とても本質的な問いですね。ワイン醸造におけるアルコール発酵と酢酸発酵の競合関係を理解するうえで、以下のように整理すると納得しやすいです。
結論:アルコール濃度が上がれば酢酸菌は活動できなくなる → 酢になるリスクは減る
ただし、発酵初期の管理が甘いと、酢酸菌が先に活動してしまう可能性は十分あるため、空気遮断と衛生管理が極めて重要です。
◆発酵のメカニズムと競合関係
- 酵母は糖をエタノールに変えることでワインを作ります。
- 酢酸菌はエタノールを酢酸に変えるため、アルコールができた後に空気に触れると酢になるリスクが出てくる。
- 酢酸菌はアルコール濃度が10〜12%を超えると活動できなくなるため、アルコール濃度が十分に上がれば酢になる心配はほぼなくなります。
◆酢になるリスクが高いのはいつ?
- 発酵初期〜中期:まだアルコール濃度が低く、酢酸菌が活動できる。
- 空気に触れている部分(液面):酸素があるため、酢酸菌が繁殖しやすい。
- 衛生管理が不十分な場合:酢酸菌が混入しやすく、酵母より先に活動することも。
✅ 対策:酢にならないようにするには?
- 空気遮断(嫌気的環境):発酵容器にエアロックを使う、密閉する。
- 酵母の活性を高める:温度管理(20〜25℃)、糖分の確保。
- 衛生管理:器具・容器を殺菌し、酢酸菌の混入を防ぐ。
- 発酵の進行をモニター:比重計やアルコール濃度計で進行度を確認。