『〇〇県嘱託警察犬』というプレート?って、銘文は確かですか?県庁が嘱託するわけでないので、少なくとも〇〇県警…とか〇〇県警察本部…等と書かれると思いますが…。
それはさておき、嘱託に関しては、各警察本部でマチマチですが、そんな余計なものを付与するのかしら?税金でまかないますから無駄使いですね。真偽はその県警本部に尋ねないとわかりませんが…。
私ならそんなもの取り付けませんね。犬に悪戯でもされたら困りますから。『日本警察犬協会会員之章』(添付写真参照)と書かれていませんか?
さて、ご質問の要点は、嘱託警察犬と思われる犬が庭に放し飼いされ、その犬が塀越しに吠えるが、そういう行動を放置していると、警察犬としての作業時に影響が出るかでないかということですね。
屋外で、放してあるいは係留して飼うことは、犬の気質や行動等に多少影響すると思います。
常に外敵にさらされているような状況ですから、それなりにテリトリーへの侵入に対する警戒や防衛に関して、犬本来のものが出やすくなります。
これはシェパードに限ったことではなく、大型や小型の別もありません。
しかし、全てがそうかと言えばそうでもありません。元々の気質に個体差があり、屋外で飼われてもフレンドリーな犬はフレンドリーなままと言うことは少なくありません。そういう犬は番犬に向きません。
また、ご質問文では2頭ということですので、1頭の場合と群れの心理が働く複数頭とでは違ってきます。複数頭の場合のほうが吠えやすく、攻撃的になりやすい傾向があります。
シェパードであろうがチワワであろうが、シャイ(神経質、怖がり)な犬ほど吠えやすく攻撃的です。そういう犬は使役に向きません。
そういう犬は自己が暮らす敷地や室内で完璧に人間の指示に従ったり指示された行動ができても、街頭あるいは野外等で人間の指示に従う、あるいは指示された行動をとることができないようになります。
自己を守る為に周囲を警戒することがその犬にとって最重要になってしまい、それどころでは無くなってしまうからです。
そういう気質ではなく、警戒は怠ってはいないが、冷静に行動できる気質の犬なら、ご質問のような環境下で飼育されていても、その場所から出てしまえば侵入を防ぐことがかなわないのでその警戒をといてしまいます。
ウチには両タイプの犬がいます。比較的シャイな犬(他の犬に吠えられると容赦せずに行動にでるタイプ)とそうでない犬(至近距離で吠えられても冷静に判断して対処するタイプ)です。両方とも訓練資格を取得していますが、前者?はやはり駄目ですね。役に立ちません。自宅では単なる番犬と化します。後者?は競技会の成績、日常の態度とも良好です。
両方とも自己が暮らす住居への侵入を防ぐ為に威嚇行動をとりますが、指示(『止め』の声符)で咆哮を止めることができるのは冷静なタイプでシャイなタイプは止まりません。
しかし、面白いもので、そういうシャイなタイプの犬でも、まずその犬を自宅の門扉から外へ出し、少し離れた場所で訪問者を迎え、その訪問者を先に歩かせて自宅へ入らせれば吠えもしません。
百聞は一見にしかずですから、一度、日本警察犬協会あるいはジャパンケネルクラブの訓練競技会の会場へ行かれてはどうでしょうか。犬は車に待機させられています。その車の周りを歩いたら、周辺の車に待機させられている犬が一斉に吠え出します。中には吠えない犬もいます。
一旦、その周りから離れて観察し、そのけたたましく吠えついた犬が車から下ろされたところへ素知らぬ振りで近づいて見て下さい。多分、何事もなかったような態度を示すと思います。
そういう犬でなければ、数百頭(霧ヶ峰高原で開催される日本訓練チャンピオン決定競技会では全国から約千頭が出場)の犬と大勢の見知らぬ人が集まっている会場で厳しい規定の作業はできないということです。
足跡追及作業以外は紐(引き綱)を外します。そこらじゅうに、それも至近距離に犬や人がいますから、それらを襲撃したりすると大変なことになります。襲撃するような犬は、嘱託にはまずなれません。
一般の家庭犬(犬種やサイズにかかわりなく)でも同様に、家や庭のそばを通る人や犬に吠えつく犬でも、散歩に連れ出すと吠えもしないものです。勿論、そうでない犬もいます。
ところで、ご質問文にある2頭あるいはその内1頭が嘱託であるとは限りません。その他にも訓練所等に預けられている犬がいて、その犬が嘱託なのかもしれません。
また、冒頭に書きましたようにそのプレートが、もし添付写真の会員章(門標)であるならば、会員になれば購入できるものですから、その門標が取り付けられていても、犬が訓練されていたり、競技会に出場したり、警察本部の嘱託審査を受けているとは限りません。単に飼われているだけという場合もあります。