清岡卓行のミロのヴィーナスの論理国語の文について疑問があります。 ミロのヴィーナスが腕を失ったことが特殊から普遍への跳躍とありますが、なぜ両腕を失ったのが普遍なのですか？普通の像は両腕がある（普遍）だと思うのですが。

清岡卓行の「ミロのヴィーナスの論理」における「特殊から普遍への跳躍」という表現は、芸術的価値の文脈で理解する必要があります。 ここでの「普遍」とは、単に「一般的な状態」という意味ではなく、「時代や文化を超えた普遍的な美や価値」を指しています。ミロのヴィーナスは、両腕を失うという「欠損」「不完全さ」によって、かえって想像力を喚起し、完全な形では得られない美的価値を獲得したと考えられています。 つまり、両腕がある状態は物理的には「普通」かもしれませんが、芸術的価値においては、その欠損によって生まれた余白や想像の余地こそが、時代を超えた「普遍的な美」を生み出したという逆説的な意味で「普遍」と表現されています。 特殊な事故（腕の欠損）が、かえって芸術作品としての普遍的価値を高めたという文脈で理解すると、清岡の言う「特殊から普遍への跳躍」の意味が見えてくるでしょう。