計30万部!パリス・ヒルトンの暴露的自伝『PARIS The Memoir』日本語版が刊行
公開日:2025/1/12
株式会社太田出版は、“元祖インフルエンサー”のパリス・ヒルトンによる自伝『PARIS The Memoir』を2025年1月28日(金)に翻訳刊行する。ADHDの当事者であり、児童虐待と性暴力の被害者だったことの告白から、そこからどうやって生き延び、成功を収めたのかが赤裸々に綴られている。翻訳は村井理子が担当。
“元祖インフルエンサー”による全米を揺るがした衝撃的な自伝
2020年9月、YouTube上にアップされたドキュメンタリー映画「This is Paris」が全米に衝撃を与えた。「有名であることで有名」と揶揄されてきた「お騒がせセレブ」であるパリス・ヒルトンが、世界中を飛び回り華々しいビジネスを展開するなか、夜のホテルの一室で「眠れない」と震えている。彼女の口から語られたのは、寄宿学校(CEDU)で受けた虐待の数々とそのトラウマに現在も苦しんでいる、という事実だった。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)で、おとなしく机に座っていることができなかったパリス。お嬢様学校から脱落した彼女は、ある日、両親の目の前でふたりの男に自宅のベッドから引きずり出され、手錠をかけられる。そして16歳から18歳の2年間、子どもを「矯正」し、「家族を再びひとつにする」と謳う施設で、スタッフから強制的に薬を飲まされ、裸にされ、性的虐待を受け、暴力的に拘束され、独房で隔離された。
本書は、パリスがこのような過酷な虐待をいかに生き延び、トラウマと闘い、スターとなっていったのか、セックステープの流出や飲酒運転騒動の裏側なども含め、その半生を詳細に綴った骨太のメモワールだ。
刊行されると瞬く間に話題を集め、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー、サンデー・タイムズ・ベストセラーとなり、累計30万部を突破。アカデミー賞作品賞を受賞した「ムーンライト」や「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」などで知られる米映画会社A24がテレビドラマ化することも決定している。パリスは現在、児童保護の保護強化と安全確保のロビングの先頭に立ち、米国下院で証言するなど精力的に活動中だ。
今回の書籍について担当者に話を聞いてみた。
——今回の書籍の狙いは?
ヒルトン家のお嬢様で何不自由ない暮らしをしているかのように思われたお騒がせセレブが、実はADHDの当事者であり、児童虐待の当事者であるということ、そして優秀な起業家であり、インフルエンサーという職業を創り上げた人間だということを知らせることで、社会の女性に対する見方そのものを変えたいと考えました。
世界一幸せになれるはずの女の子が、なぜこんなにも過酷な逆境に耐えなければならなかったのか。ゼロ年代の若い女性の扱われ方というのは本当に悲惨で、それが大きく更新された部分と、全然変わっていないところが混在しているのがいまだと思います。
「イット・ガール」の扱われ方というのは、そのまま全世界の全女性の扱われ方でありうる、というのは本書でパリス自身が語っていることです。
——今回の書籍のイチオシは?
何度打ちのめされ、裏切られても立ち上がり、社会に貢献すること、パートナーや家族を愛することを忘れず、新しいビジネスを創り上げて自立するパリス・ヒルトンのパワフルさと聡明さ。
——ユーザーへのメッセージは?
読むのがしんどくなるようなハードな描写も多々ありますが、そうやって「こんな世界は間違ってる! 変えなくちゃ!」と奮起することこそ正しいのだと、著者のパリス自身が本書の中で書いています。暗い山奥を裸足で駆け降りるパリスの姿を目に焼きつけてください。
<目次>
プロローグ
ヒルトン家の家系図
第1部 生まれながらのパーティーガール
第1章 このドアは閉めておくこと
第2章 スター誕生
第3章 被害者になるか、インフルエンサーになるか
第4章 スリヴィングなグラム・クラッカー
第5章 レイヴとパパラッチ
第2部 サバイバル
第6章 情動発達プログラム ――「家族は再び一つになるのです」
第7章 移送と検査
第8章 地獄のラップ会
第9章 犠牲者の眠る森
第10章 罰
第11章 脱走
第12章 独房
第3部 スタートアップ
第13章 Y2Kが来る!
第14章 セックステープの流出とプライバシーの商品化
第15章 運命の1枚
第16章 最高の喜劇
第17章 私がイット・ガール
第18章 PTSD
第4部 リブランディング
第19章 SNSとインフルエンサーの時代
第20章 カミングアウト
第21章 出会い
エピローグ
謝辞
訳者あとがき
【筆者プロフィール】
著:パリス・ヒルトン(Paris Whitney Hilton)
20年以上にわたってポップカルチャーを牽引している、世界屈指のインフルエンサー。起業家、テック・パイオニア、DJ、レコーディング・アーティスト、慈善家として、数十億ドル規模の“世界帝国”を築く。2021年、ポップカルチャーの中心的人物として、コンテンツ、コマース、コミュニティをつなぐ次世代企業、11:11 Mediaを設立。ティーンエイジャーを支援するための法改正のロビイング活動の先頭に立つなど、若い女性や少女に力を与え、地位を向上させることに専心する支持者、活動家として影響力を持ち続けている。夫と息子とともにロサンゼルス在住。
訳:村井理子(むらい・りこ)
翻訳家・エッセイスト。静岡県生まれ。滋賀県在住。訳書に『ヘンテコピープルUSA』(中央公論新社)、『ゼロからトースターを作ってみた結果』『人間をお休みしてヤギになってみた結果』(ともに新潮文庫)、『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』(きこ書房)、『黄金州の殺人鬼』(亜紀書房)、『エデュケーション』(早川書房)、『メイドの手帖』(双葉社)など。著書に『ブッシュ妄言録』(二見文庫)、『家族』、『犬(きみ)がいるから』『犬ニモマケズ』『ハリー、大きな幸せ』(以上、亜紀書房)、『全員悪人』、『兄の終い』、『いらねえけどありがとう』(以上CCCメディアハウス)、『村井さんちの生活』(新潮社)、『更年期障害だと思ってたら重病だった話』(中央公論新社)、『本を読んだら散歩に行こう』(集英社)など多数。
【書籍情報】
■書名:PARIS The Memoir(パリス ザ メモワール)
■著者:パリス・ヒルトン、訳:村井理子
■発売日:2025年1月28日(金)
■定価:2970円(本体2700円+税)
■ページ数:464P(四六変形並製)
■発行:株式会社太田出版
太田出版HP
https://www.ohtabooks.com/publish/2025/01/24185456.html