだ。
つまり、一般にイメージされている「戦国時代」というのは、実質的にほとんど戦国時代ではなく、安土・桃山時代を指しているということになる。

なお戦国大名の活躍時期についてはリングワールドの黄昏(たそがれ) 戦国武将の生没年表に主要人物の生没年グラフがあるが、この表で左半分が戦国時代である。

位置情報ゲームのためのモバイルバッテリー選び

社の健康診断でもっと運動せよと言われたので、数年ぶりに位置情報ゲームを始めた。
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プレイヤー自身が移動する必要のある位置情報ゲームは、出不精に移動の動機を与える面に於いて非常に優れており、運動不足解消などには適している。
反面、ゲーム内の状況が外的要因に左右されること、逆にゲーム内から外への干渉は不可能であることからバランスコントロールには難があり、展開が単調になりがちで飽きやすいといった弱点もある。事実これまでにプレイしてきたタイトルはいずれも最長半年程度で離脱してしまった。本作はどれぐらい保つだろうか。

さておき、位置情報ゲームを遊ぶにあたり、必然的に生じる問題を解決せねばならない:連続プレイ可能時間の短さである。
GPSで頻繁に測位を繰り返すせいなのか、それとも画面を常時点灯してタッチ操作を繰り返すからなのか、位置情報ゲームは全般に電力を多量に消費する傾向がある。

信長出陣では通信データ量をかなり抑えているようで、1時間の通勤時にかかるデータ量を確認してみたが60MB程度と、通信負担はかなり軽い。なんならAppleMusicなど音楽ストリーミング再生の方がよほど通信量は多い。
また「委任」機能を利用すればプレイヤーが操作せずとも自動で資源回収や領地登録が行われ、省電力モードでは画面も暗くするので電力消費はかなり抑えられる。
それでも、ゲームを遊ぶ以上ずっと委任で省電力モードのままというわけには行かず、たびたび確認し操作せざるを得ないため、どうしても電力の消費は激しくなる。

私はiPad Air4を使用しているので、連続駆動時間は公称で9時間ということになっている。実際、普通にネットなどを使用する使い方であれば1日持ち出してもバッテリ切れを起こすようなことはまずない。
しかし位置情報ゲームをプレイすると、およそ2〜3時間程度でバッテリ切れになってしまう。それほどまでに、位置情報ゲームプレイ時の電力消費は激しい。
自宅周辺などを徒歩で散歩する程度なら十分か知れないが、位置情報ゲームは既に訪れたことのある場所よりも新たな場所へ行った時にこそ沢山の特典が得られるように作られていることが多い。特に信長出陣の場合は「エリアの占領」が主要なリソースとなっており、それには新たな場所を実際に訪れる必要がある。
つまり家の周囲を巡るだけではなくて、なるべく遠出したくなるようにできているということなのだが、となると3時間程度の稼働時間では往路の移動だけでバッテリーを使い切りかねない。
特急車両のように移動中の充電が可能ならば良いが、それでも到着後はそう頻繁には充電できない環境となる。安心のためにも、モバイルバッテリーを携行しておきたい。

必要なバッテリー容量を考える

モバイルバッテリーの選定にあたり、まずは端末のバッテリー容量を確認する。
iPad Air4のバッテリ容量はおよそ7500mAh。miniだと5000、12.9インチのProだと11000mAhほどあるらしい。iPhoneはSEが2000、通常のサイズだと3300、大型で4300mAhほど。端末が小さいほど画面も小さいため消費電力も少なめであり、容量ほどに稼働時間の差はないが、それでも大型端末ほど長時間駆動であるのは間違いない。
プレイした時間とバッテリの残量から時間あたりの消費電力を求めると、私のiPad Air4は容量7500で平均2時間半であるから、1時間あたり3000mAhぐらいを消費している計算になる。

次に、延長したい稼働時間を見積もる。
昼頃に家を出て夕方に帰るとしても5〜6時間ぐらい。朝から出て日暮れまでだとすれば8〜10時間ほど。本体のみで2時間半だとすれば、バッテリーで+3〜8時間ほどを保たせる必要がある。
もっとも、途中で電源を借りられるなら条件は緩和されるし、位置情報ゲームのためだけに出かけるのではなく観光の合間にプレイする程度だとすれば消費ももっと緩やかかも知れず、条件は色々に変わるが、少なくとも2〜3時間程度の延長は欲しいところだ。
1時間あたりの消費電力と、延長したい時間を掛ければ必要な追加電力がわかる。私の場合、1時間あたりの消費量が3000mAhなので、3時間延長するならば9000mAhを充電する必要がある。

モバイルバッテリーには容量が示されているが、実はこれは「このバッテリーが他端末へ給電できる容量」ではなく、バッテリー自身の充電容量である。
バッテリーによる給電の効率はだいたい6割程度とされるので、この容量に0.6を掛けたものが実際に端末へ充電可能な分量となる。逆算すれば、バッテリーの容量は端末に充電したい容量の1.7倍ほどのものを用意する必要があるということ。たとえば3000mAhの給電を行うためにはバッテリーの容量は5000mAhが必要となる。
一般的なモバイルバッテリーの容量はだいたい3000〜5000mAh程度。大容量を謳うものでも10000mAh止まりであることが多い(更に大型な15000〜20000mAh以上のバッテリーも存在するが、相当なヘヴィデューティ向けであり種類は多くない)。また、当然ながら容量が大きなバッテリーほど重量も堆積も嵩み、高価になる傾向がある。

容量以外の機能を考える

上では必要なバッテリー容量を確認したが、バッテリーの性能とは容量だけではない。そのほかの要素も見てゆこう。

給電出力

バッテリー容量が「貯められる電気の量」なら、出力は「一度に出せる量」だ。いかに大容量のバッテリーであっても、出力が小さいと充電はゆっくりとしか増えない。
特に、iPadのように容量も消費量も多い機種の場合、出力が小さいと消費速度に対し充電速度が追いつかず、ぜんぜん充電できない場合もある。

細かい話はさておき、雑には「出力のW数が大きいほど高速充電できる」と思えばいい。ただ、バッテリーによっては接続方法ごとに制限が存在する場合もあるので注意。一般的に、USBのポートがType-A(長方形)のものだと出力が低い場合が多く、Type-C(長円形)のポートを利用した方が安心。
なおメーカーによっては出力をWではなくA(電流量)とV(電圧)で表記している場合もあるが、W=AxVなので簡単に計算できる。

バッテリー充電速度

これはバッテリーから接続機器への充電ではなく、電源からモバイルバッテリーへの充電速度。
どこかで電源を借りる場合、外ではバッテリーから端末に充電し、電源からはバッテリーへ充電することになるかと思うが、そうそう長い時間充電しているわけにも行かないので、バッテリー自体の充電も早い方が好ましい。
こちらは「入力」と書かれている場合が多い。出力と同じく、Wが高いほど高速にチャージできると考えて良い。

入力ポート

「モバイルバッテリーへ充電するときにどうやって接続するか」。
USBポートからの充電である場合、「モバイルバッテリーに充電するための充アダプターが別途必要」であることに注意。
ACプラグを内臓しておりコンセントから直接充電できるタイプも存在し、旅先での取り回しではこの方が好ましいが、大容量のモデルでコンセントプラグ内蔵のものは少ない。

パススルー機能

モバイルバッテリーは、自身への充電中には接続した端末への給電ができないことが多い。そのため「モバイルバッテリーを使い切って本体の電源も切れそう」な状況だと、途中までバッテリーに充電しては抜いて端末を充電して⋯⋯を繰り返さざるを得なくなる。
パススルー対応バッテリーは、モバイルバッテリー自体への充電とバッテリーから接続した端末への充電を同時にこなせるので、電源を借りて充電する時などにはこの機能があると頼もしい。

大きさと重さ

外出するのに、荷物はなるべく軽くコンパクトな方がいい。バッテリー容量が多いほど安心ではあるが、そのぶん重く嵩張る。ガチ勢は複数のバッテリーを持ち歩くとも聞くが、私としてはなるべく軽いもので済ませたい。
重さは単に「軽いほど良い」けれど大きさは荷物にもよる。薄型の方がいいのか筒状がいいのか、

発熱

モバイルバッテリーは充電/給電中少なからず発熱する。ほんのり温かい程度ならば良いが、中には触っていられないほど熱くなるものもある。ハイパワーなバッテリーほど熱くなりやすい。
こればかりはスペックに現れないので、使用者のレビューが頼り。

実機レビュー

現在手元にあるモバイルバッテリーは以下の2機種。

エレコム DE-AC07-10000

容量
10000mAh
サイズ
80x90mm、厚さ34mm
重量
260g
出力ポート
USB Type-Ax1(12W)、Type-Cx1(12/20W)
バッテリー充電時間
4.5時間

本体表面ははシボ加工が施されており、滑りにくく、また指紋などが目立たない。
「ELECOM」のロゴを正面とすると、左側面にUSB Type-AとType-Cの2ポート、右側面上端にACプラグ。裏面には「─・・・・」というインジケータが目立たぬよう配置され、残量に応じて光る。電源ボタンは金色で上品な仕上がり。
大容量バッテリーの中では控えめな10000mAh、重量・サイズには余裕を持たせたつくりに思われる。そのぶん動作には安定感がある。
給電は20WなのでiPad用としては出力がやや控えめで(iPadの急速充電は30Wまで対応している)、充電はあまり早くない。とはいえ消費に追いつかないほど非力ではないので十分役には立つ。
使い切った時点での表面温度は45度と、許容範囲。

中国製大容量モバイルバッテリー

容量
15000mAh
サイズ
84x84mm、厚さ30mm
重量
240g
出力ポート
USB Type-Ax1(12W)、Type-Cx1(12/20W)、内蔵ケーブル(Type-C/Lightning)
バッテリー充電時間
4.5時間

メーカー不詳。なぜかAmazoには同じ写真でいくつかのブランド名が存在し、価格もまちまち。レビュー写真を見る限り製品としてはほぼ同じものとは思われるが、表面のプリントが30W°だったり35W°だったりと、細部には違いがある。中身が同じかどうかも保証の限りではない。

本体にはType-Cケーブルが内蔵されている。横向きにLightning端子も飛び出ているのはだいぶ格好悪いが、別途ケーブルなしにも充電可能なのは便利ではある。
側面の端子はType-AとType-Cが1つづつ。Aには出力、Cには入力と書いてあり、バッテリへの充電の際はACプラグかCを使えということなのだろう。実際にはCは充電専用の端子というわけではなく、機器に繋げばちゃんと出力もしてくれる。
電源ボタン上にはインジケータ、7セグ3桁によりバッテリ残量を1%単位で表示してくれるのは悪くないが矢鱈と明るく、充電中は点灯しっ放しなのでちょっとウザい⋯⋯明度を落とす方法を考えたい。

購入時点でバッテリ残量91%で届いた。満充電状態で出荷されているものと察せられる。
そこからACプラグをコンセントに差し込んで、100%になるまで約2時間かかった。充電速度が一定であるとすれば満充電に20時間かかってしまうが、恐らく充電率が低い間は急速に、いっぱいになってくると速度を落とすのだと思われ丸一日がかりということはない。とはいえ、容量が大きい分だけ充電にはやや時間がかかる様子。

iPadの内蔵バッテリ単体での稼働時間とバッテリ接続時の追加稼働時間から充電量を推計し、総容量と比較してみたところ充電できた量はおよそ9000mAh、充電効率が60%とすれば総容量は15000。スペックシート通りの性能を持っていると評価できる。ELECOMのものとほぼ同じサイズで1.5倍の容量というのはなかなか優秀ではないか。

ただし発熱は相当なものだった。放射温度計で表面温度を計測してみたところ55度にも達しており、低温火傷を発生させるに充分な温度であったので注意されたい。

ミラーボーラー「LOVE LIGHTPIA」

お台場で開催されているミラーボーラーのイルミネーションアート「LOVE LIGHTPIA」を見てきた。
lovelightpia.jp

最寄駅はりんかい線東京テレポート駅。もしくはゆりかもめ青海駅だが、会場と駅の間は工事中で動線が不明瞭に感じたので、むしろテレポートブリッジで首都高を超えてお台場海浜公園駅からアプローチした方が良いかも知れない。

点灯時間は18:00~21:00、この時期は18時だとまだ薄明るい。会場入り口には謎の貘。会場が「シンボルプロムナード公園内 夢の広場」だそうなので、この貘はそのシンボルなんだろうか。

まずはミラーボーラーといえばこれ、という感じのある偏光アクリル板による虹色のオブジェに導かれながら進む。

続いて現れるのは、枯山水と蓮の花を模した「ひかりの蓮池」。


中央にあるのは籠に覆われた大蓮「龍ノ栖」。

龍ノ栖とならぶメインシンボル「希望のたまご」は無数の蝶によって形作られた卵。裏側の二重円は瞳のイメージだろうか。


今回は「ミラーボーラー」の名に相応しく、ミラーボールが多用されている。草花を照らす反射光が美しい。


そして会場最奥に鎮座する虹のドームは「美しき星」。こちらは中に入ることができる。当然ながら待ち行列が取り巻いて、一人1分ほどの制限時間付き。要望があれば係の人が写真を撮ってくれる。


内部は色とりどりの光と植物の饗宴で、さながら万華鏡のよう。



開催期間はもうすぐ終了なので、見たい方はお早めに。