MUSASHI-GUN道-とは、2006年4月9日~10月29日にBS-iで全26話放送された時代劇ガンアクションアニメである。GUN道はガンドウと読む。
ルパン三世の原作者として有名なモンキー・パンチが構想12年かけたシナリオを基に、自身も役員を務めたACCプロダクション(翌年11月に破産手続廃止)が制作した。
概要はあなたがたもよくご存知のはず…
上級者向けとして知られる傑作アニメ。全編にわたり続く作画崩壊(第1話や24話は除く)、不自然な動き、繋がりのおかしいカットやセリフなどが一般的な良し悪しの感覚を突き抜けたレベルだったため、存在そのものがネタとして笑える域にまで達してしまった。同時期に涼宮ハルヒの憂鬱という快作があったこともあり、その落差も話題になった。スゲェ・・・このアニメ、21世紀に放送されてるぜ・・・
アニメーションとしての質の低さとネタ度の高さからインターネットを中心に奇妙な人気が出てしまい、多くのネットスラング、定番AAを産み出す土壌になった。関連動画を観ていただくと、その凄さが分かっていただけると思う。
そのカルト的人気は留まる事を知らず、誰も出ると思っていなかったDVDまで発売される(ただし8話まで、以降は発売未定)。封印BOXと銘打たれた無修正版だったことから一時Amazonの売り上げランキングの上位に列せられる快挙を成し遂げた。なお、後日アニマックスで放送された際には僅かではあるが作画が修正された。修正と言っても背景や彩色のミスを直した程度なのだが、修正したことによってかえってややこしいことになったシーンも存在する。なお、なぜかフランスで全話日本語音声の修正版DVDが発売されている。
ただ、意外にもストーリーは(散々尺稼ぎした割に最終回が尺不足だったが)それなりにしっかりとしており、また声優陣が熱のこもった素晴らしい演技を見せてたため、最終話まで視聴した人達の中には「ネタアニメとしてだけではなくアニメとしてもMUSASHI-GUN道-が好きだ」と言う人が少なくない。
まぁつまり「アニメーションは糞であったが、糞アニメでは決してない」ということだ。
一応フォローすると、作画崩壊は低予算による海外発注(中韓下請け)が原因。
当時BSは普及率が芳しくなく予算が組めなかったようで、アニメ制作に十分な人員も確保できないなど非常に厳しい条件にあった。そのため海外の安い下請けに依頼せざるを得なかったが、これらは技術力が低く、届く動画は日本のものと比較にならないほど非常に粗悪だった。これも本来なら日本で修正されるが、放送ギリギリまで日本に届かないため修正も間に合わず、そのまま放送する羽目になったらしい。と言っても、通常余裕のあるはずのOP・EDまでもれなく低クオリティなのがMUSASHIらしさである。
EDクレジットの作画監督や原画に見るからに日本人でない名前が並ぶ場合は必ず作画崩壊している(いわゆる三文字作画)。反対に何かと叩き対象にされる監督の木下ゆうきが作画監督の回は日本人が作画しているため、実はかなりマシである。
動画IDを見てもわかるように、ニコニコ創成期からうpされていたことが分かる。もし、放送当時にニコニコ動画があったなら・・・
詳細は記事最下部リンクのまとめwikiを参照。
あらすじの喋りすぎは命に関わるぞ
西暦1600年代初頭、慶長…豊臣幕府が天下を治める架空の時代。
我流のGUN道の使い手ムサシは成り行きからアヤカシと戦うことになり、タクアン和尚から「GUN鬼の銃」を託される。資格無き者が手にすれば命を落とすという銃を手に、ムサシと癖のある仲間たちはアヤカシと戦う。
こんな人物が戦っていたのか
- ミヤモトムサシ
- 声:浪川大輔
二丁拳銃の使い手(自称オイラ流)で、30もの城を盗ってきた城盗り。表情のバリエーションが豊富。
タクアン和尚に弟子入り志願しに行くが断られ、成り行きでGUN鬼の銃を託される。
銃での人殺しや小次郎が大嫌いで、大好物はひつまぶし。「うおっまぶしっ」「ひつっまぶしっ」
なお、ムサシを演じる浪川は本作で散々銃を撃ちまくる役を担当しているが
数年後、同じモンキー・パンチ作品でまさかの石川五ェ門役に大抜擢。今度は抜刀してあらゆるものを斬りまくる役になっている。
- 本作では石川ゴエモンを名乗る忍びと相対するシーンがあり、ある意味ゴエモン対決が実現している。
多分本作で主演を務めたことは関係ないと思う。
- ロウニン
- 声:堀川仁
俺はロウニン。カグヤを救ったのはムサシと、剣の達人の俺だ。本当の名?ロウ・ニン。
ムサシの相棒。丸坊主に白目のシンプルな顔で絵も安定傾向だが、たまに黒目になる。
愛刀は念剣メイレツ。「だな!」なお最初に「だな」を使ったのはムサシだったり。
- カグヤ
- 声:河原木志穂
豊臣秀吉の養女で秀頼の義姉。リョウゲンの妻とするため、アヤカシから狙われている。
母の形見の小刀を使う一方、手刀でアヤカシを真っ二つにしたり、落ちながら戦う武闘派姫。
そのため月の巫女なのに、じゃじゃ馬姫と呼ばれたり。たまに巨大化も。
顔が安定せず、良いときと悪いときの差が激しい。「あなたがたもよくご存知のはず…」
- 夢姫
- 声:中村千絵
カグヤの妹。記憶を失っているが、面識のないムサシを夢に見るなど不思議な能力がある。
武闘派の姉に対し、妹は光の鳥「ルコウ」を従え、攻撃に防御と多彩な術を使いこなす反則的な存在。
ムサシ並に作画崩壊の被害者で、顔面崩壊や髪の分け目の有無が話題に。「だめえええええ!」
- ニンジャ太郎
- 声:小林ゆう
ムサシ殿の一の子分を自称する、緑の忍装束を着たへっぽこニンジャ。
皆にわざと名前を間違われる。例:ニンジャ868号→「ホームラーン!」(王貞治の本塁打記録ネタ)
唐突で脈略もなく王世代でもすぐ理解されないだろうギャグだが、なぜか乱用される。
- デスペラード
- 声:柳沢真由美
おっぱいぼよよ~ん!な異国の女人。ムサシをファーザーの仇と思い込む。
初登場時の1話のみ一人称がわたしで女口調混じりだったが、2話以降なかったことに。
女性だが顔は安定気味。アフレコバージョンでは「デススペラード」「デスグラード」と誤記された。
長さといい、細さといい、足首の締り具合…最高じゃ…。「OHニンジャ!ウタマロ!ゲイシャ!」
- ダンジョウ
- 声:山野井仁
カグヤに仕える武将で、西軍の切込み武将を務めた。髪型がよく変わり、ひげもよく消える。
1話前編は強そうに見えたが、後編から完全にギャグキャラ化。「拙者、お嬢様系が好き」
- タクアン和尚(シバヅケ和尚)
- 声:田中総一郎
GUN道の第一人者で大徳寺の和尚。「スッゲェあのじいさん、落ちながら戦ってる」
小次郎に負けた時の条件として、タクアンの名を捨てシバヅケ和尚を名乗っていた。
奥義は顕邪の舞。MUGENキャラ化され、ある意味ムサシ以上に有名な、この作品を象徴する存在。
終盤で自身の正体を明かして再登場する企画だったが、尺の都合でボツになってしまった様子。
そのため序盤早々、荼毘の字との喧嘩を最後に登場しなくなる。「喋り過ぎは命に関わるぞ」
- 荼毘の字(レオナルド・ダ・ヴィンチ)
- 声:廣田行生
ヤシャが蘇らせたカラクリ屋のジジイ。客がピンチでも武器弾丸を高額で売りつける。
怪しい南蛮言葉を使い、発明の為なら誰にでもつく。「まいねーむいずだびのじ。からくりますたあ」
- 猿飛佐助
- 声:小林ゆう
荼毘の字が飼う忍者猿。荼毘の字やタクアン和尚の無茶振りにも従う。
題名になった12話は衝撃的で、本当は(喋りすぎは命に関わるぞ)。未来の佐助(喋りすぎは)。
小林ゆうはリアルな猿を演じるため、動物園の本物の猿を参考に勉強したと答えている。
- 真田幸村
- 声:木下紗華
三勇士真田十勇士を従える豊臣側の武将…なのだが史実と異なり、この作品では女である。
女キャラの例に漏れず、かなり顔が崩れてしまう。胸の谷間もかなりおかしい。
- 小早川秀秋
- 声:武藤正史
関ヶ原の戦いで西軍を勝利に導いた戦国武将。作画崩壊が別次元。影を見て!→影も修正
一連の話が終わる12話でヤシャらにテレポーテーションされ、その後一切でなくなる。
GUN鬼の呪いに負け明智撃ちを放つ小早川三部作は必見。「なぜうしろに月が!?」
- リョウゲン(徳川家康)
- 声:斎藤志郎
天下取りのためアヤカシに魂を売り渡し、力を得た代償に醜い姿となった元・家康。
必殺技はタヌキの舞。史実上の家康が狸とあだ名されたことに由来するらしい。
お笑い担当を自称し「わしは笑いに人生のすべてをかけておるんじゃ!」と豪語する。
- ヤシャ
- 声:五十嵐麗
仮面で素顔を隠しムサシ達の前に立ちはだかるアヤカシの親玉。アイキャッチではデフォルメ化。
家康をそそのかしアヤカシの姿に変えた張本人。優男と呼ばれるが、なぜか巨乳な場面がある。
クレジットでは「ヤシヤ」という誤植が散見された。「どうにもなりませぬ」
- 師範
- 声:赤城進
大徳寺のNo.3。だがムサシにGUN道勝負で敗れ、女王蜘蛛には捕まり何もできず。
なお赤城進は吉岡伝七郎や石川ゴエモン、根津甚八、石田三成など多彩な役を兼任する。
このため師範の出番が終わっても声は継続出演する。「こんな相手と戦っていたのか!」
- ジジョウダ
- 自己紹介に余念がない翼付きのパンイチアヤカシ。だが結局誰にも名前を呼ばれなかった。
和尚に瞬殺されるも、迷言「おんみょうだんをくらえ!うおっまぶしっ」を引き出した影の功労者。
- 普通にしゃべるが、配役はエンディングにクレジットされておらず不明。
- アヤカシ女王蜘蛛
- 声:根本圭子
あちきは通称「魔糸使いの女王蜘蛛」でありんす。バイト使いでも女郎蜘蛛でもないでありんす。
人を操る強靭な魔糸を吐き出し、廓言葉で話す。元ネタは芥川龍之介の小説「蜘蛛の糸」に登場する極楽の蜘蛛。元が極楽の存在故にアヤカシ相手の武器は通用せず、ムサシ達を苦しめた。
最期はエンカボウダンで焼死。作画崩壊をカバーする声優の熱演は必聴。
正式名は「ガンダダーン」らしいが、本編はおろかクレジットにすら使われていない。
- 佐々木小次郎
- 声:櫻井孝宏
長刀・長銃・長髪を持つムサシの宿敵。会話にはよく出るが最終回直前まで登場しない。
ムサシに何やら迫っているが、その理由は最終回まで明かされない。
- 馬
- いかな状況にも決して慌てず動じず、表情すら変えない不気味な存在。
この時代らしく人間の足として大活躍する。特技は前脚クロス走法、絶壁滑落、カメラ目線。
いい動画だな、少し借りるぞ
放送当時は権利者削除もあったが、制作会社倒産後は現状全話アップされている状態
関連用語にスタコラサッサだぜー
リンク
MUSASHI-GUN道-まとめwiki