99式自走155mmりゅう弾砲は、対戦車用ですか?

榴弾砲は基本的に装甲を持たないソフトスキン用。 つまりは対歩兵用であって戦車相手は想定していません。 当然ながら対戦車用の砲弾はありません。 榴弾砲の役割とは15km～30kmという遠距離から榴弾を間接射撃で叩き込むことにあります。 榴弾は内部に炸薬を持ち爆発する弾ですが、爆発の圧力と熱に加えてその飛散する破片こそが最も危険な代物です。 破片の危害半径は爆発の威力そのものより格段に広く、広範囲を制圧することが可能です。 歩兵の着るボディアーマー（防弾チョッキ）は戦場においては銃弾を防ぐというより破片対策というのが一番です。 歩兵の死傷理由の一番は銃で撃たれたことではなく砲弾の破片によるものです。 ですがこの破片では装甲化された戦車には通用しません。 というか、戦車や歩兵戦闘車両は砲弾が降り注ぐような環境下でも戦闘できることを目的としている装甲戦闘車両です。 榴弾砲の中には対戦車用の成形炸薬弾を持つものもありますが、それは近付かれた場合の対処用。 本来は遠距離から攻撃する榴弾砲が近付かれて戦車に応戦するくらいならさっさと逃げるのが現実的としてやはり流行りません。