回答(6件)

もしそんなことをJR西日本の人間が言ったら、JR東海からすれば「お前らよくそんなことを言えるよなっ!」ってなる。 1991年に新幹線鉄道保有機構から、本州三社に既に開業していた東北、上越、東海道、山陽の新幹線が有償譲渡されたんだよね。で、山陽新幹線は当然、JR西日本に対して譲渡されたんだけど、このときの譲渡費用は9,741億円だったんだよな。 結構支払ったんだな・・・ってなるだろうけど、そうじゃない。 こういった場合の譲渡費用は再調達価格(同一の品質・用途・規模・能力を持つものを新たに取得・建築するのに必要な費用)を基準に計算されるんだけど、山陽新幹線の1991年の再調達費用は1兆7,987億円。つまり、半分くらいしか支払っていなかったんだよな。じゃぁ、足りない分はどうしたのか? 再調達費用と譲渡額を書くと JR東日本(東北上越) 再調達価格 4兆4,192億円 譲渡費用3兆1,070億円 JR東海(東海道) 再調達価格 2兆9,589億円 譲渡費用5兆957億円 このようにJR西日本とJR東日本が安く新幹線を譲渡されるために、JR東海は東海道新幹線を倍近くの価格を支払うことになったんだよな。これが「お前らよくそんなことを言えるな!」ってことの1つ目。 ちょっと待て!2つ目があるのか?ってなるだろうけど、これが質問に出てきた補足と絡んでくる話なんだよな。 で、1991年に新幹線鉄道保有機構から既に開業していた新幹線を本州三社に譲渡されたと書いたよな。一方で国鉄の分割民営化がされたのが、1987年4月1日。それまで本州三社に新幹線鉄道の所有権はなかっったということなんだよね。で、じゃぁどこに所有権があったのか?というと、新幹線鉄道保有機構だったんだよね。 本州三社は新幹線鉄道保有機構から新幹線鉄道を借りて、営業をしていたんだけど、借りている本州三社は新幹線鉄道保有機構にリース料を支払っていたんだよな。で、このリース料も厄介だったんだ。 本来、既存の設備等のリース料っていうのは、さっき書いた再調達価格が基準になるんだけど、国鉄の分割民営化に当たって政府は、本州三社のサービスの均質化を名目に、滅茶苦茶なリース料の設定をしたんだよな。 で、民営化当初の1987年とリース料が改定された1989年のリース料を書くと、 JR東日本 1987年~ 1,985億円 1989年~ 2,127億円 JR東海 1987年~ 4,169億円 1989年~ 4,201億円 JR西日本 1987年~ 944億円 1989年~ 741億円 要はJR東海が高いリース料を支払う一方で、JR東日本とJR西日本に対しては安いリース料で済ませたんだよね。そのため民営化直後からJR東日本とJR東日本とJR西日本は黒字になったけど、JR東海は1991年に新幹線が譲渡されるまで、赤字だったんだよね。つまり、JR東海にしてみれば、JR東日本とJR西日本が負うべきコストが転嫁されて赤字になってしまったということなんだよね。 まぁ、JR西日本にしてみれば、リース料のことでもそうであるし、譲渡費用でもJR東海が多く支払ったから救われたところが大きいんだよね。 ここで一つ疑問に思わないか? JR西日本にしてみれば、在来線では京阪神地域くらいしか儲からなく、あとは赤字が見込まれていたから、経営基盤が弱いことはわかっていたんだよな。だから、リース料も譲渡費用もかなり優遇されたいたんだよな。 じゃぁなぜ、JR東日本は優遇されていたのか?ってことなんだよな。 で、これは本州が三分割されたことに関わってくるんだけど、国鉄の分割民営化を進める中で、政府与党の中でも分割民営化に対して反対したり、疑問視する者も少なからずいたんだよな。野党も分割民営化に反対していたから、逆風の中で分割民営化を進めていたんだ。 そういった逆風の中で、首都圏を擁するJR東日本だけでも、経営を成り立たせることで、分割民営化は成功したとしたかったんだよね。そのため国鉄が保有していた有望な資産や商標などの知的財産権は、JR東日本に集中させることにしたんだよね。 ところが、問題になったのが東北上越新幹線だったんだ。実は当時東北上越新幹線は赤字だったんだよな。1985年で約2,300億円の赤字だったんだ。この赤字を埋める方法はないのか?ってことで出てきたのが、新幹線鉄道保有機構のスキームだったんだよね。当初は本州は東日本と西日本の二分割で、東海道新幹線は西日本に帰属するはずだったんだ。じゃぁ、この東海道新幹線の収益を上手く東日本に流すために、本州は三分割し東海道新幹線はJR東海の管轄とさせたんだよね。で、新幹線鉄道保有機構から貸し付ける形にして、JR東海から高いリース料を徴収する一方で、JR東日本とJR西日本には格安のリース料とし、JR東日本の新幹線の負担を軽減させたんだよね。 JR東海にしてみれば、経営基盤が弱く東海道新幹線と一体的な運行がある山陽新幹線を運行するJR西日本のためにコスト負担をすることは納得していたんだけど、JR東日本のためになぜ?ってことになったんだよな。 まぁ、このことが後に東海道新幹線の品川駅の建設などに影響を及ぼしてくることになるんだけど、それは別の話。

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三大都市間を結ぶ東海道の重要性が理解できない人が多過ぎる。沿線人口一つ見ても日本人の半分以上になる。集積企業や製造拠点は言うに及ばす。 東海道の公共交通機関を世界最高レベルに保つことは、経済力の維持すなわち国力に直結する課題。 それを、儲かるとか儲からんとか方針がわからんとか、どういう事ですか。状況の理解力無さ過ぎ。

東京人ではなくて、歴史的経緯から関西嫌いが多い東北人(東北出身の某政治家)が、ですね。 伝わって来ている話では、「本州は東西二分割」で、東海道も含め、東京~博多の新幹線はすべて西日本会社に持たせるという案で固まりかけていたのだそうです。しかしそれを聞いた宮城県出身の三塚博運輸大臣(当時)が「日本の顔である東海道新幹線を大阪の会社に持たせるなどあり得ない!」と大激怒して、東海を作る事になった、と言われています(以上がすべて事実かどうかまでは保証しませんが、「要出典」とされつつもwikiに載ってるぐらい、わりと一般的に語られて来た話です)。 あくまで↑が事実なら、という前提にはなりますが、当初の本州東西二分割案であったら西の経営は間違いなく安定していたわけで、わざわざ西が苦しくなるような分割の仕方に変えた、という事になります。 言い方悪いですが、分割民営ってその程度の哲学でやってたんですよ。職員整理の都合を優先して、三島を真っ先に「一島それぞれ単独一社」と決めた事も含め、どう切ればうまく経営出来るか、なんて一切考えていませんでした。地方は都会の儲けに頼るな、とか、1人3役5役やって稼げ、とかそういう精神論ばっかり。結果として10億の桁の災害復旧も躊躇する会社と、7兆とか10兆とか自前で出してリニア作ろうかという会社とが出来てしまったわけです。

?2024年度は運輸、全体ともに黒字ですが。

そもそも東海道新幹線を分割管理すること自体が現実的に無理だったのでしょう。