なぜ昔は公務員になれば一生食べるのに苦労しないみたいに言われていたのでしょうか？

① 終身雇用と高い雇用安定性 昔の日本（特に昭和～平成初期）は、民間企業でも「終身雇用」が当たり前でしたが、 公務員はそれ以上にクビになることがほぼない職業でした。 • 民間企業は倒産やリストラのリスクがある • 公務員は国や自治体に雇われており、よほどの不祥事がない限り解雇されない そのため、親世代は「一度入れば一生安泰」と考えたのです。 ⸻ ② 安定した給与と年金 公務員の給料は景気に左右されにくく、毎年ほぼ確実に昇給がありました。 さらに、 • 退職金が多い • 公務員共済年金（今は統合されたが昔は手厚かった）で老後も安定 という制度的な優遇がありました。 つまり「一生食べていける＝安定した収入と老後の保障」がセットで得られたのです。 ⸻ ③ 昭和～平成初期の民間格差 当時の民間企業は今ほど労働環境が整っておらず、 • ボーナスや残業代が出ない • 不況でリストラ • 零細企業が多く倒産リスクも高い といった不安定さがありました。 それに対して公務員は、給料が低めでも確実にもらえるという安心感が大きかったのです。 ⸻ ④ バブル崩壊・不況時代の影響 1990年代以降、バブル崩壊で民間企業が大量リストラを始めた一方、 公務員は影響が少なかったため、「やっぱり公務員は強い」と再認識されました。 この時期の印象が特に強く残っています。 ⸻ ⑤ 親世代の価値観の影響 戦後～高度経済成長期を生きた世代にとって、 「安定＝幸せ」「公務員＝安定」でした。 この価値観が教育や進路指導にも反映され、 「いい大学→公務員→安泰な人生」という図式が固定化されました。