「きれいごと」について、ある特徴を持つ物語がないか、質問させていただきます。 例として幾つかの物語の重要な展開を明かします。 また、センシティブな話題かもしれません。ご注意ください。 「きれいごと」を複数の意味で使っていて、「きれいごとを言うな」という人物同士でも意見や行動が違っていることが示される物語がないかの質問です。 日曜劇場『キャスター』では、娘の治療のために違法な臓器移植をしようとする母親が、夫に止められて「きれいごと言わないで」と言っています。つまり、「家族のためでもしてはいけないことがある」という概念を「きれいごと」だとみなしたようです。 しかし、『実際に介護した人は葬式では泣かない』という書籍があり、試し読みで「高齢者介護にきれいごとは通用しない」とありました。こちらは、「家族を大切にすべきだ」という概念を「きれいごと」だとみなしているようです。 つまり、「きれいごと」の方向性が、少なくともこの2つで逆のようです。 また、小林泰三さんの小説『AΩ』では、最近の刊の帯に「綺麗ごと0%」とあり、様々な残酷な場面がありますが、その1つが、宇宙人が一族のうち、「落ちこぼれ」に、一族全体に必要ながら危険な仕事を「莫大な報酬」でさせるところでした。 しかし小林さんの『ウルトラマンF』では、「人権に配慮していれば地球は守れない」と主張する科学者のインペイシャントが怪獣などからの防衛のためにかなり残酷な実験などをするものの、「落ちこぼれに危険な仕事を押し付ける」ことはした様子がなく、むしろ模範的で優秀な隊員の「危険に立ち向かう覚悟」は認めたとも取れる言動がありました。 つまり、「きれいごと」の全てを否定したわけではないかもしれません。 また、連続テレビ小説『あんぱん』では、戦後に復員した人間が、「きれいごとだけでは何も解決しない」と言っていましたが、「きれいごと0%」の考えではないようでした。 そこで質問があります。 1つの物語の中で、「きれいごとを言うな」という人物が複数登場しているものの、「きれいごと」の定義が異なり、その人物同士で異なる意見や行動をすることが明示されるものはありませんか? カテゴリは「小説」、「ドラマ」ですが、他でもかまいません。 重要な展開を明かしていただいてもかまいません。 「きれいごと」についての意見ではなく、ここまで挙げた条件を事実として満たす物語がないかの質問です。