トヨタ・ハイエースは、トヨタ自動車が1967年より生産する1BOX型の乗用車(商用車)である。ハイエースに与えられる固有の形式は「H」である。4台目のトラックに限ってはダイナ/トヨエース系の兄弟車のため、それらのトラックの形式になる「Y」が付与されている。
現在は200系(長方形のような形)が生産されている。先代(100系)も街中ではよく見かける存在。
かつて「ハイエース」は基本的にはトヨペット店専売車種であったが、東京地区ではトヨタ店においても併売されていた。また、大阪では歴史的な経緯よりトヨタ店での扱いで、トヨペット店では販売がされていない(トヨタ・コロナの概要を参照されたい)
ネッツ店ではかつて同型の車種が「レジアスエース」として販売されていた。レジアスエースはワゴンやコミューターがラインナップされていない事や車名のシール類以外は同一である。元々、ハイエースはネッツ店の前身の一つであるビスタ店で取り扱いがあり、1999年にハイエースの取り扱いをやめた際に名称が変更となった。余談ながらビスタ店取り扱いのハイエースにはフロント部分に「VISTA」のプラスチック製の小さなプレートがあった。
2007年度の盗難車第1位を記録している。主な用途は以下のとおり。
かつては「グランドハイエース」「ハイエースレジアス(『魔法少女リリカルなのはStrikerS』のアレではない)」「ツーリングハイエース」等、「ハイエース」の名を冠したモデルが複数存在したが、これらは全て「グランビア」のバリエーションでありハイエースとは直接のつながりは無い。とはいえ、ヨーロッパ市場ではグランビアはハイエースとして販売されていたのだが。
初代は1967年に登場。既にバンモデルの他にも12人乗りや15人乗りなどのモデルがあり、現在に続くモデル体型となっている。
また救急車もラインナップされていた。このモデルはその後、石原プロの大都会シリーズに登場し、日産がスポンサーについてキャラバンとなるまで登場した。
1977年に登場したこのモデルは丸目のスタイル(その後、マイナーチェンジで角目になった)や転換シートとそのシートの配色など、その当時の新幹線車両である0系と似ていた為、「新幹線ハイエース」のあだ名がある。
この頃より、快適装備の拡充が図られ、貨物用のイメージからオーナーカーの潮流を取り入れたハイグレードワゴンの道を歩み始めた。
トラックについては3代目になって以降も1985年まで継続販売された。
1982年に登場したこのモデルは直線基調となり、一気に80年代のスタイルとなった。また、中期型以降はより高級化が進んでいった。時期によって顔つきが異なり、丸目の初期型、縦目2灯の中期型、100系に近付けた後期型がある。このモデルは日本では1989年に100系へ切り替わったが、南アフリカでは「クァンタム」の名称で継続生産され、現地におけるミニバスとして2007年まで25年の非常に長きにわたって生産された。
余談ながら南アフリカではこの他にも2代目カローラFXが同じく2007年まで製造され、日産はサニートラックを2008年で製造されていた。
トラックは1985年にモデルチェンジを行い、ダイナ/トヨエースの1トン車と兄弟車となった。ただし、デザインは独自性がにじみ出るものとなっている。
いわゆる100系と言われるモデルであり、1989年に登場して2004年にモデルチェンジを受けるまで、実に15年の長きにわたって生産が行われた。
バブル期に生産されただけあり、クオリティは流石であった。そして、ワゴンモデルはその当時のクラウンに代表されるようなワインレッドの内装など、ハイソカーの影響が見え隠れし、1BOXのクラウンと言われるほどに豪華化が進んだ。バンモデルは鼻がないタイプで、スーパーロングボディなどがあったが、車幅は5ナンバーサイズであった。
なおグランビアが登場した1995年当時、デザインなどで色々とバッティングするので後継かと言われたが、販売チャンネルが違う事やスペース効率の問題等から完全に置き換えるまでには至らなかった。但し、ヨーロッパではグランビア(の車体)がハイエースとして販売されていた。他にもグランビアの販売店違いのグランドハイエース、グランビアの幅を5ナンバーサイズにしたハイエースレジアスやツーリングハイエースなど多くの派生車種が出てきたが、いずれもハイエースのモデルチェンジ前に生産中止となっている。
モデル末期ではアルファードとの住み分けの為にワゴンモデルはガソリン車が廃止され、ディーゼル車オンリーとなったので、ディーゼル規制のかかる首都圏では購入すら出来ない状況になった。そして継続車検も出来ないケースが出てきたが、それでも日本車としては群を抜く頑丈さや経済性ゆえにバンモデルを中心に排ガス対策を施して、今なお現役で首都圏を中心とした都市圏で現役のディーゼル車が存在する。
トラックモデルは1995年にモデルチェンジとなり、過去モデルにあったような独自性は消滅してダイナ/トヨエースの1.5t車と共通となった。トヨペット専売となった事で2001年にトヨエースに統合するような格好で廃止となった。
2004年にモデルチェンジを行い、200系となった。以降は大きなモデル体形の変化はないがディーゼルエンジンは2007年のマイナーチェンジで2500ccから3000ccに変更、さらに2010年と2013年に意匠の大幅な変更を伴うマイナーチェンジが行われた。
モデルはバン・コミューター・ワゴンが存在する。バンは4ナンバーサイズの標準車体の他にも屋根を高くした「ハイルーフ」、車体を拡幅して屋根を少し高めた「ミドルルーフ」、さらにハイルーフとホイールベースを伸ばした「スーパーロング」が設定されている。標準車体以外は1ナンバーでの登録となる。グレードは個人ユースにも対応したスーパーGLに実用グレードのDXがある。DXには車体や一部内装をスーパーGL相当にしたGLパッケージが設定されている。
コミューターは14人乗りの2ナンバーであり、大型免許や8t限定なしの中型免許がなければ運転できない。一部のバス会社ではコミュニティバスや過疎地域における路線バスとして使われる事もある。すべてスーパーロングボディであり、GLと装備を厳選したDXがある。直近のマイナーチェンジ前までは1番前の座席が3人乗りであった為、15人乗りであった。
ワゴン系は10人乗りであり、3ナンバー車である。かつて「1BOXのクラウン」と呼ばれていた頃と比べれば、素っ気ない装いである。スーパーロングボディの「グランドキャビン」やミドルルーフボディのGLと実用のDXがラインナップされている。
これら全てのモデルで2WD・4WDの選択ができるが、ディーゼルはバンとコミューターでしか選択が出来ない。さらにワイドボディの4WDはガソリンのみの設定となっている。また、ディーゼルとガソリンでは50万近くの価格差がある。ちなみに最高価格は350万円であり、これはアルファードの値段帯とかぶっている。
2022年現在、ハイエースは18年目に突入しているため、ある程度年代によって特徴が出る。愛好家の間では概ね大がかりなマイナーチェンジを基準として●型という。
概ね2004年から2007年にかけて製造されたモデルを指す。
エンジンはガソリンは2000ccの1TR-FE型と2700ccの2TR-FE型、ディーゼルは2500ccの2KD-FTV型(109ps)を搭載する。
フロントグリルは一体型となっている。正面から見ればTの字を逆にした感じである。
2006年ごろに灯火に絡む対策としてマニュアルヘッドランプレべリング機能が装備されている。
概ね2007年から2010年にかけて製造されたモデルを指す。
1型と比べるとフロントグリルが分割されているのが特徴。1型との互換性はあり。
ガソリンに変化はないが、ディーゼルは3000ccに排気量アップされた1KD-FTV型(136ps)を搭載する。このディーゼルはその当時の排ガス規制をクリアする為、DPFなど搭載しているのだがこのエンジンがポスト噴射に絡むトラブルを抱えた曲者であり、リコール対象になるほどに不具合が多発したため、好事家の間ではいらない子上級者向け扱いされている。
概ね2010年から2013年にかけて製造されたモデルをさす。
フロントグリル、およびヘッドランプ周りの意匠が変更となり1~2型との互換性はなくなっている(出来ないとは言ってない
懸案だった1KD-FTV型エンジンは熟成と改良がくわえられ144psにパワーアップ、懸案のポスト噴射も別の方法を立てたためにトラブルも非常に少なくなった。細かいところだが、このマイナーチェンジでサブラジエターが廃止となっており、余談として1・2型のハロゲンヘッドランプを3型以降のHID、あるいはLEDヘッドランプにフェイスリフトする際、サブラジエターを撤去する事が多いそうな。
漸増する盗難対策としてイモビライザーが付けられ始めたのもこのモデルから。
概ね2013年から2017年にかけて製造されたモデルをさす。
フロントグリルとヘッドランプに改めて意匠の変更が伴い、かなり押し出し感の強いものとなった。なお3型、および1~2型との互換性はない(出来ないとは言っていない
既にパッケージングとしては完成されており、内装が中心となっている。主な改良点はアルミホイールのデザインやメーターの意匠変更が行われている。またスマートエントリー、ステアリングスイッチの採用など快適装備が拡充となった。一方、エクステリアはこれまで以上に押し出しの強いフロントグリルとなり、またエアロフィンの取り付けも行われた。
ガソリン車はVVT-iがDual VVT-iとなり、動力性能がアップした。これにあわせてギアがそれまでの4速から6速に変更。燃費が向上した。一方でディーゼルは従前の4速のままであった。
概ね2017年から2020年のマイナーチェンジまで製造されたモデルをさす。場合によっては4型後期・4.5型という場合もある。6型が出たことで4型中期と言われることもあるがあまり広がってはいない。
大きな変更点としてディーゼルエンジンが最新の1GD-FTV型(2800cc)となり、出力も151psに出力が上がった。そして排ガス対策として昨今のトレンドである尿素水(アドブルー)を導入した。アドブルー注入口はボンネット内部にあるので、さほど困難ではない。これに合わせてディーゼルもATは6速となったのだが、残念ながらディーゼルエンジンのマニュアルの設定が消えてしまった。
昨今、安全装備に対する要求は甚だしく、5型において「Toyota Safety Sense」の導入がなされた。そのため、ミリ波レーダーの取付がフロントグリルにされている。この為、同じ形状ながら4型のグリルと互換性がなくなっている。
2020年のマイナーチェンジで製造された車両を指す。メカニカルな面や外見で大きな変化はないので4型や5型の範疇に入ることがある。その場合は5型と一緒の4型後期・4.5型と言われる。
法規制に関係する改良であり、オートライトが標準となったことやフェンダーミラーの廃止、メーターパネルの変更が行われた。またミリ波レーダーの位置が変更となり、グリルの下部となった。これにより4型との互換性が復活した。
2021年にガソリン車のマニュアルが廃止となったので、ハイエースは全車ATである。
事前のスパイショットやイメージ図通り、ボンネットのついたミニバンスタイルとなっている。また地域事情に合わせてミニバス用途に使えるように従来よりも大幅に延長されている特徴がある。
モデルはショート・標準ルーフとロング・ハイルーフとなっている。これらのモデルは全幅は1.95mで統一されており、ショート・標準ルーフは全長が約5.26mでロング・ハイルーフに至っては実に全長5.9mとなっている。
参考までに200系のスーパーロング(グランドキャビン・コミューター)は全幅1.88m・全長5.3mであり、ショートボディ・標準ルーフ仕様であっても全高以外は200系におけるスーパーロング相当となっている。エンジンはディーゼルは200系のものと同じ1GD型であるが、ガソリンはV6エンジンであろう3500ccの7GR型となっている。
バン用途以外にもミニバス用途のコミューター、上級グレードのツーリング(フィリピンではツアラーか?)が用意され、コミューターの乗車定員は運転者含めて最大17名の乗車定員となっている。
その後、各地でモデルチェンジが行われている。タイではそれまでのヴェンチュリーからのモデルチェンジで名称が「マジェスティ」となった。このモデルに関しては足回りが乗り心地優先なのかリーフサスペンションでなく、車軸式のコイルサスとなっている。
一方日本でも300系が導入されると噂され、アルファード/ヴェルファイアの後継と目される記事もある(かつてのグランビアとハイエースワゴンの関係に近似)のだが前記のとおり、あまりにデカ過ぎる(このサイズの場合は貨物用途では例外なく1ナンバーで、高速道路料金が高くなる事・狭隘路の多い日本では明らかに使用に差し支えがある)事や、スペース効率を最重視するユーザーが多いことなどから、引き続き200系を継続生産する可能性が高い。
そんな中で2019年に300系の国内導入がされる事となった。名称は「グランエース」となり、東南アジア圏を走る「マジェスティ」そのもののデザインとなっている。大きさは全長5.3m・全幅1.97mとグランドキャビンより幅が広い以外は長さは同じとなっている。4列8人乗り&3列6人乗りがあり、アルファード/ヴェルファイアの上位クラスとも見られるが、クールな内装デザインのアルファード/ヴェルファイアと比べると質実剛健あるいは少々コンサバティブな印象もあるため、多人数乗りのハイヤー用途や高級ホテルの送迎用途を視野に入れたものと思われる。
初代以来、救急車のベース車両としてハイエースはカタログモデルとしてラインナップされている。車名は「トヨタ・救急車」であり、ハイエース以前の救急車はクラウンのステーションワゴンをベースとしたアメリカ車タイプ(「メトロポリタン型」と言う名称であった。)であったが、これ以降はハイエースをベースとした救急車がほとんどとなった。概ね、ハイエースのモデルライフと同一である。
ハイメディックは1991年に制定された救急救命士法制定に伴い設定されたモデルで救急救命士が行う業務の遂行が出来るように専用の装備が架装されたモデル、いわゆる高規格救急車である。正式名称は「トヨタ・救急車"ハイメディック"」と言う。
応急処置の範囲が広がった事により、内装が大幅に設計の変更が加えられた。標準のトヨタ救急車との違いは、
なお、現在のハイメディック1台のお値段は2WDで1076万2000円(税込)で、これに対して救急車は507万1000円である。
以下、ハイメディックの詳しい説明をする。なお、以下の項目でここでトヨタ・救急車と言う場合はハイメディックではない救急車を指す。
1992年に登場。トヨタ・救急車(≒ハイエース)ベースながらも高規格救急車の仕様を満たす為に拡幅され、またデジタルメーターの搭載などらしからぬ装備がなされていた。しかし、一番大きな違いは搭載されているエンジンが1UZ-FE型、つまりセルシオに搭載されていた4000ccのV8エンジンな事である。高規格救急車としてまだまだ手探りであった黎明期ゆえの文字通りの特殊車両であり、フロントグリルに燦然と輝くV8のエンブレムは伊達ではない。セルシオで260psだったエンジンは救急車用に220psにディチューンされているとはいえ、走りっぷりはさすがであり中の人含めて結構ファンも多いとか。その為、外面は一緒であるが実質別車種とも言える。ちなみにトヨタ救急車はベースのハイエースと同じ2400ccの2RZ-E型である。
マイナーチェンジの際にメーターはデジタルからアナログに変更となっているが、フロントグリルは当初登場した頃のものをそのまま使用している。また一部には右側の中窓・後窓を道具入れにしてある車両もある。
既に最終モデルから20年近くなっており、引退する車両が多くなっている。しかし、パワーがある事による使い勝手の良さからなのか、バブル時代設計故の頑丈さなのか、先に2代目が廃車になっているケースがあるとかないとか。予備車や消防学校の練習車、消防の指揮車両へ転用がなされているが、救急車や消防用の車両は廃車後に民間払い下げが可能なので、病院のドクターカーになったり、海外へ輸出されたりドラマ等の劇用車を扱うプロダクションに払い下げられる事もある。ツワモノになるとこれをベースにキャンピングカーにする者もいるとか何とか。
1997年に登場。グランビアベース(正確にはヨーロッパ向けハイエース)となった。専用設計の多かった初代からある程度を民生用からの流用をする事でコストダウンを図った。しかし、ホイールベースが長くなっているので4WSを採用し、取り回し性能をに向上させた。エンジンはグランビアに搭載されている5VZ-FEで3400cc・V6から180psを発揮する。この代ではトヨタ・救急車とほぼ同一設計となっているが、回転灯などの位置が異なっている。
この代では再びハイエースベースとなり、以降はハイエースのマイナーチェンジと歩調を合わせている。
この代にいたって、エンジンを含めて殆どハイエースの物と同一となっている。これによって大幅なコストダウン効果が図られている。2代目比300万円である。その一方で、大きくなったが故に非常に重量が増えており、それでいて2700cc・151psという低排気量ゆえに動力性能の面で難があると言う声もある(ライバルである日産・パラメディックは3500cc・V6で234ps)
スーパーロングバンやコミューター、グランドキャビンには設定のない右側スライドドアが設けられているが、これは車体を海外仕様ベースとしている為である。従来は右側の中窓・後窓に備わっていた道具入れは右側のスライドドア内部に設けられたスペースに移っている。
トヨタ・救急車とはこの代で完全に外見が同一となった。救急車のみならず、緊急車の装備が既に架装されている事から、消防の指揮車両として新車導入されるケースもある。
ハイエースは安全基準の違いから輸出されない北米を除けばほぼ世界各地で見る事が出来る。2012年まではグランビアボディを使用したハイエースがヨーロッパで販売されていたが、設計の古さからかラインナップ落ちとなった。
エンジンについてはディーゼルエンジンの場合は2500ccが多いが、中には標準車体を中心にインタークーラーなしのものとなっているものもある。その場合、出力が102馬力と馬力が下がっている。3000ccもラインナップに加わっている地域もある。この他、南米などでは2世代ほど前の5L-E型エンジンを搭載している地域も存在する。無論、形式もLH2##型になる(ニカラグアのトヨタのディーラー・つべ)ガソリン車もラインナップにあるが、地域柄CNGやLPGに改造している地域もある。コミューターも日本と同じように存在しているが、シート割が日本のものと異なっており、16人乗りとなっている。また、日本には設定のないスーパーロングボディの窓なし車(ブラインドバン)も存在する。
エクステリアも若干特徴があり、補助ミラーの設定が存在しなかったり、熱帯地域では暖房が装備されてなかったり、エアバッグのレスバージョンがあったりと、細かい違いがみられる。エンブレム関係もディーゼルの場合はBピラーに「D-4D」のエンブレムが装備される。またリアの「HIACE」のステッカーも変化している。日本の場合は単に「HIACE」のみとなっているのに対して、海外仕様の場合は
TOYOTA
H I A C E
いずれにせよ、カローラやカムリの影に隠れてはいるが、トヨタの屋台骨を支えるグローバルカーであることには間違いない。
ハイエースはアジア地域で特に人気があり、海外独自のモデルも存在する。
特に知られているのはヴェンチュリーである。ワイドボディ・セミロングをベースとしてアルファードを意識したと思われるフロントグリルに本革シート、DVDビデオなどの装備がされている。さらに上のクラスとして「ヴェンチュリー・マジェスティ」が存在し、大型の液晶テレビやキャプテンシートの採用など、並行輸入でタイ国内で多く流通していたアルファードと比べても遜色のないモデルとなっていた。その後、アルファードがタイ国内で正規輸入されるようになると、マジェスティは取って代わられるようにカタログ落ちをした。なお、ヴェンチュリーは11人乗りで国内で乗り回す場合は2ナンバー登録となる。
ヴェンチュリーシリーズを個人輸入する場合、非常に手間暇がかかるため、パーツで再現することも多い。ヴェンチュリー自体はタイ王国以外にもフィリピンなどでも見られるが、好事家の間ではこの手のモデルはタイエースと言われる事が多い。
コピー商品の多さに定評のある中国であるが、ハイエースとて例外ではなく、パチモノが多く存在する。無論、トヨタ謹製のハイエースも存在するが、それ以上にパチエースが多く存在している。以下に一例をあげる。
これらの他にも星の数ほどに存在する地場メーカー産パチエースが多く存在する。中には100系の前部分にトラックボディを乗せた車もある。
近年、ハイエースの盗難が漸増しており、最初に書かれてたように2007年には1位という不名誉な記録を作った。ちなみにハイエース以前における盗難率1位はランドクルーザーであった。
急増する背景には日本車の中でも突出した耐久性の他にも、最新型以前におけるセキュリティの甘さが指摘されている。元々、ビジネス用途で使われている事もあり、高級車のように単純に高値がついたり付加価値のある車ではないという認識もある為、セキュリティの面は考慮されてこなかった。しかし、高級車のセキュリティが強化され盗難しにくくなった所に、世界各地で人気でありセキュリティ激甘なハイエースがターゲットとされた。
盗まれたハイエースはまるまる要望のある国へ輸出されるのではなく、バラバラにした後に「部品」として輸出し、本国で再び組みあげられたり、あるいは他のハイエースの部品となったりする。これは盗難車である事を隠すだけではなく、「完成車」として輸出した場合には高額の関税がかかる為に、「パーツ」として輸出する事で関税を抑えている背景がある。
その為、最新のマイナーチェンジでは全車種にイモビライザーが標準設定された。これは車の内容を考えれば異例の装備である。
今日、実用一辺倒のイメージが強いハイエースであるが、日本のどこかにはハイエースを使ってドリフトをかますという強者がいるらしい。車内にロールバー、エンジンはターボ装着で完全武装しているものの、車体は樹脂バンパーという、割合に普通の外観となっている。後輪駆動とはいえ背の高い1BOXでドリフトをかますのは至難の業ではあるが、爆音と共に平然とやってのけるその姿に多くの人々が衝撃を受けた事は想像に難くない。
また、海外では初代ハイメディックのようにV8エンジン、もしくはスープラなどに搭載されていた2JZに換装したハイエースも存在しており、これまた鈍重なハイエースのイメージとは大きくかけ離れた韋駄天ぶりが注目される。他にも現場へいち早く駆けつけられるように右車線をかっ飛ばすものもいたりで、こうしたハイエースの意外な一面を「ハイエースの本気」と言うとか言わないとか。
驚いたことに車も場合によっては積載できてしまう。スーパーロングバンの荷室はセカンドシートをたたんだ状態の場合、長さ3.540mm/幅1.730mm/高さ1.635mmという広大なスペースができる。車でいえば、スズキ・アルトが入るほどである。youtubeにはホンダ・S800をに室内に収める動画があり、その広さが伺いしれよう。なお、実際にはリアホイールハウスの出っ張りがあるので、上げ底しなければならず、アルトを積載するとなるとつっかえることが想像される(エスハチの場合は車高の低さもあった)
ライバル車には日産・キャラバンがある。近年のモデルチェンジで明らかにロックオンしたかのようなグレード体系やデザインとなっている。キャラバンにあって、ハイエースにない車種として5ナンバー幅のスーパーロングホイールベースの車両(100型時代は存在した、と言うかそれしか選択できなかった)がある事である。後発だけあり、ATの5速化やパーソナルユースに焦点を向けたモデルがラインナップされている。無論、ハイエースもマイナーチェンジで対抗し、日々しのぎを削っている。
かつてはボンゴ・ブローニィや三菱・デリカなどがあったが、生産中止となっている(後にボンゴ・ブローニィはハイエースのOEMとして復活)
現在に至るまでカスタマイズのベースとしてハイエースは重宝されてきた。古くはバニングベースとしてチョイスされており、近年は内装を豪華にしたVIPカー仕様や、主に100系ベースで顔つきをVWタイプ2にしたものもある。ご存知の方もいるかと思われるが初代ニコニコカーはこのハイエース100系ベースのVWタイプ2仕様である。また現行でもニコニコカー2代目に採用されている。
その規模たるやハイエース単体で専用のカスタマイズ用のパーツ市場があるほどであり、商用車というジャンルを鑑みれば、異例中の異例ともいえる。
キャンピングカーでもその姿を見る事が出来る。箱型で標準の車体であればベッドを積んだりしても日常で使えるレベルの大きさなのでかなり重宝される。またワイドキャブ車であればより多くの架装が出来る為にこちらの改造も多く見受けられる。なおメーカーでもキャンピングカービルダー向けにワイドキャブ・スーパーロング(グランドキャビンやコミューターと一緒の車体)の車両をベースにした特装専用車をラインナップに入れている。この車両は一般向けには販売されない車で、運転台周りはグランドキャビンのをベースとしながらも荷台の部分は鉄板のみと言う完全に架装に特化した車両となっている。また、最近は中ドア左右開き・標準のハイルーフより高いスーパーハイルーフを採用した特装専用車が登場している。このスーパーハイルーフの特装専用車は元々救急車・ハイメディックとしての架装を念頭に置いた車両なので、前や後ろの屋根の部分に赤色灯の準備工事がなされている。
その大きさよりジャンボタクシーや路線バスで使われる事も多い。
コミューターの場合は14人乗れるので過疎地やマイクロバスで対処不能な程に狭隘な場所での路線バス・コミュニティバスに使用される事もある。
中でも有名だったのは「広島つやまエクスプレス号」である。今では廃止されているが、この路線は文字どおり広島県広島市と岡山県津山市を結ぶものであった。通常はそれこそイメージされるような大型のバスであったが、予約数が少なくて、曜日も限定であるが、何とハイエースが使用されていた。100系のグランドキャビンを使用している。前記の通り、一般の路線バスやコミュニティバスに採用されたケースは多いが、高速バスともなるとこれっきりではないかと思われる。
なお、日本国外では長距離バスの様な用途に使われる事も多く、例としてタイで見られるのはロットゥーと呼ばれる。これの採用車両は8割~9割程度ハイエースである。但し、2000年中盤以降は最近は中国のパチエースが見られる。とはいえ、2018年現在、中華パチエースはほとんど見られないところから、本物よりも耐久性はなかったと推測される。
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64 ななしのよっしん
2024/10/04(金) 20:51:08 ID: 1/UMwCjPpc
65 ななしのよっしん
2024/10/04(金) 21:08:05 ID: Snd0fICAjj
実装のニュースについて
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66 ななしのよっしん
2024/11/20(水) 00:40:35 ID: Snd0fICAjj
水素エンジンと水素エンジンハイブリッド
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最終更新:2024/12/23(月) 15:00
最終更新:2024/12/23(月) 15:00
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