東中野修道氏、夏淑琴さん名誉毀損訴訟第一審で敗訴


この訴訟は南京事件の初期、城内南部で起こったいわゆる「新路口事件」の被害者である夏淑琴さんが、東中野修道氏と展転社を名誉毀損で訴えていたものである。

新路口事件と、東中野本(『「南京虐殺」の徹底検証』)については、k-kさんが詳細な分析を加えている。
http://wiki.livedoor.jp/kknanking/d/%BF%B7%CF%A9%B8%FD%BB%F6%B7%EF

とりわけ、【bayonet】の誤訳問題などに留意されたい。


さて、11月2日の今日夕方、東京地裁の判決があった。
東中野氏の分析は「学問研究の成果にも値しない」と判断されたようだ。

共同通信配信の東京新聞記事。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007110201000659.html

 旧日本軍による南京大虐殺の被害者を装い虚偽の証言をしているかのように本で書かれ、名誉を傷つけられたとして、中国人の夏淑琴さん(78)が、著者の東中野修道亜細亜大教授と発行した「展転社」(東京)に計1500万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は2日、計400万円の賠償を命じた。
 三代川三千代裁判長は「本の記述は、原告が生存被害者ではないのに被害者と偽っていると強く印象づける内容。資料の解釈は妥当ではなく、学問研究の成果にも値しない。真実や真実と信ずべき相当な理由は認められない」と判断した。
 東中野教授は「非常に心外。控訴する方針」と話している。
 問題の書籍は1998年発行の「『南京虐殺』の徹底検証」。国内で約1万3000部出版され、英語版や中国語版も出た。
 判決によると、夏さんは、米人牧師が記録した南京大虐殺の資料に出てくる家族を殺された8歳の少女は自分として、被害体験を語ることで知られていたが、東中野教授は「少女は夏さんとは別人」などと記述した。

時事通信の記事。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2007110200758

南京大虐殺被害者の象徴とされる夏淑琴さん(78)が日本の書籍で「偽者」と指摘されたとして、著者と出版社に1500万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は2日、「指摘は真実ではなく、名誉棄損に当たる」として、400万円の支払いを命じた。
 訴えられたのは亜細亜大学の東中野修道教授(60)と出版社「展転社」(東京都文京区)。
 三代川三千代裁判長は、同教授が夏さんを偽者と判断した根拠となった英文資料について、教授が解釈を誤った可能性を指摘。「教授の翻訳では、前後の文脈などから資料全体に不自然な点が生じる」と述べた。
 その上で、「解釈は妥当なものとは言えず、学問研究の成果に値しない」と批判した。<<