源義朝とは (ミナモトノヨシトモとは) [単語記事]

源義朝（1123？～1160）とは、平安時代末期の武将である。

概要

保元の乱以前

源為義と藤原清忠娘の息子。なお、生年は『天皇編年記』の38歳で殺害された記述からの逆算で、正確に残っているわけではない。

源為義の息子で京都生まれといっても、ほぼ関東に下向し暴れまわっていた存在である。この辺の経緯としてよく言われるのが、白河院近臣を母系に持つため、摂関家に配慮した源為義が廃嫡したとされるが、野口実らの研究によって、源為朝らと同様に河内源氏の勢力拡大を目論んだもの、とも言われている。

ともあれ、『下総国平忠常寄進状』と『天養記』の2つの史料から、下総国相馬御厨を千葉常重から上総広常に譲り渡させた事件、大庭御厨に乱入し、三浦義継・三浦義明、源義清らと大庭御厨を荒らしまわった事件、の2つが知られている。

これらから、最初は上総氏に養育され、鎌倉に移り、三浦義明の娘と結ばれて源義平らが生まれていった。

こうした源義朝は、当初は摂関家を頼りにしていたのだが、やがて鳥羽院に接近し、源為義らと手を切っていく。この結果、仁平3年（1153年）には無位無官から下野守になり、従五位下に叙爵。つまり半世紀ぶりに河内源氏から受領となったのである。

かくして貴族となった源義朝は、帰京して熱田大宮司家の藤原季範の娘とも婚礼し、源頼朝らを設けていった。この頃から、『兵範記』等に名前が良くみられるようになる。一方、関東に残していた源義平が源義賢と秩父重隆を殺害する大倉合戦を引き起こす。この背後には当然源義朝がおり、完全に摂関家に与同した父や兄と縁を切ったのである。