ばらかもんとは (バラカモンとは) [単語記事]

ばらかもんとは、ヨシノサツキの漫画作品である。

概要

スクウェア・エニックスの漫画雑誌『ガンガンパワード』2008年 4月号・10月号・2009年 4月号にそれぞれ1話読み切りで掲載された後、『ガンガンONLINE』に移籍し、2009年 2月21日更新分より2019年 1月10日更新分まで連載された。その後『月刊少年ガンガン』にて期間限定の復活連載として2023年 5月号よ掲載される。コミックスは全19巻。九州の北西部に位置する、長崎県の五島列島を舞台にした日常系ギャグ漫画である。

都会育ちの若き書道家・半田清舟は、ある日書道界のお偉いさんに自分の作品を扱き下ろされた事に腹を立て、彼を殴ってしまった。その行動を見かねた半田清舟の父親は息子に対し、頭を冷やし、自身に欠けているものを見つけ出させるために、彼を五島列島へと送り込んだのだった。その地で、半田は琴石なるという少女を始めとした五島列島の人々と出会い、交流を深めていくうちに彼自身も変わっていく、というのが大まかなあらすじである。

このあらすじだけ見るとシリアスっぽいが、前述したように実際の話は島でのドタバタ系の日常ギャグがほとんどである。そして半田先生は愛すべきヘタレであり、萌えキャラである。

作者のヨシノサツキ自身が五島列島出身者ということもあって、作中では五島列島の方言や文化が多く出てくる。
例えば各話タイトルは五島列島の方言で表されており、漫画のタイトル「ばらかもん」も五島列島方言で「元気者」という意味である。

2013年 9月19日、アニメ化されることが決定、2014年 7月から9月まで放送していた。
また、『月刊少年ガンガン』本誌にて同年11月号（10月12日発売）から2016年 10月号（9月12日発売）まで半田先生の学生時代を描くスピンオフ作品『はんだくん』が連載されていた。こちらは全7巻。
また、『月刊少年ガンガン』2014年 8月号（7月11日発売）より2019年 1月号（12月12日発売）まで『ガンガンONLINE』と並行する形で『ばらかもん』本編が同時連載されていた。

また、ヨシノサツキの短編集『みしかか!』には、高校生になった美和とタマの話が収録されている。

登場人物

先生 / 半田清舟　CV：小野大輔: 書道界の家元の跡継ぎで23歳。清舟は雅号で本名は「清」（せい）。島民たちからは「先生」と呼ばれている。
入賞作品を酷評され逆上し、暴力事件を起こしてしまう。大事には至らなかったが、父から「頭を冷やしてこい」という計らいで五島へ送られる。
プライドが高く、島に来て最初の出展で2位になったときには「1位じゃなきゃ意味がない」というくらい落ち込むほど。それでも抜けてるところは多々あり、面倒見は良い。
子供のころ「成績は4と5以外取ったことが無い。」と言っており、習字以外の面でも優秀である。しかし、その反面、料理は恐ろしく下手で自炊した際には出来上がったものがわからないほど。幽霊や虫が苦手。都会育ちのためか島の生活や習慣に戸惑う生活を送っているが、彼も幼少時から習字に専念しているため、一部常識にかけている面がある（黒電話の仕組みがわからなかったり、ネジ締り錠の使い方がわからないなど）。

島の子供たち

なる / 琴石なる　CV：原涼子: 生徒数9人の分校に通う少女で祖父と二人暮らしの7歳。左手にミサンガを着けて前髪を左側で縛っている（本人は真ん中で縛りたいのだが頭を傾けながら縛るためどうしてもうまくいかないらしい）。
清舟が借りた空き家を秘密基地として使っていたところを見つかり、書道を教えてもらう仲になる。清舟のことを「先生」と呼び慕っている。明るく活発な性格。
ひな / 久保田陽菜　 CV：遠藤璃菜: 分校に通う少女でなるの親友。7歳。人見知りが激しく、哀しくても泣くし楽しくても「わああああ楽しいよおおおお」と泣く。しかし、本人は泣いて先生の反応を楽しんでいると発言しており、清舟からは腹黒いかもしれないと思われている。
美和 / 山村美和　CV：古木のぞみ: 島に住む女子中学生。14歳。ボーイッシュで勝気な少女。なるたちからは「美和ネェ」と呼ばれている。なるやタマと清舟が借りた空き家を秘密基地にして遊んでいた。なるに色々と良からぬ知識を吹き込んでいる（アバズレや枕営業など。なる自身は意味はわかっていない）。
タマ / 新井珠子　CV：大久保瑠美: 美和の友達の女子中学生で14歳。三つ編みで眼鏡をかけている。清舟たちは「タマ」と呼んでいる。
なるや美和と同じく清舟が借りた空き家を秘密基地にして遊んでいた。漫画家を目指しており、作風はホラー漫画のようなグロテイスト。本人は否定しているが、実は腐女子。漫画に影響されて忍者を目指していた時期があり、身体能力は意外と高い（体育の成績は5）。
ヒロシ / 木戸浩志　CV：内山昂輝: 高校3年生で郷長夫妻の息子。中学生のときに成績表でオール3を取って落ち込み、さらに両親からも凡人扱いされたことで不良になり、髪を金髪に染めた。しかし、根は良い人物で、清舟の努力を目の当たりにして心を入れ替えた。
料理が上手いという特技があり、清舟に指摘されて以来、進路にも変化がみられている。
ケン太 / 大浜謙太郎　 CV：木村聖哉: 分校に通うガキ大将で坊主頭の少年。漁師の子で、なるのことが気になっているが、なるは気付いていない。
あっきー / 新井明彦　 CV：潘めぐみ: タマの弟で同じく眼鏡をかけている。子供たちの中ではしっかり者で、清舟も関心を置いている。

島の住人

郷長 / 木戸裕次郎　 CV：杉野田ぬき: ヒロシの父親で清舟の住む借家の管理人。眼鏡をかけていて、噂を広めるのが大好き。
教頭 / 坂本一行　CV：立木文彦: なるが通う分校の教頭。基本的にいい加減であまり教育者らしくない教育者。一輪車に乗れないことを気にしている。

東京の住人

川藤鷹生　CV：諏訪部順一: 清舟の中学時代からの友人で良き理解者。画商を営む。眼鏡をかけていて、両肩にタトゥーを入れている。酒にめっぽう弱い。
神崎康介　CV：梶裕貴: 書道家で18歳の高校生。童顔の美少年だが腹黒である。清舟をリスペクトしているためか書風も島に来る前の彼とそっくり。根っからのインドア派で虫や貝などが苦手。その為か、なるとはあまり仲が良くない。