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カブトムシ

かぶとむし

ここではカブトムシ亜科に含まれる甲虫の総称について解説。
目次 [非表示]

曖昧さ回避編集

  1. カブトムシ亜科に属する甲虫の総称。この項目で解説。
  2. 上記のグループに属する甲虫の一種。→カブトムシ(種)

概要編集

カブトムシ(甲虫、兜虫、角仙)とはコウチュウ目(鞘翅目)・コガネムシ科・カブトムシ亜科に分類される昆虫の標準和名及び総称。

狭義ではこの中の真正カブトムシ族に分類される属のみをカブトムシと呼ぶ。

ラテン語ではカブトムシ亜科は「Dynastinae」、真正カブトムシ族は「Dynastini」と表記される。

基準属はオオカブト属(Dynastes)。

基準種はヘラクレスオオカブト(Dynastes hercures)。


英語は「rhinoceros beetle」(サイの甲虫)と総称される(偶然にもサイカブトという同じ意味の名を持つ種が存在するが、サイカブト族に分類されるため狭義のカブトムシからは外れる)。


これらの名の示す通り、は往々にして立派なを持つ。種によって異なるが、頭と背中(前胸背板)から角が生えて上下でセットになるのが普通でそれぞれ頭角胸角と称される。

この角は餌場をめぐる他の昆虫との縄張り争いやメスの争奪戦などの際に、さすまたの様に突き出して相手をけん制したり、相手を下からすくい上げて投げ飛ばしたり挟んで持ち上げるために使われる。体の大きさに対してのパワーは非常に強く、体重の20倍の重量の錘を引っ張ることができる。車輪が付いていれば50倍の物体を引きずることも可能であり、これは人間に例えると60㎏の成人男性が3tのトラックを引きずり回すようなものである。

この角は蛹の段階で既に現れ、大きさは幼虫時代の育ち具合に大きく左右される。


一方、はコガネムシらしき姿で、角を欠き、もしくは非常に短い。また雌雄とも角を欠く種や、逆にサイカブト族には雌も角を有する種も存在する。


日本ではTrypoxylus dichotomusという種を単に「カブトムシ」といい、本種から細分した亜種、および他の種は習慣的に「○○カブト」と呼ぶ。

種としてのカブトムシは「ヤマトカブト」、「国産カブト」と呼ぶこともある。

また、種としてのカブトムシと区分できるように、総称としてのカブトムシ=カブトムシ亜科そのものは「カブトムシ類」ともいう。


また、カブトムシの古称には『サイカチムシ』という物があるが、これはという木の樹液によく集まるからだと言われている。


カブトムシは益虫ではなく、害虫としても成虫が夏限定で出現して果樹園の果物を荒らす程度程度なのでそもそも研究する必要性が薄く、未知の部分が多い。


余談編集

  • カブトムシとスイカ

スイカを与えたら腹を壊す・・・とよく言われるが俗説である。

カブトムシ(に限らず節足動物全般)は我々ヒト等と全く体の構造が違う為、スイカを与えても下痢を起こすようなことはない。

ただしスイカは水分が多く腐りやすいために、カブトムシを飼う虫かごの中に置くと高湿度になりやすく腐って雑菌が湧きやすい。その点からあまりカブトムシに与えるエサとしては向いていない。またそのような不衛生な環境におかれたカブトムシは病気になってしまう

その上栄養価はゼロに等しい為、カブトムシの飼育はできる限り管理が容易な昆虫ゼリーを与えるのが好ましい

また昨今ではスイカがカブトムシに悪いというのは、冷蔵庫で冷やされたものを与えるからでないかとも言われており、急激な温度変化により体調不良を起こすのではないかと言われているが定かではない。

カブトムシ採集を行う場合に誘き寄せる餌としては、焼酎をかけたバナナを麻袋やネットに入れて雑木林に吊るしておくと集まりやすい。食べた後のメロンを置いておくとスイカよりも集まると言われる。


  • カブトムシと幼虫

繁殖後の幼虫飼育はクワガタムシに比べると難易度が低いものの、やはりそれなりの苦労はある。飼育マット(腐葉土に近い木屑を粉砕したもの)を幼虫はもりもり食べて成長する為、それを見越して翌年サナギになるまでは多めにストックして、乾燥に注意しながら直射日光の当たらない陰で飼育マットに水分を適度に与える事がコツである。


  • カブトムシとスズメバチと樹液

野生での環境で樹液を吸いに来る時等に両者が鉢合わせする事がある。一見体格やパワー、硬い甲殻を持つカブトムシにはいかに大型の蜂であるスズメバチであろうと手が出せないように思えるが、とある目撃談によると早朝に木に群がるカブトムシの集団を後から来たスズメバチの集団が、足に噛みついて木から引き剥がして片っ端から地面に落とし、樹液を独占していたとのこと。

カブトムシは確かに甲殻と怪力と大きさではスズメバチを凌ぐが、体が重くて動きが遅く飛ぶのも下手であるため、機動力ではスズメバチに分がある。更にスズメバチはカブトムシに及ばずとも蜂としては大型の体格とパワーを持ち、尚且つ蜂どころか昆虫全体で見ても1.2を争う程の獰猛な性質で有名である。その為か場合によってはカブトムシを木から落とすだけでは飽き足らず、地面に落とした後も執拗に攻撃を加える事もあるらしい。これについてはスズメバチは元々が、肉食の傾向が強い種(成虫は肉を食べないが幼虫の主食は肉である)なのでカブトムシを殺してその肉を得られれば樹液も独占できて正に一石二鳥であるという利点があり、立派な生存戦略として成り立つ。

これらの事から一説にはカブトムシが夜行性なのは凶暴なスズメバチとの遭遇を避けている(蜂は基本的に昼行性)からではないかと言われている。


しかし、凶暴なスズメバチといえど樹液の争奪戦においては最強というわけではない。

昆虫の中にはカブトムシだろうとスズメバチだろうと積極的に攻撃して追い払って樹液を独占し、に邪魔されようとも全く恐れず、逆に小鳥程度なら追い回して撃退してしまうような勇猛な(もしくは食い意地が張った)昆虫もいたりする。





文化編集

その勇ましい姿から日本では古今を問わずクワガタと並んで男の子に大人気であり、様々な媒体を通して親しまれている。


昆虫相撲編集

オスのカブトムシクワガタムシを戦わせて、対象をひっくり返す、または場外に叩き落とす事で勝敗を決めるというものだが、自発的にカブトムシやクワガタムシが自発的に戦う場合でもこう呼ぶことがある。いわゆるアナログ版ムシキング

日本では夏の風物詩とされるが、タイ王国にもヒメカブトを戦わせる『メンクワン』なるよく似た競技が開催されている。

  • なお、実際にやるとカブトムシ・クワガタムシに限らず体力を消耗させたり負傷させたりする事もあり、結果的に寿命を縮めるので飼育の観点から推奨はされない。

昔話編集

カブトムシが登場する昔話も勿論存在するが、我々の言うカブトムシを指さない事が多い。

というのも海外でbeetleというと大雑把に甲虫を指す言葉なので、日本語で「かぶとむし」と翻訳されていても、大抵はカブトムシ以外の甲虫である事が殆どである。

ギリシャ神話に登場する羊飼いケラムボスが化身した「カブトムシ」は名前や性質からクワガタムシカミキリムシである可能性が高く、イソップ童話「ワシとカブトムシ」に登場するカブトムシもカブトムシ亜科を指す名称ではない。

(子供向けの絵本やアニメなどではわかりやすさを優先して上記の「ヤマトカブト」の姿で表される事もある。)

そもそも欧州にはあまりカブトムシ亜科はあまり生息していない上、知名度も低い種ばかり。それっぽい外見のダイコクコガネ辺りは生息しているが…日本への輸入もされていない。


世界の代表的なカブトムシ編集

※詳細は「カブトムシの一覧」を参照。


各言語での呼び名編集

言語カナ表記綴り
イタリア語スカラベーオリノチェロンテScarabeo Rinoceronte
英語ライナサラスビートルRhinoceros Beetle
オランダ語ノウスホールンケィヴァーNeushoornkever
スペイン語エスカラバホリノセロンテEscarabajo Rinoceronte
ドイツ語リーゼンケーファーRiesenkäfer
フランス語スカラベリノセロスScarabée Rhinocéros
アジアの言語
インドネシア語クンバンバダKumbang Badak
パンパンガ語ウアンUang
韓国語チャンスプンデギ / チャンスプンデンイJangsu Pungdeng'i / 장수풍뎅이
タイ語ドゥアングワーンDuang Kwang / ด้วงกว่าง
中国語兜蟲(トウチョン)Douchong
ベトナム語キエンヴオンKiến vương
アフリカの言語
スワヒリ語キファルメンデKifaru Mende
アメリカの言語
ナバホ語チェスチャーツォChéłchaaʼtsoh
ナワトル語アテテピツトリAtetepitztli
人工言語
アルカカポクKapok
アルベド語アズソツキAzusotsuki
オーレー語アケクソメリプユワフアエA-cexomelipuyuwahuae
グロンギ語バヅドルギBazudorugi
ソルレソルドレファレミドレドシファ(フランス語の語順) / ドレドシファドレファレミ(英語の語順)Dorefaremi Doredosifa / Doredosifa Dorefaremi
ひんたぼ語キペナメスKipenamesu

カブトムシをモチーフにしたキャラクター編集

漫画アニメゲームなどでは主役として扱われる事が多く、子供に人気な昆虫なだけあって味方側や強力な敵といった傾向が強い。

昆虫モチーフが避けられる戦隊ヒーローでは例外的にクワガタムシと並んでよく採用される。

でもさー、鋏角類,十脚目まで含めて、虫ロボ

(機能のない)脚が出っぱなしか、タイヤにするか、矮小化され、苦労が見られる。

玩具の部品分割の都合だろうが、油圧アーム(風)にするというアイディアは、

まず見られない(´ω`)。


特撮編集

ウルトラシリーズ編集


仮面ライダーシリーズ編集

昭和ライダー編集

平成ライダー編集

平成一期編集

平成二期編集

令和ライダー編集


スーパー戦隊シリーズ編集

昭和戦隊編集

平成戦隊編集

20世紀平成戦隊編集

21世紀平成戦隊編集

令和戦隊編集


メタルヒーローシリーズ編集


その他特撮編集


ゲーム編集

※1:マイマイカブリがモチーフとの説も。


デジタルモンスター編集


メダロット編集



漫画・アニメ編集


週刊少年ジャンプ作品編集


トランスフォーマー編集


その他ロボットもの編集


その他カブトムシが出演する作品編集


関連人物編集

実在人物

  • 哀川翔:芸能界で指折りのカブトムシ好き。
  • aiko:代表曲の一つが『カブトムシ』。

キャラクター


キャラクターのモチーフとしての扱い編集

男の子向けの作品ではだいたい登場する。また当たり前ではあるが、大半は雄しか登場しない。


関連イラスト編集

ヘラクレスvsコーカサス


関連タグ編集

昆虫 

クワガタムシ コガネムシ カブトムシの一覧



表記揺れ

カブト虫 かぶとむし かぶと虫 兜虫



人物や神々がカブトムシの種名になる事が多い。ただし、ギリシャにいない種にばかり付けられる。これは真性カブトムシ族に属する種がヨーロッパでは見られないためであるが。

拠点や狩猟フィールドなど、すごくわかりにくい場所にカブトムシが隠れていたりする。

ジョジョの奇妙な冒険』における「天国」へ行く方法のうちの1つ、14の言葉にカブトムシが4つ含まれている。

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