小少将とは (コショウショウとは) [単語記事]

小少将とは、戦国時代の女性の名前である。

概要

小少将という名前は当時それなりに流行していたらしく、朝倉義景の側室や長宗我部元親の側室が同名であることがわかっている。

戦国時代の四国においては上述の元親側室だけではなく、彼の敵対する勢力武将の妻にも同名の女性が居たので歴史を題材にしたフィクションでは同一人物として扱うこともある。

朝倉義景側室の小少将

父の斎藤兵部少輔は朝倉氏の家臣、兄弟に斎藤新三郎、息子は愛王丸。跡継ぎを失った朝倉義景にあてがわれて1570年に愛王丸を出産する。それによって義景から寵愛を受け小少将やその女房達は朝倉家中で権力を増して政治に介入するようになったという。義景も政務を省みなくなり、それが朝倉家滅亡の原因ともいわれる。

刀根坂の戦いで朝倉が敗れた後は一旦落ち延びたものの朝倉景鏡の裏切りによって義景は自害、愛王丸（4歳）や姑の光徳院は捕らえられて殺されてしまった。小少将本人が共に死んだのか、生き延びたのかは不明で。岐阜県の願興寺の言い伝えでは義景の妾が寺を頼って落ち延び、義景の子を出産したという話もある。

四国の小少将

生没年不明の絶世の美女。父は岡本牧西(岡本清宗)という武将で、嫁入りしてからは数奇な運命を辿ることとなるが数奇過ぎることから複数人の名前が被っただけではないかとも言われている。また小少将にまつわるエピソードは信憑性が高いかはどうかは疑問符が付く。

夫は細川持隆→三好義賢→篠原自遁→長宗我部元親

息子は細川真之、三好長治、十河存保、長宗我部右近大夫

細川持隆に嫁ぐ

阿波守護で細川氏一門の持隆に側室として嫁ぎ、1538年に細川真之を出産している。1553年に見性寺で持隆は自分に仕えていた三好義賢に殺害され、小少将は彼の継室にされてしまう。

以前から小少将は義賢と不倫していたのか、同年には義賢との息子・長治を出産している。

三好義賢の継室に

三好長慶政権安定の為に阿波を掌握するべく、義賢は15歳の真之を傀儡に阿波守護として擁立したものの、暗闘が続いたために掌握は完全にはならなかった。翌年の1554年には3人目の息子である十河存保が生まれている（十河家の跡取りとして養子に出されている）。

1562年の久米田の戦いで義賢は戦死し、小少将はまたもや夫を失うこととなった。

篠原自遁の妻に

小少将は三好義賢の死後、子の長治に代が変わってからは三好家に仕えていた武将・篠原自遁と通じるようになった。それに伴って自遁は兄・篠原長房（有能で当時の三好家で中心的な家臣だった）との関係が悪化。若い長治をそそのかして1573年に上桜城の戦いで兄を滅ぼしてしまう。その時、主力として攻めたのは十河存保であった。

息子達の戦い

三好家に傀儡として利用され続けていた細川真之はそれに不満を持ちっていた。その異父弟で三好家当主・三好長治は暴政をはたらき、十河存保は讃岐勢から離反を警告されてしまう。織田との戦いもあり、三好家は勢力が衰えていく。

三好家から離れた真之は三好家と相対する長宗我部元親に救援を求めて異父弟三好長治を攻め、長治は24歳で自害。長宗我部元親は織田信長と対立し、存保は織田の助力を得て長宗我部軍と戦うこととなる。そして1582年に存保に敗れて真之は44歳で自害。

ただ一人生き残った十河存保だが1584年には長宗我部元親に負け、豊臣秀吉を頼って落ち延びることとなった。その後は四国征伐に協力し、大名として旧領復帰を果たす。しかし、翌年の九州征伐では無謀な作戦に巻き込まれて戦死、長宗我部元親の息子・信親も同様に死亡してしまう。33歳であった。

長宗我部元親の側室

1583年に長宗我部右近大夫を出産しているが、当時は長宗我部元親は息子の十河存保と敵対している。また、最初に生まれた細川真之の誕生から45年も経過しているので元親の側室は同名の別人であるとも言われている。

一部の歴史フィクションではあくまで四国の歴史に登場する小少将を同一人物であるとして描いているものもあり、その通りであればとんでもない烈女である。

戦国無双

四国の小少将をモチーフに乱世を自身の魅力で渡り歩く謎多き魔性の美女として登場する。外見はピンク色のアフロにアメリカのセレブのような出で立ち。武器は身にまとっている羽衣。

四国を手に入れようとしており、男達をその色香で魅了して戦場に誘う。劇中では三好家を従えており、総大将同然であった。2度元親と戦うことになるが、後に協力することとなる。主な出番は四国と織田の章。長宗我部家と天下の関わりを拡大解釈したのか本能寺の変、関ヶ原の戦い、大坂の陣といった歴史の節目に関わる戦いにまで参戦している。

外見のインパクトは強いが意外と常識人で、常識的ではない元親やガラシャにペースを乱されることも多い。ガラシャからは大人の女性として注目されており、敵対時は「マショウ」、味方になってからは「師匠」と呼ばれている。それに対して小少将も満更ではないようで「わらわちゃん」とガラシャを呼んでいる。また、柳生宗矩には「美女ちゃん」と呼ばれている。